2009年11月10日火曜日

どちらが信用できる医者か?

ドラマはたまーにしか観ないのだが、何年に一回か、継続して観てしまうことがある。今年はそういう年らしい。
このところよく観ているドラマは二つ。どちらも医療系である。

1.「ギネ~産婦人科の女たち」
2.「JIN―仁―」

この間の回で出たセリフ:

1.柊医師「○○さんは、死にません!」

2.南方医師「死ぬことも、救いなんだよね」

状況を簡単に説明すると、1.は帝王切開後に出血して、再手術になった(手術は成功、だがその後感染症で命を落とす)患者に対して言った言葉で、2.は、末期の梅毒患者に手を尽くしたものの、亡くなってしまったその後につぶやかれた言葉。

私は幸い、命に関わるような状態になったことは一度もないが、もし何かで入院したとして「あなたは死にません」なんて面と向かって言う医者は信用できない。人間はいつかは死ぬ、致死率100%だ。そういうことは重々承知の上でなお目の前の人を助けるべく最大限の努力をする、それがプロの医者ってもんだろう。軽々しく断言してほしくない。というか普通言わないのでは? 今まで子どもを連れてそれは何回もいろんな病院に行ったが、どんな軽い病気であっても「すぐ治るから絶対大丈夫!」なんて言われ方をしたことは覚えている限り一度もない。「大体はすぐ治るけど、もしこうこうなったらすぐ来てくださいね;こうなってないか様子を見てくださいね」とかそんな言い方だ。

医療系ドラマはなかなかに難しいところはあるだろうが(実際、現場のお医者さんたちからしたら不自然なことや間違い・誤解は多々あるらしい)、

「地域でも有数の、高度医療を扱う病院」で「勤務五年目」の医師が、
十万人に一人という母体死亡の例にぶつかり「多大な精神的ショックを受け」、
「前向きで進むために後ろは振り返らない:亡くなった患者のことは忘れる」などと口走り、
「普段なら経過観察しつつ普通分娩という妊婦を帝王切開しようとする」など常軌を逸した行動に出る、

なんてことはさすがにあり得ないのではないだろうか。実際にこんなトンデモ医者がいたら訴訟ものである。というか、この先医療過誤の疑いで訴訟を起こされるという筋のはず、観てる人に「こんな変な医者だったら訴えられて当然」て思われるのでは? 演じるノリカさんも可哀相である、最初は「愛想はないが、冷静で頭が切れて腕もいい勤続五年目のプロ医師」という設定のはずだったのに。

最善を尽くしても、ミスが一切なくても、亡くなってしまう命はある。こういう「地域でも有数の、高度医療を扱う病院」ならなおさら、他の病院で手におえないような重症患者が多く搬送されてくるだろう。必然的にそこで亡くなる人も多いということになる。ノリカさん扮する柊医師は「敏腕医師がどんなに手を尽くしてもダメだった」事例というのを見たことはなかったんだろうか? だいたい「柊先生は嘘をつかないから信頼する」と患者に言わせておいて、なぜ「死にません」なんてセリフが出てくるのか……そこですでに嘘じゃないか。

「精神的なショックを受けた人」を表現するのに、大袈裟に泣き叫んだり「変」になったり、というやり方はテレビ的にはいいのかもしれないが、あまりにキャラクターにそぐわないと白けてしまう。
患者が壮絶な最期を遂げ、母を亡くした子が泣き叫ぶ、その同じ病院の他の場所では、新しい命が生まれ喜びに包まれている。産婦人科ならではの状況だ。その様子を描くだけでは何がいけないのか? 充分衝撃は伝わると思うが。

ただ。
普通なら「ご臨終です」で終了してしまう患者死亡の場面が、病院から自宅に帰るところ、帰ったあと、妻の遺体の脇で、泣き続ける子どもをよそに新生児の世話や葬式の手配に忙殺される夫の姿をきっちり描いているところはかなり評価できた。家族の、特に一家の主婦の死は本当に大変なことである、毎日の生活は待ってはくれないのだから。

なんだかんだと垂れてしまったが、まあ、結構真剣に観ていたりするんである。でも「ギネ」は、もう一回変な状況が出てきたら観るの止めるかも。

「JIN―仁―」の方がちゃんとエンタメになっている気はする。こっちはずっと観るつもり。

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