「栄光のバックホーム」
テレビの特集番組でもう涙腺がヤバかったので少し迷ったが、野球ファンとしては観ておかないと、と出かけました。平日真昼間の回、金曜で「アバター」やら「楓」やら新作映画封切り日だった割には人多し。結論としては観てよかった。ズズンと来た。
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— 映画『栄光のバックホーム』公式 (@backhome24movie) November 1, 2025
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「栄光のバックホーム」秋山純(2025)
開始一分でもう目から水噴出、オイオイこんなことで最後までいけるか私?と不安になったものの、 そこからはもう完全に「母目線」でグイグイ引き込まれた。結論からいうとこの映画はいわゆる「泣かせ映画」ではない。いや泣いたけどさ盛大に。鼻すする音だらけだったけどさ。断じて違う。横田慎太郎という男の壮絶な「生」を描いた映画だ。
家族がとにかく良い。特にお母様が凄すぎる。「野球ができないのならもう頑張れない、治療なんかもうしたくない」と泣きじゃくる息子にいったい何を言ったらいい?私ならどう言う?涙より先に考え込んでしまった。ここで一緒に泣いて肯定してしまっては後戻りできなくなる。だからといって「私は死んでほしくない、私のために頑張って」なんて到底言えない。息子が本心を吐き出す間きっと一生懸命ぐるぐる考えて考え抜いて、あのセリフになったんだと思う。万人に有効な内容とは限らないが、あのお母さんに育てられた息子だから受け入れられたのだろう。強い。母子ともに強い。
あの「奇跡のバックホーム」の後も彼の人生は暫く続く。うまくいかないことの方が多かった野球人生の最後に輝かしい一瞬を手に入れて、力を得て、残された年月を濃密に生き切った。野球の神様に愛された、というセリフがあったけれど……一方で脳腫瘍という病がどれほど非情か、どれほどキツイか、いやというほど見せつけられた。なんとかならないのこれ……神様まずこっちを治してあげてくださいよ。医学のさらなる進歩を望む。
何だかまとまらないけれど、幻冬舎フィルム第一作目ということでやや粗削り感は否めなかったものの、「単なる感動話」には絶対しないぞという制作陣の気合と熱が全編にみなぎる「強い」映画でした。特に阪神ファンとかじゃなくても、野球知らなくても全然いい(それにしても阪神タイガース、上から下まで心意気が素晴らしい……そりゃ強くなりますわ優勝しますわ)。必見です。
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