九月に読んだ本 その4
連休ですが
長女が新型インフルエンザにかかり(それもご丁寧に連休一日前)
土曜日のはずだった体育祭も延期になったので
自宅にお籠り状態のおさ子一家でございます
長女は別室に隔離状態なので幸い他の家族に感染してはいないようですが(今のところ)
もう、読書くらいしかすることない
というわけでばんばんいきます♪
ネタバレ注意!
「五月の独房にて」岩井志麻子
美容師バラバラ殺人事件、という実際にあった事件を元に書かれたものですが、解体部分がリアルで怖い。主人公=犯人の女は、山岸涼子「天人唐草」風味。
いわずとしれたR-18設定ですが、それを目当てに読んだ男性はえらいことになるある意味ホラーな一篇。女からすると、もう最初の時点で、あ、この妻、全然旦那のこと好きじゃないじゃん! とわかってしまいラストも察しがつく。なのについ最後まで読んでしまう。男性が次に何を(脳内で)やらかすかという意地悪な興味でである。男性がここまで、同じ男性の深淵まで突っ込んで書いたというのは、さすが。今まで嫌いだったけど愛ルケも読んでみよ。
「恋愛中毒」山本文緒
徹頭徹尾、一人の女性の視点で延々と描かれる「恋模様」。徐々に明らかになる主人公の姿に驚かされる。見た目、真面目で大人しく従順な、そして寂しげな女性は怖い。しかし、前回読んだ「落花流水」といい、人間観察眼がものすごく鋭い人だ。
長女の感想「なんか、すっげー話。疲れた」(でも一気読み)
「だりや荘」井上荒野
こちらはまた、「恋愛中毒」とは違う感じの凄みある作品。何気ない日常、しかもおそらく普通の人より規則正しく整然とした日常の中にある、裏腹なもの、を描かせたら天下一品。
登場人物たちも、その行いも、めちゃくちゃなのだが、本人たちは取り繕えていると思い込んでいるのがまた。普通の顔した異常、ほど怖いもんはない。これもある意味ホラーな一篇。
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