回避と回遊

 コロナワクチン(コスタイベ)打った当日、うたた寝した間に見た夢。寝てる時間は一時間少々だったのに情報量凄い。途中で「ああこれはいつもの辿り着けない系の夢だ」と気づいたところがハイライト。

 実家に帰っている。親戚が大勢集まっているところに到着。皆歓迎してくれる。兄が赤ん坊をあやしながら私の近くに連れてきた。赤ん坊は人見知りもせずハイハイしながら寄ってきて私の膝に乗り、そのまま寝てしまう。そっと下ろそうとするとビクっと動く。起きてしまったかと思ったが、布団の上に寝かせたらそのまま大人しく眠り続けたのでホッとする。

 これから会食に出かけることになっている。夫と娘と準備をするうち、手土産を持ってこなかったことに気づいた。何故思いつかなかったんだろう、何故来る途中に買わなかったのか、いつも持ってきているのにと悔しくなる。部屋のテーブルには誰かが持って来たらしきお菓子の箱がいくつも置いてある。娘とエレベーターを待つ間行き先の店名を聞いたが、乗り込むと娘の姿がない。特に心配もせず下に降りれば誰かいるだろうとそのままでいると、見知らぬ若い父親と小学生くらいの男の子が乗り込んできた。エレベーターは一階を通り越し下の駐車場へとどんどん降りてゆく。父子が押すの忘れたね、と顔を見合わせて笑って、一階のボタンを押してくれた。エレベーターから降りると、勧められてこの父子の車に同乗した。息子の方はこれからスイミングスクールへ行くようだ。スクールは駅からさほど離れていないようなので、ここで男の子と一緒に降りると何度も言ったのに車を止めてくれない。父親がその先の電器店に寄るタイミングでようやく降車できた。

 駅に戻ろうと向かうも、歩くとやはり結構遠い上に坂道がすごい。坂を上りつめやっと駅舎が見えてきた頃、左側に素晴らしく青く美しい海の風景が広がった。いつの間にこんな場所にきたんだろう?しかし海沿いの道はガードレールもない細い下り坂の道で、しかも途中で途切れているようだ。大波が来たら一巻の終わりだろう。ここはダメ、他の道を行こうと何かの建物に入る。この間何度も娘にLINEしようとするがどうしてもうまく打ち込めない。聞いた店名も忘れてしまった。

 建物は博物館のようなところで変わった展示がある。スタッフらしき人から、まもなくTV撮影があるのでこちら側からは出られなくなります、と知らされる。しかし反対側から出ると、採石場のような盛り土しかないだだっ広い場所。付近に立っていた警備員?に駅はどこだと聞いても要領を得ず、まともに答えてもらえない。

 仕方なく建物に戻り、撮影予定の側を急いで通ることにする。幸い準備中のようで邪魔にはならなかったようだ。途中でベルトコンベヤーのような板の上を走る。足の下で何かの基盤や装置が潰され外れ下に落ちていく。これではとても走れないと思い別の通路を探すが、気持ちが焦るばかりで一向に外に出られない。

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「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」

  やっと観に行きました!シルバーウィークの終わりがけ、混雑も比較的落ち着いたところだったか、来場特典「ひみつ本」ゲットしたぜイエイ♪終了21時過ぎの早めのレイトショーだったが、やはり観客は大人が多かった。

「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」及川啓(2026)原作/監修 ナガノ


「ちいかわ」についてはもっぱらX(Twitter)にて漫画をチラホラ読んでおり、アニメについてはこの間ネフリで一気にまとめて観た(ただ全部ではない、まだ前半あたりと思われる)。なので登場人物(?)とそれぞれの性格、ちいかわの住む世界観もだいたい心得ており、可愛くてお呑気な(異世界での)日常系と思いきやその実メチャクチャハードで痛みを伴う展開をぶっこんでくることも知ってた。

 封切りしてからもうずいぶん経ったしネットには種々雑多な考察が溢れているので、今更私がなんか言うことでもないが、ひとつ言っておくとエンドロールから最後のシーンまで観て、席を立ち出口までの廊下を歩きつつ一緒にいた息子娘に対し発した感想は

「ヤバイ」

でした。うん、ヤバイとしか言いようがなかったわあの時。

 以下、あまりネタバレしないよう気をつけつつ思ったことだけ書いとく。

 基本的にはセイレーンは「日本における神」。豊かな実りをもたらす神(和魂)であると同時に、理不尽で残酷な禍をもたらす神(荒魂)でもある。善悪はない、そういった認識自体がない。神は自然そのものだからだ。

 この「神」といわばウィンウィンの関係でバランスが取れていた島だった。それが禁忌を犯した何者かにより崩れた。もはや内部では解決できない。外からやってくる者によって解決を図るしかない。

 ……あれ?この間観た「オデュッセイア」に建てつけが酷似しとるやんか!(とは多くの人が言っておる)

 そして結果として、「外から来たものによって『島内の』問題は解決する」んよね……うん。解決……(意味深)。

 観終わった後も色々浮かんで、じわじわ効いて来る映画でした。真面目によく出来ててとんでもなく面白いです。全国民観るべき。つか全世界で公開すべき。私は友人と二度目を観に行く予定(4DX)。  

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「タタール人の砂漠」

  そろそろ読書の秋、だけど雨ばかり。


「タタール人の砂漠」ブッツァーティ(1940伊、2013訳 脇功)

Il deserto dei Tartari / Buzzati,Dino

 カフカの再来、と称されるだけあって不思議な話だった。私の印象としては、カフカよりその視点は詩的で穏やかだが、ある意味途轍もなく容赦ないし厳しい。「なにかが起こるのをじっと待つ」ことに憑りつかれた男の話は、もちろん思った通りにはいかない人生の寓話なんだろうけど、「どうせ死ぬなら華々しく意味のある死に方をしたい」って意外に普遍的な考えなんだなあと変なところに感心してしまった。書かれたのがまさに世界大戦前夜?だからこそなのかもしれないが。大抵の人間は「特に意味もなく」「華々しくもなく」人生を終える。思ってもいないタイミングで突然断ち切られてしまう命もたくさんある。そう考えると、青春を「期待」に満ちて終え、最後の最後にやってきた「実現」を見聞きすることなく終わったジョヴァンニは実のところ相当幸せな部類なのではないか。最後まで「何か素晴らしいものがやってくる」と信じていたのだから。

 物語の中で風景だけが、最初から最後まで何も変わらないまま残る。なんだかんだ砦は、何もない寂寞とした世界(外の世界も含め)唯一の安全地帯ということだったのではないかなあ。淡々とした語り口だが最後まで面白かった。映画化もされてるらしいので観てみたいな。 

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「オーメン」

  溜めてる録画の山から気まぐれ消化。


「オーメン」リチャード・ドナー

The Omen / Richard Donner(1976米)

 小中学生の頃?に何度か観た。映画館で観た記憶はないのでおそらくテレビ視聴。しかしこういうのを9時台の洋画劇場とかで放映してたんだから凄いな。ガラス板で首チョンパとか真昼間の映画紹介番組で繰り返し放送してたし。以下、古い映画(五十年前てマジか!)なのでネタバレ気にせず行きますのでよろしくです。

 推定40年ぶりくらいに最視聴してみた感想は、

「え、これ宗教戦争ってやつじゃない?」

だった。というのも、主人公ロバート(グレゴリー・ペック)に危機を告げに来る「善なる人」のはずのブレナン神父の言動もまんま狂信者のそれだったからだ。完全に「ある考えに憑りつかれた人」。こりゃロバートが信じるわけないし警備員も呼ばれるの当たり前。焦ってたとはいえもうちょっと上手い言葉選びとか伝え方とか出来んのかい神職なのに。もう一人の火傷した神父にしても、「神の罰」を受けている・償わねばならないと言ってるのがすごく気になった。どういう神なんだそれは。要するに、キリスト教徒VS異教徒(とはいえキリスト教の系譜でもある)の争いってコト?どちらがこの米国という超大国の実権を握るかの戦い、と考えると、21世紀の現在、世界で起こってることの写し絵のようにも思えてくる。つまりは超絶出来のいい映画なのだ。

 ただ映画の中で繰り広げられる殺人は禍々しいが、ヒネた婆になった今観ると殆どは「人間が起こすこと可能」なやり方かもなとも思った。そこに悪魔が介在してるかどうかを「感じる」のは人間だからこそ。最初の乳母の身投げは、宗教に洗脳されたか催眠をかけられて「ダミアンの前で死んでみせること」が崇高な使命であり至上の幸せと刷り込まれてのことかと推察。「あなたのためよ!」という言葉が幼いダミアンの脳に与える影響も込み。代わりの乳母としてやってきたベイロックは、ダミアンに日々「教会は敵、避けるべき恐ろしい所」と吹き込み、自分がやることはすべて「あなたのため」「仲間以外は両親も含め全員敵」と繰り返して刻み付けたのだろう。本来警戒心の強いセレブ夫婦をいとも簡単に騙せる女だ、五歳の子の人心操作などお茶の子さいさい。

 そういう意味でブレナン神父も操作されてたんではないかしら。一人歩く道で突風に追いやられて走り出す場面は圧巻にして、彼の中にある不安と罪悪感を具現化したような絵面。教会に逃げ込もうとして落雷とともに降って来た槍に貫かれる死に方は衝撃的だが、出来すぎというか、むしろ自分から招き寄せた感すらある(槍に細工はしてあったのかもだけど)。有名なガラス板の首チョンパは偶発的なのか人為的なのかどっちとも取れる。ただダミアンの出生の秘密を知ったあとのロバートにはもう「悪魔の仕業」としか思えない。さらに妻の転落死(これは明らかにベイロックの手による)も重なって「ダミアンは悪魔の子」が確信に変わる。絶対に滅さなければ!!!とガンギマったロバートだが、最後の最後に躊躇って、追って来た警察によって射殺……そりゃあ他人から見れば、妻の死でおかしくなった夫が錯乱して子供を殺そうとした、としか見えないわな。ここら辺も上手い。説明のつきにくい超自然的な現象(写真に写った槍とか、動物に忌避されるダミアンとか)と、リアルの様相が絶妙なバランスで構成されてる。

 まあ家の中で三輪車転がしてた五歳児が母親の踏み台にぶつかって転落させるとか、悪夢としか思えないけど、年齢からして「リアルにあってもおかしくない出来事」ではある。キューブリックの「シャイニング」でもしっかりオマージュシーンがあったことに、最視聴でようやく気付いた(遅)。あのキコキコ音までそっくり再現してる。怖いよう。

 色々気になったのでウィキなども読んでみたが、この映画に纏わる不吉なエピソードというのがテンコ盛りにあって、奇妙に一致する符号にヒイイっとなる。

 監督のドナーは後年、「もし当時の私たちがロマンティック・コメディを撮っていたら、これらの偶然は気に留めなかったと思うが、『オーメン』という作品の性格上、目を背けるのは難しかった」と述べている(Wikiより)

 まあそれはそうなんでしょうけどね。並外れて出来の良い映画というのは実際、関わった人に何らかの影響を及ぼさずにはいられないのかも。「エクソシスト」が1973年、その三年後の本作。世の中にはびこる不安が伝播し接続しあって何かを引き起こす、映画の中だけの話ではない気がする。面白かったです。

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「オデュッセイア」

  一般封切り前に我慢できず行ってまいりました、先行IMAX上映。勿論ド平日真昼間ですが一番デカい部屋なのに結構埋まってた。ノーラン新作恐るべし。

「オデュッセイア」クリストファー・ノーラン(2026)

 いや面白かった、実に実に面白かった。予告編みるかぎりでは判断できなかったが、もうこれは紛れもなく「オデュッセイア」の実写版である。といっても私は子供の頃に、子供向けに書かれたオデュッセウスの冒険譚を読んだだけで、今回あえて読み返すこともせず素のまま挑んだのだが、記憶の扉が無理くりに開かれましたよババーンと。神話に近いこの手の古典はやはりあらゆる創作の原点。いわゆる「貴種流離譚」であり、「進撃の巨人」で「千と千尋の神隠し」で「ゴジラ」で「ゾンビ」だった。ざっくり一言でいえば「王の帰還」。うわカッコエエ!

<今日から封切りってことで詳細ネタバレは避けつつ書くけど、まっさらで観たい人はここで閉じてなる早で劇場へGO!ですよ>

 しっかり王道でシンプルなストーリーがノーラン特有の構成(時系列交錯)を施され、圧倒的な映像と音の効果で唯一無二の映画体験を得られる、というような仕掛けになってる。私が観たのはIMAXレーザーだったけれど、座席にも響く重低音には痺れました。4DXかよ(いや動きはしないけど)。宣伝文句の通り没入感すごかったです。三時間弱がまったく長く感じなかった(事前にトイレは行っとこうね)。

「オデッセイ」で火星から地球へ帰還しようと奮闘してたマット・デイモンが、「オデュッセイア」もまた主役で国への帰還に奮闘する、という図式も面白いし、個人的には敵役のアンティノオスにロバート・パティンソンを当てたのは超GJだと思いました。彼は「ハリポタ」のセドリック・ディゴリーにして「ミッキー17」の哀れなエクスペンダブルズ、同じノーラン監督の「テネット」のニール。顔整ってる美男なのにどこか幸薄い、今ひとつ運に恵まれない感じがつきまとう、そういう役柄にピッタリ嵌るんだわ。今回も素晴らしかったです。

 さてこれ以上はやめとこう。どうせまた観に行くので種々考察するならその時に。

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