2017年12月21日
2022年6月8日
そんなわけでアテクシ侍従、 年明けには常陸宮でのお仕事確定いたしましたー!イエー! だけどその前に大輔の命婦さんから聞いた話を補足しとくね。
例の姫君のお歌が書いてある陸奥紙(無駄に高級な楮紙)、ヒカル王子が端っこにいたずら書きしたんだって。こんなかんじ↓ 「特に縁があったってわけでもないのに どうしてこんな、末摘花に袖触れる羽目になったんだか。 えらく 色の濃い花 とは思ったが」
「 花って……あっ(察し 」
大輔の命婦さんも、ぶっちゃけ真正面から姫君の顔みたことはなかったんだけど(深窓の御令嬢だから身内にすら滅多なことでは顔見せない)、付き合い長いから何とな…
末摘花 十(オフィスにて♪)
2017年12月5日
2022年6月8日
「侍従ちゃん?」
「なあに右近ちゃ……じゃなかったっ 大輔命婦 さん!?」 「ごめんね忙しいのに。師走だものね。ちょっとだけいい……?」
「いえいえいえ!だいじょぶですよ!大輔命婦さんのお望みとあらばうちのウルサイお局さんだってなんもいわないし!いいところにいらっしゃいました、ついさっきお正月準備の荷物届いたばっかで。何でも言ってください♪」 「ありがとね。でも、 そういうことじゃないの 。ちょっと話を聞いてもらいたくて」
「え……そ、そんなウルウルした瞳で見つめられたらアタシ……」
大輔命婦の白くしなやかなてのひらが、侍従の手を優しく包むこむ。
「わ、わかりまし…
十月に観た映画と本
2017年11月20日
2023年9月12日
超多忙だった一週間が過ぎぐっと下がった気温に応じて見事に風邪をひき(-_-;)気が付けばもう11月後半です。最近ホントに映画館に行ってない。行きたいのに。 「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」(tigers)ダニス・ダノヴィッチ Tigers Danis Tanovic (2014印仏英)
何かの映画評で見て気になっていたので借りた。
【60字梗概】
粉ミルクが汚水で作られ乳児を死なせている事実を知りながら利益優先で販売を続ける多国籍企業を社員が告発し失職、憂き目にあう。
「エリン・ブロコヴィッチ」のような勧善懲悪の社会派映画かなと思ったら肩透かしを食ら…
九月に読んだ本
2017年9月7日
2019年7月3日
「蜜蜂と遠雷」恩田陸
第156回直木賞、2017年本屋大賞、第五回ブクログ大賞小説部門大賞、等々各賞を総なめにした本作。子供が学校の図書室から借りてきたのでこれ幸いと読んだ(←)。
それにしても最近ハードカバーをほとんど買わなくなってしまった…お金の問題ではない、場所がないのだ。住む場所に対してほとんどこだわりはない私だが、本を置くスペースだけはふんだんにほしい。宝くじ当たんないかしら。ていうか整理整頓をもっと徹底すればいいんだが、今やりたくなーい(いつやりたくなるんだ)。まったくお話にならない。
さてこの本、構成はいたってシンプル、最初から最後までピ…
八月に観た映画
2017年8月28日
2023年9月12日
引き続き ・選んだ理由と観た後の感想(100字まで) ・梗概(60字) を書いてみる。 <<<!!ネタバレ・長文注意!!>>> 「誰のせいでもない」 ヴィム・ベンダース Every Thing Will Be Fine Wim Wenders (2015独加仏瑞諾合作)
監督がヴィム・ベンダースだったことが選んだ理由。期待通り、映像が本当に美しかった。色彩、構図、風景の切り取り方、画面の切り替わり、全部完璧。微妙な感情の起伏や変化が言葉でなく映像で十二分に語られている。ショッキングでつらい設定だが、ラストシーンはホッとさせられた。
【60字梗概】
冬の道で起きた不…
五~七月に読んだ本
2017年8月17日
2023年9月13日
例によってまた更新をサボってしまった!久しぶりなので何を読んだやら忘れてる…順不同で行きます。 「荒神」宮部みゆき
久しぶりの宮部さん。ご本人の「特撮時代劇を書きました!」との言は読み終わってから知ったのだが、私の印象としては特に冒頭の掴みは「ジョーズ」とか「グリズリー」とかのパニック物を連想。途中のグロい描写は「進撃の巨人」、途中でその生き物の正体がわかったところではじめてああこれゴジラだ、とわかった。
以前、宮部さんにはファンタジー向かないのでは?と書いたことがあるが、今回時代物だったせいか特に違和感なく、当時の社会問題+伝奇的な要素がバランスよく組…
末摘花 九(ひとり語りby侍従♪)
2017年4月20日
2022年6月8日
外はもうすっかり朝よ。ヒカル王子の車が寄せてある中門は、超歪んでてボロっボロ。もちろん夜目にもボロっちいことはバレてたけど、今は全て隠れなく朝日に晒されちゃってもうね……。
どこもかしこも荒れ果ててる中、松の木に積もった雪だけこんもり暖かそうで、ここ山里? て勘違いしそうなほど寂しーいうらぶれた感満載。 (雨夜の品定めの時皆が話してた『葎の門』って、ちょうどこんな場所だったのかなあ。確かに、こういう所に 気の毒な境遇のカワイイ女子 を囲って、今どうしてるかなー恋しいなーって日々思いを募らせる、なんて楽しそう。名前を言えないあの女性(ひと)への思いも、それで紛…
四月に読んだ本
2017年4月19日
2023年9月13日
なぜか画像が貼りつけられないので、このまま更新。 「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」二宮敦人
藝大生を妻に持つ作家・二宮氏の実録ルポエッセイ。
私は「アーティスト」という言葉の意味を激しく勘違いしていた。アーティスト、とは、アート「で」生きていく人ではなく、アート「と」生きていく人のことなのだ。これまでの人生、真のアーティストの方々に対しては非常に失礼な見方をしていたように思う。ごめんなさい。
アートは本来、対価を要求するものではない。ただ作りたいから、書(描)きたいから、弾きたいから、とにかく自らの内から湧き上がる何かを表現することそのも…
末摘花 八(ひとり語りby侍従)
2017年4月7日
2022年6月8日
やっとやっと、夜が明けた! (よし、これで帰れる♪) とヒカル王子が格子を上げると、お庭は一面の雪。誰かが雪を踏みわけた跡もなく、ただ真っ白の寂しーい荒れ地がどこまでも、て感じだったから、これほっといてさっさと帰っちゃうのはさすがにキチクってもんかなー、とマメ男の王子は思ったわけ。 「空がなかなかいい感じですよ、一緒に観ない? いつまでたっても籠ってばっかじゃつまんないよー。こっちおいで(棒)」
王子の顔が、まだ薄暗い中雪あかりに映えますますのキラキラ☆イケメンっぷりを発揮。お婆さんたち(といっても多分30~40代…)眼福眼福とばかり拝みたてまつる。 「姫君、…
三月に観た映画
2017年4月5日
2023年9月12日
久々にDVD3本一気観。
ちょっと練習&リハビリの意味で
・選んだ理由と観た後の感想(100字まで)
・梗概(60字)
を書いてみる。 <<<!!ネタバレ・長文注意!!>>> 「葛城事件」赤堀雅秋(2016)
ネットで見かけて興味を惹かれた。率直にいって重く、暗く、救いようがないが、一度観始めると引き込まれて止まらなくなる。結構長めの映画なのに最後まで一気に連れて行かれた。
【60字梗概】
長男は自殺、次男は無差別殺人で死刑、妻は精神を病んだ。家族が離散し空っぽになった家で男は自殺を図るが失敗、一人生きていく。
赤の他人を手当たり次第に殺す、ということが…
末摘花 七(ひとり語りby侍従♪)
2017年3月22日
2022年6月8日
今更なんだけど、このお話って実はけっこうスパンが長いのよね。長いことウダウダやってた割には進展ないままズルズル来ちゃったって感じ? 特に、紫ちゃん奪還(つうか誘拐)作戦前後はそれこそ正妻さんはおろかあの六条の御方さまさえ疎遠にしてたくらいだから、推して知るべしってもんよね。ふっるいボロ屋敷で趣も何もない、女房も年寄りばっか、当の本人も超絶引きこもり体質&無反応でやり取りを楽しむなんて夢のまた夢、マメに通おうがほっとこうが何をどうやっても 無駄無駄無駄ア! て感じだから面倒臭さの方が先に立ってなんとなーく足が遠のいちゃった。
フツーの男ならこれでもう自然消滅…
末摘花 六(ひとり語りby侍従)
2017年3月8日
2022年6月8日
さて、いろいろと 腑に落ちない夜 を過ごしたヒカル王子、二条院に帰ってゴロンと寝転がったものの眠れない。
「 んー何か思ってたのと違う・・・なかなかこれぞ! て人はいないもんだなー 」なんて自己チューなことを言いつつ
「 かといって、 あ、もういいですじゃサヨナラ なんてテキトーに扱っていい身分の姫君じゃないし・・・あーどうしよ 」
思い悩んでるところに頭中将、登場(それにしてもやたら絡んでくるわねーストーカーちっくよね)。 「珍しいですねえ、こんな遅くまで朝寝なさるなんて。あやしいなあ。どうせ女でしょ! わかってんですよ!」
などと耳元でウルサイので王子しぶしぶ起き上…
一・二月に読んだ本
2017年3月4日
2023年9月13日
例によって更新滞りまくり。忘れないうちに殴り書き。 「邪悪」上下 パトリシア・コーンウェル
元システム系の職場にいた作者が時々、ITがらみの新しい犯罪パターンを紹介?してくれるこのシリーズ、今回は犯罪者や犯罪の内容そのものを消したり改ざんするデータフィクション。そもそもネットやマシンにデータをのせて誰かとやりとりするかぎり、そういったリスクからは逃れられない。どんなにセキュリティをきつくしても、結局管理する立場の人間は必要で、やろうと思えば何でもできる。つまりどんなに技術が進んでも、最終的には人間の善意に頼るしかないのだ。そこに巧妙な悪意が入り込めばどう…
十二月に観た映画
2017年1月18日
2023年9月12日
「ゼロ・グラビティ」アルフォンソ・キュアロン Gravity Alfonso Cuaron(2013米)
宇宙船とか宇宙飛行士とか、カッコよさそうで憧れるけれど、正直宇宙には行きたくない。よく船なんかで戸板一枚下は地獄とかいうけど、下どころか宇宙服の数センチの厚みの外は360度全て地獄やないかい。怖すぎる。宇宙船がドカンといって即死ならともかく、一人ぼっちで長い間漂って寒さと酸素欠乏でじわじわ弱っていくって、あああ考えたくない。普通の人間ならまず精神がもたない。だがそこはさすが宇宙飛行士。どんな難題がふりかかっても簡単には諦めない。きわめて冷静にできるこ…
十一月・十二月に読んだ本
2017年1月5日
2023年9月13日
2017年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
以下、ネタバレあり注意。 「ミスター・メルセデス」上下 スティーブン・キング
発売して間もなく購入したにも関わらず、ここまで放置してしまったのは、読み出すとあっという間=時間泥棒と化すのがわかりきっていたため。案の定、一気読み。
さてキング初!のミステリー長編。盗んだメルセデスで行列に突っ込み何人もひき殺した挙句逃げ切った凶悪犯と、彼を追う元刑事の攻防。登場人物一人一人の性格やその背景をきっちりと描くのはいつものことだが、いつもより導入部がコンパクトかつわかりやすい。…
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