「唄う六人の女」「サユリ」

  ムッスメネトフリ便乗シリーズ(略するのやめぴ)。



「唄う六人の女」石橋義正(2023)

 オススメに出てきたので何となく観た。だって山田孝之と竹野内豊さんが出てるんだもの。「都会に住む独身プロカメラマン・萱島森一郎」が竹野内さんの役だが、これが見事に「見た目スマートで清潔感あるイケメンだがそこはかとなく嫌あな感じのする男」。そして東京の開発業者の担当営業・宇和島凌(山田孝之)、こちら色黒の笑顔がこれまた胡散臭い如何にもな風体なんですが、その宇和島が初めに喝破した通り、二人には確かに共通するところがある。外見も言動も全く違うんだけれども。

 森一郎の亡父の土地建物売買契約を通じたまたま知り合った二人は、突然謎の空間に迷い込む。どことも知れぬ山奥の立派なお屋敷に監禁され、手ひどい折檻(歓迎?)を受ける。たまらず隙をみて逃げ出すも、どうしても同じ場所に戻ってきてしまう。この世界と、いろっぽくて美しい女たちの意味ワカラン行動、途轍もなく面白かった。二人の男は女たちにとって明らかに異物であり、正直あまり関わりたくない風である。だが、何かの訳アリでここから出すわけにもいかないらしい。なんだかんだでお互いの距離が縮まるとともに、あまり芳しくない方向に転がっている予感もひしひし迫るばかり。あっやっぱりダメっぽい!あーーーやっちゃった!さてどうなる?!とワクワクしていたら……

 うーーーーーんんんん!!!そう来たか!!!うーーーーーーん!!!

 詳細は言わないが今回の「そう来たか」は「正体見たり枯れ尾花」の類。ラスト近くまで本っ当に面白かったのに残念。宇和島は最後までブレないキャラである意味好感が持てたが、森一郎のブラックさが足りんかった。宇和島以上のブラックが奥底にあると私は見てたし、それが見たかった。宇和島は生かして現世に帰らせて、その後(森一郎とその子供が感応しあって)あの辺一帯全破壊からの日本終了、みたいなラストでよかったやんと思いました。惜しい。



「サユリ」白石晃士(2024)

 これは映画館で観ようと思いつつ観損なったやつ。痛恨。大スクリーン大音響で観たかった。どういうストーリーだったか丸っと忘れてたので、何も考えずホラーのつもりで観ていたら中盤から度肝を抜かれた。なんじゃこりゃああああ!面白すぎる!!!これはネタバレしない方が絶対に愉しめるので、興味を惹かれた方はここまでで止めといてください。以下、盛大にネタバレ感想。

 最初に言うておくと、前半のホラーパートもかなりハードである。まったく甘くない。引っ越した家がいわくつきで近所の人にヒソヒソされ、同級生に「大丈夫?」と言われるという怪談にありがちな前振りから、割といきなりフルスロットルに悪霊の祟りが始まる。あれよあれよという間に一家ほぼ全滅。このあまりの容赦なさ、古の漫画を思い出しましたよ。後ろの百太郎とか。結果があまりに洒落にならなすぎて怖いというより唖然。しかしここで唖然としてる場合じゃなかった。

 後半の悪霊退散&人怖バトルパート(としか言いようがない)も唐突に始まる。マジで口ポカーンだった。婆ちゃん(根岸季衣)がすごい。凄すぎる。婆ちゃんに始まり婆ちゃんに終わる。どういうことだってばよってこうとしか言いようがない。主人公の孫(南出凌嘉)もドン引きの超絶バイオレンス。少女を悪霊と成してしまった家族たちは当然の報いではあるが、あまりに壮絶すぎてスカッとはしない。酷い事件など目にすると、犯人は死刑!同じ目に遭わせてやれと思うことも多々あるが、実際目の前でやられたら嫌なものだ。にんげんだもの。ラストは「え?!母親に甘すぎじゃね?!」とちょっと思わないでもなかったが、よくよく考えたら一人だけ生き残る方がキツイやね。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか判断が難しいところだが、多分ハピエンなんであろう爽やかで穏やかなラストだったし。

 超絶面白かったです。とはいえ私の恐怖感度はバグってるのでご鑑賞は自己責任で(定期)。 

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「インセプション」

  録画消化。ノーラン監督の映画はまだ観てないのも多い。新作「オデュッセイア」も楽しみだなあ。

映画.comより

「インセプション」クリストファー・ノーラン

Inception / Christpher Nolan(2010米)


 私は夢日記を時々書いてるんだけれども、夢に見る風景は案外似たような感じであることが多い。前も来たなここ、という場所もままある。勿論元ネタはあくまで私の記憶であるから、いつかどこかで観たものが混じったりアレンジされたりして出てくるんだろうけど、そういう意味でこの映画の「夢風景」は興味深かった。日本人だとなかなか見ないデザインかもしれないなあ、などと思ったりもした。マルグリットとかダリとかの、シュールレアリスムの絵そのまま。一方で日本のアニメ映画「パプリカ」(筒井康隆原作)にもインスピレーションを受けたという説もあるらしい。面白いなー。

 映画はいつものノーラン監督で、ストーリーとしてはシンプル・構造は複雑・展開超速、といった感じなのだが、それにしてもこの夢ハンターというか操作人?たち重労働すぎないか?大勢でドンパチやんなくても済む分雇い主側からしたら現実世界のコストは軽いかもしれないが、現場はメチャクチャ大変じゃん……まあでも、他人の夢の中に入ってアイデアを盗み取ったり、まして本人の自由意思を操作するなんぞ簡単に出来ちゃ困るもんね。「夢の中での一番の味方も敵も自分自身」の法則が終始一貫してるのがまさにノーランの良心そのものなのかも。

 面白かった。ただ、階層化された夢の世界とその中での動きがイマイチ理解しきれないまま終わったので、確認のために間あけてもう一回観たい。こういうところもノーラン監督の映画らしい(笑)。

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「ベルサイユのばら」(映画)

 ムッスメネトフリシリーズ略してMsNFs。←かえってメンドクサイだろこの略


「ベルサイユのばら」吉村愛(2025)

 これも映画館で観損なったというか、観に行くのちょっと迷ってるうちに終わっちゃったやつ。ベルばらはドストライク世代なので、今更映画かーうーん、などと二の足を踏んでしまった。スマホ画面で観終わった感想は「やっぱり行っとけばよかったなあ」である。

 勿論時間制約があるため、内容はかなり端折られてる。あくまでオスカルとアンドレ二人の愛が中心で宝塚のそれを思わせるミュージカル仕立てなのだが、これがまあとんでもなく似合う絵面であり物語である、ということを改めて実感した。あの時代に「ベルばら」を演目の題材に選んだ宝塚の慧眼恐るべし。と同時に、宝塚の「その物語の核となる要素を揃え、主となるイメージを的確に捉えた上で独自の世界を構築する」技をこの映画の方もガッツリ踏襲しているのである。重い歴史的事象を背景に、まさに「バラたち」が咲き誇る一瞬の輝きを二時間足らずの枠の中に綺麗に封じ込めてみせた。これは初見だろうが小うるさい古参だろうが等しく胸打たれますわ。天晴。

 何より「オスカルはフランス革命の端緒、かかげられた理想が一番輝いた瞬間に命を落とした」ことが、漫画より尺が短いが故により強調された感が良かった。オスカルが最愛のアンドレとともに命を賭けた「正義」は美しくピュアなまま永久保存、漫画ではその先もアントワネット目線で語られるが、まあオスカルもアンドレも見ないで済んでよかったですねという暗黒の未来だ。映画ではナレーションで淡々と歴史的事実を述べてて、これも悪くなかった。

「革命」というものがいかに移ろいやすく、過激な方向に振れやすい危うさを抱えたものか、フィクションの形で小学生のみぎりに叩き込まれた私は実に幸運だったと思う。当時は言語化できてなかったけどね。池田理代子さんありがとう。元となったシュテファン・ツヴァイクさんありがとう。改めて、ベルばらは紛れもなく不朽の名作!と当たり前の真実を叫んどく。

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思い出の痕跡

  最近、夢の感じが少し変わって来たような気がする。以前より画像が鮮明かつ感触もしっかりある。何でだろう?


 学校にいる。年齢的には高校生なのだが、校舎は通っていた小学校のそれに似ているようだ。三階の一番端にある特別教室に入ろうとしたところ、男子が横から割り込んできた。咎めると、彼は私にハンドルを渡して「代わりにやってくれ」と言う。部屋に入り、奥の機械にハンドルを取り付けたもののけっこう重くてなかなか回らない。ハンドルの回転と同時に大きな扉のようなものが上下に開いていく。回しきったが中に何があるのかはわからなかった。

 授業が終わったので廊下に出た。次は漢文の試験があるという。私は驚いて

「えっ何も勉強してない!ノー勉で受けるしかない」

と口走り、友達にヤバイじゃんと笑われた。何で何もやらなかったんだ?まあでも今持ってる知識で少しはいけるか、出来なかったにしても一度のテスト結果くらい何てことないだろう、と思う。

 自分のクラスの教室に入ると、映画が始まって皆で観た。左側の席の男子がずっと実況している。主人公の隣にいる井上が、と「井上」の話ばかりしている。誰の事かはわからない。

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「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(映画)

  実は封切り直後に観ていた。だいぶ感想が出そろった感もあるし、もうええやろと。

 当日は時間をちょっとだけ勘違いしていて、予告編終了直前にギリ駆け込み。もちろん平日昼間だが一番広い部屋でかなり席は埋まってました。


「プロジェクト・ヘイル・メアリー」フィル・ロード&クリストファー・ミラー

Project Hail Mary / Phil Lord & Christopher Miller(2026米)


 のっけからワクワクが止まらず、ずっとウキウキしつつ観てた。もちろん時間制限のある映画であるからして、上巻でグレースがわけもわからず悪戦苦闘するところはかなりコンパクトに端折られていたものの、何しろグレース役のライアン・ゴズリングが本人連れてきた?!と思うほどイメージ通りだった。「ダイ・ハード」でのブルース・ウィリスよろしく、困った顔が絶妙に似合う俳優というのは案外少ない。眼鏡の使い方も含めナイスキャスティング。「ラ・ラ・ランド」に出てたのは知ってたが、「バービー」のケンもか!!おもろ!!紛れもなく実力派俳優ですね。

 そしてロッキー。まずロッキーの宇宙船がメチャクチャかっこよの上超絶美しい!何だアレは。特にエアーロック!これまた美しい!まるで魔法のような動きにうっとりする。映画ならではの表現よね。あれで折り紙とか、飛び出す絵本とか作ってほしいわ(高そう)。ロッキーはもっと恐ろし気な外見をイメージしてたので予告編の時点で怖さが足りなくない?と思っていたのだが、もういい。可愛いので許す。可愛いは正義。

 地球組もよかった。カールはまたもそのまんま。エヴァは正直イメージ違った。原作のエヴァは「何事にも動じない仕事デキのつよつよ女史」で殆ど感情を見せない。ただ映画においてそのキャラで行くと、エヴァの良さを理解されないまま終わりそうな気はする。すごい頼りになるしかっこよで私は好きだけど、ただ冷たいだけの女って印象になりかねない。なので映画のエヴァはエヴァで原作とは別人として考えた。実際別だ。原作のエヴァならカラオケ歌わない(あの場面でエヴァの差異は全く気にならなくなった。ナイスアイディアだ)。

 しかしいつも思うけど、こうして全世界が一丸となって世界の危機に立ち向かうっていいよね。現状をみるに到底無理な気もしてくるけれども、それはそれで。映画は夢の世界だから。

 それにしてもグッズがないのは不満!不満!不満!パンフが売り切れだったのはともかく、グッズが何もないことを知った時の絶望(ショップを三周はしたぞ)。隣にいた若いお姉さんも私と同じく、店内をぐるぐるさ迷っていらした。メアリー号やロッキーの船のプラモとか、各種キーホルダーとか、アースボール編みぐるみとか、ダクトテープ風マステとか、いくらでもあるやろがい。今からでもいいからSONY頑張ってえ。SONYなら出来るはず。とりまステッカーほしい。吹替観に行こうかしら……。

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