おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

八月に観た映画

2017年8月28日  2023年9月12日 
引き続き
・選んだ理由と観た後の感想(100字まで)
・梗概(60字)
を書いてみる。

<<<!!ネタバレ・長文注意!!>>>


「誰のせいでもない」 ヴィム・ベンダース
Every Thing Will Be Fine Wim Wenders(2015独加仏瑞諾合作)

監督がヴィム・ベンダースだったことが選んだ理由。期待通り、映像が本当に美しかった。色彩、構図、風景の切り取り方、画面の切り替わり、全部完璧。微妙な感情の起伏や変化が言葉でなく映像で十二分に語られている。ショッキングでつらい設定だが、ラストシーンはホッとさせられた。

【60字梗概】
冬の道で起きた不幸な事故は不可抗力ながら当事者とその周囲の人々に深い傷を与えたが、年月を経て新たな道を作り出した。

始まりの悲劇は道で起こり、朝日の射す道で終わる。まさにヴェンダースそのものといった映画。
最近はこういう映画がいつ始まってどこでやってるのとかチェックする暇がなく、話題になっていたかどうかすら知らない。私としてはかなり完成度高めだと思うんだが、一般的な評価が低めなのはなぜなんだ。しかも何でサスペンスってくくりになってるのだ? 完全にいつものザ・ヴェンダース’sロードムービーだと思うんですが…。(といいつつ昔観たロードムービー三部作は忘却の彼方)
改めて監督のプロフィールを見直してみると、若い頃からまあ挫折の連続。哲学科を志したが挫折から始まり、画家・彫刻を学んだが挫折、映画もすぐには芽が出なかった。人生における衝撃的な出来事が、次の瞬間から否応なく日常に取り囲まれ流れる時とともに揉まれていくこの感じ、苦労と挫折の中で生き抜いてきた監督ならではの表現なのかもしれない。
何があろうと生きている以上前に歩き続けるしかない。だが、故意ではないにしろひとりの子供を轢き殺してしまった事実は消えないということを忘れてはいけない。
こうして文に書いてしまうと当たり前じゃん、と思うが、実際この二つを同時に実践するのは簡単ではない。主人公はきわめて誠実かつ感情の抑制がきく良識的な人物ではあるけれど、懸命に支えてくれる恋人に甘えて傷つけたり、立ち直ってからも被害者家族に対し上から目線な冷たい口をきいたりと、たびたび小さな過ちを犯す。結果的に両者とも正面から向き合うことができ、ひとつ階段を上がってまた人生を歩んでいく…といった感じで終わるのだが、罪を犯した場合の身の振り方を明確に示した良映画だと思う。ちなみに前回の記事でとりあげた「冷血」で出て来る「パリ、テキサス」はヴェンダースの名作。

「ラ・ラ・ランド」 デイミアン・チャゼル
La La Land Damien Chazelle(2016米)

アカデミー賞総なめの映画。とはいえまったく事前知識なし。映画好きな人にはたまらない映画とだけ。最初ななめ観していたら話がよくわからなくなり結局二回観た。最初の印象とはまったくちがう内容で素晴らしかった。

【60字梗概】
ロサンゼルスで夢を追う男女が出会い恋をする。お互いの夢は実現していくが徐々にすれ違い、遂には別々の道を歩むことになる。

正直最初はちょっと退屈だった。ヴェンダースを観た直後だったのもよくなかったのかも(作り方が全く違う)。日を改め、「ミュージカル映画ではない」「映画好きがよろこぶ映画」という評を思い出しつつ観たらいけた。ダレてるように見えたストーリーも、中盤からかなりいい感じに。二人の恋がかなうまではわざと陳腐にしてたのか?と思う位。特に別れのシーンがとてもいい。お互いに愛してるといいながら、お互いを尊重しながら無理に笑顔を作っての別れ。そこから繋がる夢、「もうひとつの」未来を描くエピローグが切ない。よくある単純な恋愛ドラマ、単純なサクセスストーリーを下敷きにしながら、ここまで感動的な映画を作れるのは本当にすごい。日本とはエンターテイメントの歴史も違うしベースにしているもののレベルも思い入れも、何もかも違うと実感させられる。かないませんわーホント。


「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」 ギャレス・エドワーズ
Rogue One: A Star Wars Story Gareth Edwards(2016)

選んだ理由はもちろん「スターウォーズ」だから!
この圧倒的な存在感と濃密な世界観は他にはない。さらにこの映画に関わった人たちの並々ならぬスターウォーズ愛がこの映画空間をより一層輝かせている。

【60字梗概】
帝国軍に拉致され兵器デススターを作った科学者の娘が反乱軍に協力し、設計図を手に入れ味方に送信後、攻撃により死亡。

反乱軍の中も一枚岩ではない、単なる善悪の戦いではないといった視点が今風。これだけの犠牲の上に、ルーク・レイア・ハンソロの活躍が繋がると思うと胸熱。もう何の文句もない。手放しで楽しめました。
しかしこれだけ長いシリーズだと、自分が生きてる間に終わってほしいようなずっと続いてほしいような。

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