十月に読んだ本 その一



「ミーナの行進」小川洋子
ものを書くひと、というのは皆多かれ少なかれそうなのかもしれないが、小川さんは記憶、というものにすごくこだわりのある人だと思う。
値千金の記憶を持つ人間は強い。ほんの短い間でも、幸せな記憶があれば、人間大抵の辛いことには耐えられるという。「人を幸せにする記憶」を丁寧に書き綴った切ない一篇。



「悪人」吉田修一
吉田修一さんの作品はこれが初めて。犯人が誰か、途中までうまくボカしながら進んでいく構成はとてもいいと思った。犯人がはっきりと判明した後でも、登場人物がそれぞれしっかり動いていくので飽かずに読み進められた。この中で一番の悪人は誰だろう? タイトルが直接問いかける。

ただ、殺された女性にあまり同情出来なかったことが自分の中で引っかかった。これも狙いだとしたらすごい。

自転車で右折のときは、曲がり角に寄らないで!!

最近、母親+前後に子ども二人、の三人乗りが条件付きで認められ、
小学生まではヘルメットをかぶれだの
横断歩道は降りて引いて渡れだの
自転車まわりの論がかまびすしい感じですが

昔から、ひとつ言いたいことがある!

自転車で右折のときは、曲がり角に寄らないで!!

どういうことかといいますと・・・・・・

自転車は左側通行という決まりです
当然左折するときは、曲がり角に沿って曲がる形になります
ところが
ここで右折してきた自転車とぶつかりそうになったことが、一度や二度ではない
この間は
小さいお子さんを乗せたお母さんの自転車が当然のように曲がってきて
あと数秒気がつくのが遅れたらえらいことになった、きわどいタイミングでした

あまりにこういうことが多いので、何となく右寄り+スピード落としていたことが幸いしました
自分が痛い思いするのも嫌だけど、相手とか、まして小さい子どもなんか怪我させたひにゃあ
夜眠れなくなっちゃいます(泣

お願いです
ヘルメットや三人乗りや横断歩道の注意ももちろん必要だけど

右折の場合は、曲がり角に寄らない!!!

ってことも声高に主張してほしい

右折であろうと左折であろうと
曲がろうとしている道から車や自転車や人が出てきていないか、よく見て
相手にも自分の姿が見えるように、なるべく「大回り」するべき
後ろに子ども乗せてるときなんか特に注意しないと
ちなみに今まで相手は全員、女の人だった
おばちゃん、母子が多し
「あそこを曲がる」と思うとそこに近寄ってしまう、という心理はわからんでもないが、めちゃくちゃ危ない
一応「自転車は左ですよ!」と言ってはいるが、多分通じてないんだろうなあ

それに
この間のときは、なぜか自分が謝ってしまった・・・・・・・あかん、基本ヘタレやから私

あと、あれだな
特に町中では
無灯火の自転車もけっこう多いのにびっくり

よく勘違いしてる人がいるけど(うちの子どもたちもそうだった)
自転車の灯りというのは、自分自身の行き先を照らすためというのではなく
相手方に「そこに自転車がいるな」と認識してもらうためのものである
だから、うす暗くなってきたら点けるべきなのだ
「私は見えるからつけなくても大丈夫」じゃないのだ
車からしたら自転車というのは見えづらい
特に子どもなんかは背が低いから非常に危険だ

灯りはちゃんとつけましょう!
昔の自転車と違って、つけたからってペダルがぐんと重くなるってことはないんだから

九月に読んだ本 その5

新型インフルの嵐がやっとおさまった(うちだけ)と思ったら、もうすぐ十月……ああ。
というわけで読書の記録を急ぎます。




「白夜行」東野圭吾

舞台化、ドラマ化されております。

えー、一言でいいまして、私が今まで読んだ東野作品の中で最高傑作です。直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」も傑作ですが、それよりも時間軸が長く、物語の層があつい。「胸を打つラスト」という言い方がありますが、まさにその言葉どおり、読後は本当に哀しく胸が詰まる。タイトルもこれ以外のものは考えられないというくらいぴたりと嵌っている。東野さんに小説の神が舞い降りたのだとしか思えない。

続編っぽい作品もあるようですが、これはこのままで置いておきたい感じです。

というか、なんでこれ、何の賞も取ってないの???

九月に読んだ本 その4

連休ですね
連休ですが

長女が新型インフルエンザにかかり(それもご丁寧に連休一日前)
土曜日のはずだった体育祭も延期になったので
自宅にお籠り状態のおさ子一家でございます
長女は別室に隔離状態なので幸い他の家族に感染してはいないようですが(今のところ)
もう、読書くらいしかすることない
というわけでばんばんいきます♪


ネタバレ注意!




「五月の独房にて」岩井志麻子
美容師バラバラ殺人事件、という実際にあった事件を元に書かれたものですが、解体部分がリアルで怖い。主人公=犯人の女は、山岸涼子「天人唐草」風味。




「シャトウルージュ」渡辺淳一
いわずとしれたR-18設定ですが、それを目当てに読んだ男性はえらいことになるある意味ホラーな一篇。女からすると、もう最初の時点で、あ、この妻、全然旦那のこと好きじゃないじゃん! とわかってしまいラストも察しがつく。なのについ最後まで読んでしまう。男性が次に何を(脳内で)やらかすかという意地悪な興味でである。男性がここまで、同じ男性の深淵まで突っ込んで書いたというのは、さすが。今まで嫌いだったけど愛ルケも読んでみよ。




「恋愛中毒」山本文緒
徹頭徹尾、一人の女性の視点で延々と描かれる「恋模様」。徐々に明らかになる主人公の姿に驚かされる。見た目、真面目で大人しく従順な、そして寂しげな女性は怖い。しかし、前回読んだ「落花流水」といい、人間観察眼がものすごく鋭い人だ。
長女の感想「なんか、すっげー話。疲れた」(でも一気読み)




「だりや荘」井上荒野
こちらはまた、「恋愛中毒」とは違う感じの凄みある作品。何気ない日常、しかもおそらく普通の人より規則正しく整然とした日常の中にある、裏腹なもの、を描かせたら天下一品。
登場人物たちも、その行いも、めちゃくちゃなのだが、本人たちは取り繕えていると思い込んでいるのがまた。普通の顔した異常、ほど怖いもんはない。これもある意味ホラーな一篇。

九月に読んだ本 その3



「魂萌え!」桐野夏生
ドラマ化・映画化もされております(残念ながらどちらも観ていません)
前回「グロテスク」を読んだときと同じように、一気に読み終わりました

突然伴侶を失った妻の混乱を描いた話で、桐野作品には珍しく明るいラスト
(いや、よーく考えると明るくはないのかもしれない)
主人公・敏子は59歳で、夫は会社を定年まで勤め上げた真面目なサラリーマン、都内に古いながらも一戸建てを構える、年金も一か月十五万ほどある
いわゆる「最後の恵まれた世代」
桐野さんのことだから、かなりキツイ書き方をするかと思いきや、主人公およびその周辺の、同年代の女性たちに対する視線は優しい
今まで読んだ桐野作品では大概、出てくる女性を突き放し突き放して書いていて、好きになるというより憎むというのが、主人公に対するこの作家のスタンスなのかしらと思ったりしていた
「魂萌え!」の二、三作あとに、「メタボラ」なので、この辺りからスタンスが変わったのかもしれないが、最近のを読んでみないとわからない

ただ、敏子さんはとてもいい人というか、本当に育ちが良くて、悪く書こうにも書けない、ような気がする
女性特有のいやったらしさというのはあるにはあるが、それがぎりぎり嫌悪を感じない程度に抑制されている
それは作者が無理にそうしたのではなく、敏子さんのキャラクターがそうさせているのだと思う
敏子の世代は、「男は仕事、女は家庭」「女は貞淑、男の浮気は甲斐性」が当然だった世代よりは下だが、古い価値観が体のどこかにしみついている
元気で行動的、流行にも敏感だったりするが、どこか「恥じらい」「ためらい」のようなものがあるのだ
夫の裏切りにショックを受け、プチ家出をしたり衝動的に男と寝たりしてしまっても、損なわれない何かを持っている
小さいころからずっと幸せに生きてきた人だけが持つ強さ、
好き勝手にふるまおうとしても、範を超えられない(=超えない)強さ
そういう人としての誇り高さは、努力して得られるものではないだけに、憧れるし充分にカッコイイ

女性を中心に描いてはいるが、実は男性たちの姿にも注目すべき
ここに出てくる男性たちは、コテコテに「自分の趣味」「自分の世界」を持っている
今の若者とは比べものにならない濃さはいっそ爽快でさえある
近くにいたらうっとうしいかもしれないが、退職してから家に一日中ゴロゴロいられるよりは、あちこち出かけて楽しんでいてくれていたほうがずっといい

と思う私は、絶対敏子のようにはなれない(笑