2010年3月23日火曜日

三月に読んだ本

「スカーペッタ」上下巻 パトリシア・コーンウェル

おお、もう16作目になるんですなあ。思えば結婚前から買い始めたこの「検屍官」シリーズ。今巻末見たら1990年だと。思えば長いおつきあいです。てかほぼ一年に一冊ずつ出してるのか? 作者もすごいが訳者もすごいぞ。と思ったら今回は違う訳者さんだった。あら、同級生ですわ、しかも大学も同じ。同窓生のよしみで持ち上げるわけではないが、読みやすい文でしたよ♪

「ここから読んでも楽しめる」と帯にはありますが、どうかな?? 登場人物のキャラがあまりに立ちすぎているので、初見の人にはわけわかめ、じゃなかろうか。というか、キャラがわかってたら数十倍面白くなるので、初めての人は最初から読むことをオススメする(まわし者ではない、本当に全部読んでも後悔なし)。

個人的にはマリーノが好き。私の脳内にははっきり彼のイメージがある。主人公ケイの夫・ベントンよりかなりいい奴だと思う。マリーノはブオトコでちょっと下品な無骨者なんだけど、純粋で嘘がない。だから刑事として超一流なのにも関わらず、情に流されやすくそれで失敗することも多々ある。そこがいいのだ。
なんにせよこのシリーズに出てくる女性は軒並み超絶カッコイイので、どんな男でもかすんでしまうんである。

このシリーズが魅力的な理由のひとつは、各登場人物たちが必ず何らかの「欠落」を抱えているところだろう。人間として女として完全無欠に見えるケイも、ごく近しい人物や読者に向けてだけ、足りない部分をあらわにする。何だか恋人のような、友達のような気がしてくるのである。これはいつもうまいな、と思う。

2010年3月21日日曜日

三月に観た映画 その2

「ね、ね、誰? 誰がやってくれたの?」(ウロ覚え)でお馴染みのブルーレイが勝手に録画してくれた映画が溜まりに溜まっている。時々DVDに落とし、良さそうなやつから目を通す、とやっているが、既に「生きている間に見切れるのか」という量に達している(おおげさ)。

「俺たちに明日はない」1967年(米)

言わずと知れた超有名な映画。大恐慌の不況にあえぐアメリカで実際にあった事件を元に作られた。ぱっと最初の画面で連想したのは「イージー・ライダー」に出てきた、まっすぐな道。年代的にはもっと後なんだが、アメリカの良心の終焉、道徳観・倫理観の崩壊の始まりはここからのような気がする。

昔一度観ただけなので記憶が飛んでいたが、クライドの兄の妻役が秀逸だった。牧師の娘だったというのも象徴的だし、外見はいかにも厳格に育てられた風の真面目そうなダサ子ちゃんなのに、他の誰より卑怯で金に汚く自己チュー、ってところが何とも。いるよなあこういう人。
ボニーを演じるフェイダナウェイは納得の美しさ。こちらは悪ぶっているけど中身はピュアな乙女。


「カポーティ」2005年(米)

「冷血」ってどっちのことやねん、というのがテーマだと思われる。画面はとにかく構図や色や配置にこだわりまくっていて大変美しく見ごたえあり。セリフは最小限に抑え、無駄なシーン一切なし。アカデミー賞にノミネートされたのも納得いく。この超絶センスは兄貴系、なのかもしれないと監督及び「友人」つながりのスタッフを見つつ思う。
しかし「ノンフィクションノベル」というのは今もあるジャンルだけど、かなり心身ともにキツイみたいだ。特にトルーマンのように自分で取材する場合は。「冷血」のあと書けなくなったというのも頷ける。

山口光市の母子殺人、遺族の本村さんの言葉。「(マスコミは)何故殺したのか、その背景ばかりを気にしているが、そんなことはどうでもいいことで、『どうしたら人を殺さないようにできるか』を考えるべきだと思う」
フィクションが事実に追いつけないと言われて久しいが、フィクションに出来ることはまだありそうな気がする。今のところ気がする、だけだが。

2010年3月13日土曜日

三月に観た映画 

AVATAR(3D)
友達に誘われて突然観に行くことになった。正直あまり期待していなかったが、思いのほか面白かった。3D映像もそれほど疲れなかったし(吹き替えのせい? 字幕が辛いらしい)、何より三時間近い長丁場なのにまったく長さを感じず、飽きない。変な顔としか思っていなかったパンドラ星の原住民も、どんどん凛々しく格好良く見えてくるのは不思議だ。しまいには人間の俳優の顔も忘れたりして。ラストも納得。
ただし子供向けではない。小学校低学年には辛い長さと内容。要するに壮大な大河ドラマであり、かなりシビアな場面も多い。すくなくとも高学年以上推奨である。

モデルとなった国がいろいろ取りざたされているらしいが、思い出した映画は結構あった。
私の思い出した映画のラインナップを書いておく。映画好きな人ならこれだけでイメージ可能か? もしれない。
「地獄の黙示録」
「ダンス・ウイズ・ウルブス」
「もののけ姫」
「エイリアン」
「ターミネーター」
・・・・・・
ちなみにネットで画像を探しているうちに、この間観た「ワンピース」に出てきた浮き島に似た地形であることにも気がついた。
「パンドラの王に、俺はなる!」
つまりそういう話かな(違)。

観た日は3月10日。東京大空襲の日であった。偶然だが何となく因縁を感じる。
軍隊が攻め込む時、最初はポーズとしてでも一応人道的に催涙弾、なんてやってたのが強い抵抗に遭い、なし崩しに焼夷弾だのミサイルだの無茶し出す辺りなんかは、さすがキャメロンである。

2010年3月8日月曜日

「ひきさかれた愛」うむむ

「龍馬伝」をずっと観ている。「JIN」などの豪放磊落な龍馬像とは違う、優しくおっとり、喧嘩が嫌いでちょっと頼りない感じ、だけど剣の腕はピカ一で超強い福山龍馬はなかなかである。物語は骨太だが歴史の流れだけでなく、当時の武士の生活ぶりなどかなり細かくこだわっていて、いろんな見どころ満載なところも良い。

だがしかし。
今回はちょっと、引いたなあ。いや、ヒロ●エ好きじゃないせいもあるんだけど、当時のお武家の娘さんとしては、リアリティに欠ける気がする。
たとえば戦国時代において、政略結婚とはすなわち女性にとって、重要な外交大使として派遣されるということでもあった。自分の役割の重要性をよく理解し納得した上で、城の名代として堂々と嫁いでいったのである。個人を重視する現代とは大きく違う、昔の日本人は(特に上流階級であればなおさら)家とともに生きていた。

加尾という女性を考えてみる。兄の収二郎は文武を兼ね備える秀才、加尾も和歌をたしなみ文筆に長じた才媛。若くして公家の未亡人の側仕えに抜擢されるというのは、只者ではない。相当のインテリでかつ気働きもきく、スーパーな女性だったであろうと思われる。

そんな加尾が、兄の友達で幼いころから馴染みだったとはいえ、龍馬と恋に落ち、兄が持ってきた京都での宮仕えを蹴って土佐で一生暮らしたい……などと言うとは思えない。いや、ヒロ●エみたいな女性なら言うかもしれんが、ホントの加尾さんなら絶対、兄に切腹するぞと脅されるまでもなく、キリリと京都に旅立つと思うなあ。
龍馬の方にしても、加尾の家まで押し掛けて愁嘆場を演じるなんてことは、当時の武士の男であれば絶対しないだろう。現代だとしてもあり得ない。出世を約束された海外出張が決まった彼女の会社に「行かないでくれ!」と押し掛けるようなもんだろう。まるきりストーカーじゃないかっ(笑)。

私の勝手な推測だが、加尾さんの件は完全に龍馬の片思いだったんじゃないだろうか? 頭が良くて美人でしっかり者の女の子、兄の友達ということで仲良くはしてたものの、加尾の視線はもっと高みに向いていて、まあまあカッコよくて性格はいいけど単なる田舎者の若造でしかなかった龍馬には鼻もひっかけなかった、というのが真相なんじゃないかしらん。
宮仕えを引いたあとには警視総監と結婚してるし、かなり野望に満ちたイケイケのキャリア系女性だったと思うぞ。だからヒロ●エは全然イメージじゃないんだよなあ、私の中では。

とブツブツ言うと、ファンには怒られるだろうけど。既に、旦那の会社の三十代男性には「敵」と見なされている私なのであった。うむむ。

二月に読んだ本

振り返るとあんまり読んでいないなあ。思い出したのだけ書いておく。

「兵隊たちの陸軍史」伊藤桂一

資料用に読んだ。日本の軍隊について、その経緯と具体的な生活をまとめた本。終始抑えた筆致で、自身の体験談も極めてドライに、出来るだけ客観的に述べようという姿勢がうかがえる。資料が多いので一見カタイ印象だが、文章は簡潔にして温かみがあり、気持ちよく読める。内容も面白かった。

大阪に「日本一弱かった師団」というのがあって、とにかく連戦連敗、逃げるが勝ちで出動も少なく、中国軍にも「大阪のあいつら弱いから大丈夫」とばかりに攻め込まれて慌てて逃げ出す始末。上層部も扱いに困ってあちらへこちらへと移されるが、あまりに弱いとの定評が幸いして、戦死者もほとんど出さず、現地で肥え太って戦後は艶々の顔で大阪に戻ったそうである。

これ、小説化されてないかな? と思って探したが見つけられなかった。かなり美味しいネタですぞ。関西方面の男子に書いてほしいかも。

二月に観た映画

えーと更新をサボってましたんで、すっかり三月になってしまいました。とりあえず急いで記録だけはしておこう。
というわけで二月に家族で観た映画
「劇場版ワンピース ストロングワールド」

案外混んでて、すっごい前の方で観た。話はまあまあ面白かった(と思う)が音がデカくてアクションも派手なのでオバサンは疲れた。
ワンピースの主人公、ルフィが言う決めゼリフみたいなの
「海賊王に、俺はなる!」
というのがあるんですが、国会質問で自民党与謝野議員(晶子さんの孫だそうな♪)の発言によりネットで
「平成の脱税王に、俺はなる!」
ってのが流行りまして(笑)
私の中で「ワンピース」はもうすっかりこっちのイメージ、てなわけで内容ほとんど忘却の彼方。近くに座っていた若い女の子二人連れのセリフを引用して終わりとしておこう。
「前回よりかなりいい出来」
なんだそうです。

しかしあれですね、作者の尾田さんは映画の制作にもかなり噛んでいるようで、オマケについてきた小冊子には鬼のように細かく書きこんである絵コンテが載っていてびっくりだった。
才能のある人はほんまになんでも出来るんやなあ……ハンパなく忙しそうだが。