九月に読んだ本
第156回直木賞、2017年本屋大賞、第五回ブクログ大賞小説部門大賞、等々各賞を総なめにした本作。子供が学校の図書室から借りてきたのでこれ幸いと読んだ(←)。
それにしても最近ハードカバーをほとんど買わなくなってしまった…お金の問題ではない、場所がないのだ。住む場所に対してほとんどこだわりはない私だが、本を置くスペースだけはふんだんにほしい。宝くじ当たんないかしら。ていうか整理整頓をもっと徹底すればいいんだが、今やりたくなーい(いつやりたくなるんだ)。まったくお話にならない。
さてこの本、構成はいたってシンプル、最初から最後までピアノコンクールだ。読んだ直後には、60字梗概を書く意味ないのでは?と思いかけたが、やはりそれは違う。基本に「国際ピアノコンクール」という様々な意味の詰まった確固とした言葉があり、それを柱として物語を紡いでいるというのは大事なことだ。こういうことをやった人、たぶん誰もいない。目の付け所がさすがの恩田陸さんである。
【60字梗概】
国際ピアノコンクールに亡き天才音楽家が送り込んだ少年のピアノは周囲に強烈な影響を与え、やがて音楽の真髄を全員が体験する。
実に情けないことだが私はクラシックに全く詳しくない。ここに出て来る曲でメロディーが即座に浮かんだのは一割に満たない。三割くらいが曲名は聞いたことあるけど…で、あとの六割はさっぱりという体たらく。そんな私が声を大にして言う!「蜜蜂と遠雷」は、
クラシックを全然知らなくても楽しめる小説
だと。
しかし熟知してたほうがさらに楽しめることは確か。ええ、私もやりましたともここに出てきた曲を検索して聴くということを。きっと皆同じことをやってるに違いない、ピアノ動画に挟まって恩田さんのインタビュー動画とかありましたもの。ひととおり聴いて、文庫になったころもう一度読み返したい。
かつてブームを呼んだ「のだめ」のような爆発力はなくとも、じわじわと長い時間をかけて効いてくるような小説だと思う。既に種はいたるところに撒かれている。うーんこういう小説を書けたらいいなあ。
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