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龍馬よりステキ女子

「龍馬伝」を観ている。が、最近リアルタイムではなく、ブルーレイ様に録画していただいたものを、誰もいない日中に有難く観させていただいている。ちなみに私は特に福山ファンというわけではない。単に歴史物が好きなんである。

ドラマの出来としては悪くないのかもしれないが、時折むずがゆくて仕方なくなる。
私は坂本龍馬という人を詳しく知っているわけではないし、龍馬について書かれたものをたくさん読んでるわけでもない。だけどやっぱり違う気がするんだよなあ。特に色恋絡みが。
しつこいようだが加尾さんが本当に不自然。かといってヒロスエさんのイメージでもない。強いて言えば、脚本家自身が持つヒロスエという女優のイメージ?

あまりに腑に落ちないのでちとぐぐってみる。

日本歴史 武将・人物伝より

平井加尾

・幼なじみの龍馬より四歳年上。一番下だが一応上士なので、身分も坂本家よりは上。
・和歌も嗜む才色兼備。

土佐藩十五代藩主・山内容堂の妹、友姫が三条家(尊皇攘夷派)に嫁ぐ際、御付役(奥女中)としてともに上洛(このとき21歳)。現地では土佐の貧乏下士や脱藩浪士などを助け、土佐勤王党の関係者を世話したり、兄・収二郎に京の動静を報告したりしていた。土佐に戻ったのは三年後(24歳)。

これによると、
龍馬とは、脱藩するまでは接点があるものの、どちらかというと京という都会でバリバリ働いている加尾を頼りにし、何かと助けてもらおうとしていた感がある。
しかも、千葉道場の娘・さなと比べて「(容姿が)落ちる」なんて失礼なことを乙女姉さん宛の手紙に書いている。

・・・・・

やっぱりドラマのような関係じゃないわいな。

加尾さんは土佐に帰った後、切腹した兄の代わりに平井家の存続をはかり、同じ土佐勤王党だった西山志澄を婿に取る。志澄は戊辰戦争にも土佐藩兵として出兵、会津戦争では戦功をあげる。
そののち二人は西山家に入るが、加尾は自分の娘に平井家を再興させている。
志澄は大隈内閣で警視総監をつとめた。

つまりなんだ、加尾さんは20歳そこそこからセレブな職場でがしがし働き、兄の死という不幸にもめげずエリート&有能な男性をゲット。夫が地道に出世していくところで夫の実家を立て、のちに自分の実家も立て直す。

加尾さんステキすぎる(はぁと)。
マジで龍馬なんかめじゃないじゃないですか。

加尾さん物語を誰か書いてー。てか書こうかな私。

「ひきさかれた愛」うむむ

「龍馬伝」をずっと観ている。「JIN」などの豪放磊落な龍馬像とは違う、優しくおっとり、喧嘩が嫌いでちょっと頼りない感じ、だけど剣の腕はピカ一で超強い福山龍馬はなかなかである。物語は骨太だが歴史の流れだけでなく、当時の武士の生活ぶりなどかなり細かくこだわっていて、いろんな見どころ満載なところも良い。

だがしかし。
今回はちょっと、引いたなあ。いや、ヒロ●エ好きじゃないせいもあるんだけど、当時のお武家の娘さんとしては、リアリティに欠ける気がする。
たとえば戦国時代において、政略結婚とはすなわち女性にとって、重要な外交大使として派遣されるということでもあった。自分の役割の重要性をよく理解し納得した上で、城の名代として堂々と嫁いでいったのである。個人を重視する現代とは大きく違う、昔の日本人は(特に上流階級であればなおさら)家とともに生きていた。

加尾という女性を考えてみる。兄の収二郎は文武を兼ね備える秀才、加尾も和歌をたしなみ文筆に長じた才媛。若くして公家の未亡人の側仕えに抜擢されるというのは、只者ではない。相当のインテリでかつ気働きもきく、スーパーな女性だったであろうと思われる。

そんな加尾が、兄の友達で幼いころから馴染みだったとはいえ、龍馬と恋に落ち、兄が持ってきた京都での宮仕えを蹴って土佐で一生暮らしたい……などと言うとは思えない。いや、ヒロ●エみたいな女性なら言うかもしれんが、ホントの加尾さんなら絶対、兄に切腹するぞと脅されるまでもなく、キリリと京都に旅立つと思うなあ。
龍馬の方にしても、加尾の家まで押し掛けて愁嘆場を演じるなんてことは、当時の武士の男であれば絶対しないだろう。現代だとしてもあり得ない。出世を約束された海外出張が決まった彼女の会社に「行かないでくれ!」と押し掛けるようなもんだろう。まるきりストーカーじゃないかっ(笑)。

私の勝手な推測だが、加尾さんの件は完全に龍馬の片思いだったんじゃないだろうか? 頭が良くて美人でしっかり者の女の子、兄の友達ということで仲良くはしてたものの、加尾の視線はもっと高みに向いていて、まあまあカッコよくて性格はいいけど単なる田舎者の若造でしかなかった龍馬には鼻もひっかけなかった、というのが真相なんじゃないかしらん。
宮仕えを引いたあとには警視総監と結婚してるし、かなり野望に満ちたイケイケのキャリア系女性だったと思うぞ。だからヒロ●エは全然イメージじゃないんだよなあ、私の中では。

とブツブツ言うと、ファンには怒られるだろうけど。既に、旦那の会社の三十代男性には「敵」と見なされている私なのであった。うむむ。

ギネ終了! JINあと一回。

とうとう最後まで観てしまった「ギネ」。案の定な終わり方だったが、最後近くの君島先生のセリフはなかなかだったので、再録しておく。

小笠原行きの船に乗り込む列に並ぶ、柊先生とその息子。そこに駆けつけた玉木と君島。あなたは小笠原で何をする気なの? と詰問する君島に柊先生
「まだ具体的には何も決めていません」(←息子も連れてくのにこれはないよね)「徳本さんのことがあって考えました」「小笠原には産科医がいない、島の妊婦さんと生活をともにすることでもっとお産を知りたい」「高度医療の現場だけがお産ではないと思います」
などと力説。君島先生怒り心頭、
「女学生みたいな考えはやめなさい!」
とバッサリ切り捨てる。

「女の子の心の旅じゃないのよ! そんな甘い気持ちで医療の問題は解決しないわ。小笠原で妊娠した人は、30週になったら本土に移動してお産をしなきゃならない、それは確かに大変だけど、貴方があっちへいくことで、みんなが島でお産をするようになったらどうなると思うの? それまでなんともなくても、急にハイリスクになることもあるのよ。NICUもなく、新生児科の先生もいないところで、あなたはハイリスクの妊婦さんをどうするつもりなの? 飛行場だってないのよ! 赤ちゃんや妊婦さんが死んだら、あなたが殺したことになるわ! これだけ長いことギネやってて、何でそれがわかんないの!」(←このセリフ、もっと前に聞きたかったです、君島先生)

で、まだまだ修行が足りん! 私が鍛えてあげるから戻ってきなさい! で柊、しゅん。
小笠原の妊婦さんについてはどうするんですか? という玉木の質問に君島、人員体制や移動手段など、行政と相談しながら総合的に考えていくべき、個人でどうこういう問題じゃないと一喝。

……えーと、柊先生を教育なさるのはかなり大変かと思いますが……人手不足なので仕方がないのでしょう。柊先生、精進してくださいね。てか、いくら忙しくても自分の息子をそんなに振り回しちゃダメやん。転校手続きもしたんでしょ? 母としても、あまりに考えなさすぎ。ものわかりのいい(良すぎる)息子、心配だぞ。

さて「JIN」です。今回はさきさん主役。ニブチンの仁先生ちょっと分が悪い感じですが、来週は最終回すぺさる一時間半、どうやって終わらせるのか。
旦那曰く、漫画とは全然違う、そうで。原作は色恋要素はあまりなくて「沈黙の艦隊」医者版、みたいな感じらしい。ほ、ほんとか?(艦長好き♪)
まあ、どちらにしても、この「まっすぐな感じ」がすごくいい。真っ当な感じというか。人間性に何ら問題なく、真摯な努力も怠らない人が、それでも様々に悩み苦しみ葛藤する姿というのは清々しい。

このところ
「真っ当な人を真っ当に描く」
ことが少なかったんじゃないだろうか。
「ギネ」でもっとも不快な点は、柊のような傲慢でKYな医師で、いろいろやらかしても、なぜか必ず味方がいて、不自然なまでに献身的に助けてくれて何となくうまく行っちゃうというような構図。コメディならともかく、シリアスドラマであの展開はあまりにご都合主義。最後まで、なぜに君島がこれほどまでに柊をかばうのか、さっぱり理解できなかった。まあ最後のは、小笠原行きを阻止するために言ったんだろうけど(自分が見てないと何するかわかんない、というのもあり)。
「ギネ」の柊先生は医師として云々以前に人間としてダメじゃ? というようなことを某お医者さまのブログで発言したら「医師という職業は、社会人として、人間としてダメでも、医師としてはまあまあ優秀、という人がいる業界なんですよね。『医者は常識がない』とかよく言われますしね」などと自嘲気味のコメントを返されてしまった。
いやいやでもね、それをあげつらうのがこのドラマの目的ってわけじゃないですよね。

読売ONLINE「脚本家の仕事とは」より引用

社会的意義のあるドラマではありますが、啓蒙のためにやっているわけではありません。様々な矛盾を抱えて生きる人々のささやかな応援歌になることが、私の願いです。でも、最後まで見ていただければ、産婦人科医の仕事は素晴らしい、と思っていただけると思いますし、産婦人科医をめざす人が増えるといいなとも思っています。

前者のはともかく、後者はどうかなあ???
これだけ医療崩壊が深刻な今なら、はっきり「啓蒙」のため書いてもよかったんじゃないかな。とにもかくにも、柊をもっと魅力的な医師にしておいてほしかった。
まあ、いち主婦の無責任な意見ではありますが。

ああ、「JIN」が終わるのは寂しいなあ。映画化しないかな。深夜アニメ化でもよし。

とほほのギネ、いとしのJIN

今週の「JIN」も、見どころたくさんで満足でありんした(←変)。
江戸の大火の場面が一番の見せどころだったと思うが、今回なんといっても鈴風さんが仁に迫る場面が。

何しろ大沢たかおさんは、困った顔をさせたら天下一品の俳優(と勝手に断言)。吉原の花魁といえば名実ともに女子力最強、しかも恋人激似の鈴風さんのなりふり構わないアタックに、耐えに耐えて、あぁもうダメかも……と自制心がついえていく風情、胸キュンしなかった女子はいないであろう。
いや微妙に女子の感覚じゃなかったかも。私はあの場面観て、若くてすれてない、可愛い女の子に目じりを下げるオジサンの気持ちが一瞬わかったような気がした。とすると極めてオヤジ的な胸キュンか? それか萌えってやつですか? いや、別に私のことはどうでもよくて。

とにかくそのあとで、中村敦夫さん演じる「を組」の辰二郎さんに啖呵を切られ、切り返す仁の凛々しさといったらもう。あのシーンのあとにこれですかーっ惚れてしまうやないのっ。本当にもう、呆れるくらいよく出来ている。脚本も、演じる俳優も、音楽も。
類型的といえばそうなのだけど、一人ひとりの人物、一つ一つのシーンやエピソードがぴたりとはまってるので、素直に乗せられてしまう。
ちなみに辰二郎さんも、最後に笑いだす前の一瞬泣きそうな顔、あちきは見逃しませんでしたえ(←やっぱり変)。

で、「ギネ」ですよ。
何だかなにもかも迷走しています。
この病院、変な人ばっかりじゃん。病院長の「柊は疫病神だ」て言葉にうんうんと頷いてしまう私。
君島先生が懸命にかばう理由が観てる方にもわからんぞ。それに先々週くらいで成長したはずの柊せんせ、またやらかしてるし。

あと、大事なこと。

病院が救急車からの要請を断るのは
「受け入れるための設備・要員が不足(医師がいない・必要な治療が不可能)だから」
であって
「どうしても患者を助けようという正義感に欠けるから」
ではない。
「ギネ」の柊のように「患者をすべて受け入れる」とやってたら、おそらく患者の死亡率も上がるし医師の過労死も増えるだろう。
「たらいまわし」は病院が無責任なせい、ではない。
そりゃ一部に問題ある病院や医師は存在するだろうが、大多数は極めて真面目に、心身が擦り切れるほど働いているのである。

今週、最終回だそうな。
どうやってまとめるんでしょ。その興味だけで観るかも。

さすがの「JIN」、なんでか「ギネ」

「JIN」はすっごい視聴率みたいだ。五回目以降から二十パーセント超え。もちろん今クールではぶっちぎりのトップばく進中♪ 私も欠かさず観ている。
毎回、何かしら事件は起こるのだが、それが大仰な感じじゃないのがとてもいい。俳優もベテランぞろいで、全体的に抑制された演技、演出のおかげで、テーマがくっきり際立つのであろう。小道具や伏線もさりげなく、だがぴりりと効いている。何より、ひとつひとつのセリフを、ひとりひとりがすごく大事に、誇りを持って言っている、その気持ちがビンビンに伝わってくるのもいい。そういうのが役者の技術ってもんなんだろうなあ。
金八先生、じゃない緒方先生、今回は泣かせてもろたぜ。
といいつつ私はすっかり大沢たかおファン。今は演劇の方に力を入れているらしいが、もっとドラマにも出てほしいなあ。

で、「ギネ」。
6回めでガクっと10%落ち。私が観ないって言ったせいかしらん!(違)
実をいうと、結局観てしまっている。今の産科事情にシャレにならないものを感じているからに他ならない。なんてカッコイイ理由ではなく、何と言うか、出来の悪い子ほど可愛いというか目が離せないというか。7回目では裁判が始まったが、案の定「徳本さんのことは忘れたい」といったことを弁護士につっこまれてノリカさん絶句&ピンチ。そこに「偶然」怪我をして運び込まれた徳本さんの娘の血液検査をした「柊医師の元夫」、データに疑問を抱き調べると、徳本さんにはもともと遺伝性の血液疾患があったことが発覚。裁判は和解へ。……出来すぎじゃないかい? 
さらに次回は病院お抱え(&病院長と入籍)の弁護士が卵巣がんで子どもを諦めるか否かという決断を迫られる。周産期医療センターであるから、様々な症例が集まるのは当然にしろ、半径五メートル以内の人間関係でこんなにいろいろあるかいな。テーマはなんやねん、テーマは。
回を追うごとに突っ込みどころが蓄積していく感。医者じゃなくても突っ込めるドラマという意味では今期ピカ一かもしれん。

ギネ~やっぱり観るのやめたっ!

もう一度納得いかないことがあったら、観るのやめる、と言った。
この間の水曜日、五回目。

柊先生、前回の騒ぎにより、産婦人科から婦人科に移らされる。
柊「嫌です! 私、お産が好きなんです! 移りたくありません」
(中略)
先輩医師「君は、死から逃げてる。自分の母親の死からも、徳本さんの死からも。医者がそれではダメだ。医者に必要なのは客観性。それを身につけて冷静になるまでは、執刀はさせない」
(中略)
柊「いやです! 私は逃げてません! 死を考えているからこそ産婦人科医になったんです!」
(中略)
先「婦人科でダメなら、あとは辞めてもらうしかない。よく考えろ」

また別の場面、執刀医に自分より下手な人間が選ばれたことに怒り、直接上司に
「私の方が技術は上です! なんで○○さんなんですか!」
とくってかかる女性医師(柊ではない)。

……えーと。

人前で、上司にこれだけストレートに自分の思いをぶつけられるなんて、なんてリベラルな職場なのかしら。上司の度量はどんだけ広いんや。
私がかつて勤めていたシステム系の職場風に言うと「あの人がなんでこのシステム担当なの? 私の方が速いし正確だし適任ですよ!」て上司に訴えるのかな。ありえない。
しかしこの病院、上司以外は全員、客観性も冷静さも、欠けてないか? てか、好き嫌いで仕事を決めないように、プロなんだから。

そして、私が観るのをやめることにした、決定的なひとこと。

(亡くなった妻のことが、医療過誤の疑いありと週刊誌の記事に載ったため、担当医であった柊に説明を求めにやってきた夫に対し)
私は……徳本さんのことはもう忘れたいんです。忘れて、前を向いて行きたい

…………
今回、ネットの動画で観ていたんだが、ここでぶちっと☓をクリック。

これはアカン。

この夫、何も喧嘩腰で来たわけではない。この時点では、恨んでいるわけでもない。ただ亡き妻が、一番信用していた先生だから……と縋る思いでやってきたのだ。なのにこのセリフ。医師として、という以前に人間として、そりゃないだろう。
これじゃあ柊医師、単なる困ったちゃんじゃないか。私なら、こんなこと言われたら、何としても訴訟を起こす。ミスがなくても、起こす。自分の家族の死を、忘れさせたりなんかしない、絶対に。

原作の「ノーフォールト」、立ち読みでほんのすこし読んだが、おそらくドラマとはまったく違う、と思われる。やっぱり本の方を買ってみよう。ドラマはもう観ない。ノリカさんの美しさは捨てがたいが、なんだか可哀相で観てられない。
産婦人科の方々、挫けず頑張ってください。私はもう子どもを産むことはないと思うけれど、陰ながら応援しております。

さて明日は「JIN―仁―」だ。
原作者、村上もとかさんだったのね。「メロドラマ」の人。うちの旦那いわく「ライトにさらりと描くのがいい。新しいパターンを作り出す姿勢もいい。この作者ならこういうラストかな、て察しはついても、そこに至る過程を楽しめる」。
ドラマの方も、人物の描き方が丁寧で、納得がいくストーリー展開なので、引っかかることなく安心して観ていられる。漫画も読みたいものだ。「ギネ」の方の動機とは真逆だが。

どちらが信用できる医者か?

ドラマはたまーにしか観ないのだが、何年に一回か、継続して観てしまうことがある。今年はそういう年らしい。
このところよく観ているドラマは二つ。どちらも医療系である。

1.「ギネ~産婦人科の女たち」
2.「JIN―仁―」

この間の回で出たセリフ:

1.柊医師「○○さんは、死にません!」

2.南方医師「死ぬことも、救いなんだよね」

状況を簡単に説明すると、1.は帝王切開後に出血して、再手術になった(手術は成功、だがその後感染症で命を落とす)患者に対して言った言葉で、2.は、末期の梅毒患者に手を尽くしたものの、亡くなってしまったその後につぶやかれた言葉。

私は幸い、命に関わるような状態になったことは一度もないが、もし何かで入院したとして「あなたは死にません」なんて面と向かって言う医者は信用できない。人間はいつかは死ぬ、致死率100%だ。そういうことは重々承知の上でなお目の前の人を助けるべく最大限の努力をする、それがプロの医者ってもんだろう。軽々しく断言してほしくない。というか普通言わないのでは? 今まで子どもを連れてそれは何回もいろんな病院に行ったが、どんな軽い病気であっても「すぐ治るから絶対大丈夫!」なんて言われ方をしたことは覚えている限り一度もない。「大体はすぐ治るけど、もしこうこうなったらすぐ来てくださいね;こうなってないか様子を見てくださいね」とかそんな言い方だ。

医療系ドラマはなかなかに難しいところはあるだろうが(実際、現場のお医者さんたちからしたら不自然なことや間違い・誤解は多々あるらしい)、

「地域でも有数の、高度医療を扱う病院」で「勤務五年目」の医師が、
十万人に一人という母体死亡の例にぶつかり「多大な精神的ショックを受け」、
「前向きで進むために後ろは振り返らない:亡くなった患者のことは忘れる」などと口走り、
「普段なら経過観察しつつ普通分娩という妊婦を帝王切開しようとする」など常軌を逸した行動に出る、

なんてことはさすがにあり得ないのではないだろうか。実際にこんなトンデモ医者がいたら訴訟ものである。というか、この先医療過誤の疑いで訴訟を起こされるという筋のはず、観てる人に「こんな変な医者だったら訴えられて当然」て思われるのでは? 演じるノリカさんも可哀相である、最初は「愛想はないが、冷静で頭が切れて腕もいい勤続五年目のプロ医師」という設定のはずだったのに。

最善を尽くしても、ミスが一切なくても、亡くなってしまう命はある。こういう「地域でも有数の、高度医療を扱う病院」ならなおさら、他の病院で手におえないような重症患者が多く搬送されてくるだろう。必然的にそこで亡くなる人も多いということになる。ノリカさん扮する柊医師は「敏腕医師がどんなに手を尽くしてもダメだった」事例というのを見たことはなかったんだろうか? だいたい「柊先生は嘘をつかないから信頼する」と患者に言わせておいて、なぜ「死にません」なんてセリフが出てくるのか……そこですでに嘘じゃないか。

「精神的なショックを受けた人」を表現するのに、大袈裟に泣き叫んだり「変」になったり、というやり方はテレビ的にはいいのかもしれないが、あまりにキャラクターにそぐわないと白けてしまう。
患者が壮絶な最期を遂げ、母を亡くした子が泣き叫ぶ、その同じ病院の他の場所では、新しい命が生まれ喜びに包まれている。産婦人科ならではの状況だ。その様子を描くだけでは何がいけないのか? 充分衝撃は伝わると思うが。

ただ。
普通なら「ご臨終です」で終了してしまう患者死亡の場面が、病院から自宅に帰るところ、帰ったあと、妻の遺体の脇で、泣き続ける子どもをよそに新生児の世話や葬式の手配に忙殺される夫の姿をきっちり描いているところはかなり評価できた。家族の、特に一家の主婦の死は本当に大変なことである、毎日の生活は待ってはくれないのだから。

なんだかんだと垂れてしまったが、まあ、結構真剣に観ていたりするんである。でも「ギネ」は、もう一回変な状況が出てきたら観るの止めるかも。

「JIN―仁―」の方がちゃんとエンタメになっている気はする。こっちはずっと観るつもり。