「能・狂言 日出処の天子」
先日行ったばかりのハイテンションでかく。
本日はトークイベントにお集まり頂きましてありがとうございました🌕🪐
— −能 狂言−『日出処の天子』公式 (@Nohkyo_hiizuru) August 11, 2025
12月の追加公演もさらにブラッシュアップして戻ってまいります!
📸山岸凉子先生、野村萬斎さんと✨#能狂言日出処の天子 pic.twitter.com/06zDk0aiW1
「能・狂言 『日出処の天子』」構成・演出 野村萬斎
まさか当たるとは思わなかった抽選に当たり、あまりにも嬉しくて早々に紙チケ出してずっと持ってた。盆休み直前、遂にこの日が来ましたよ。
観世能楽堂はお初。地下鉄銀座駅から直通で行けるようになったよ!という公式サイトを見て、この酷暑の夏に外歩かなくていいとか神か!と浮かれつつ銀座駅に降り立つ。案の定パッと見どこ?!となったものの、すぐそこにあるインフォメーションで即解決。無事現地に辿り着きました。
中は大変キレイ、案内のお姉さん方親切、列の捌きもお上手、で難なくトイレも給水も速やかに済ませお席へ。
え、ちょっと待って。舞台近くね⁈すぐそこじゃん!いつもライブで豆粒席が常の私にはご褒美すぎる。だって前から一桁席よ?やば。私、この当選で今年の運は使い切ってるのかも、だから万博全外ししたんだなーなどと埒もない思いにかられつつ、座ってみると。
あーなるほど。中正面とはそういう意味か。柱が舞台を隠すんだ。それでA席なのねほほう。納得しつつ開演を待つ。結果としては特に大きな問題なし。
照明が落ち、まず静々と入場されたのが囃し方、後見方(いわゆる黒子的な)。姿勢が美しい、体幹すごいの一目瞭然。何より、この人達が出て来ただけで何だか山岸涼子さんのあの世界がもうそこにあるかんじ。
そこからはもう別世界。あんなに簡略な、削ぎ落とされたシンプルな舞台なのに、そこは朝議の場にもなり、六角堂にもなり、この世ならぬ空間にもなる。そして音の存在感が半端ない。少ない音が立体的に鳴らされ最大の効果を上げてる。大体あの鼓や小太鼓や笛、どうやって合してるんだ?声出しもまた、綿密にコントロールされこだまのように響き渡る。なんだこれは。すごすぎる。
演者の顔がよく見える席で、確かに全員男性で年齢もそこそこいっている人が大多数なのに、しかも女役は面を被っているのに、確かにそこには厩戸王子が、毛子が馬子が、刀自古が布都姫が推古女帝がいる。よく演劇漫画で、視覚的に役柄の顔が被さる表現があるけど、まさにそれを実体験した。この歳にして。
以前宝塚の「ポーの一族」を観た時もそうだったが、あっこのシーンは漫画そのもの!この倒れ方、項垂れ方は◯◯そのもの!とちゃんとわかるんだな。全員が原作をガッツリ読み込んでいる証左でもある。再現度ヤバい。個人的には布都姫が優勝。まんまやん!お面なのに全身からすごい美人感バリバリだったんだけど!あと毛人、形が完全に毛人(語彙力)。とにかく原作漫画の世界が能狂言の世界で完璧に表現されてた!
それと、泊瀬部皇子(大王)、原作よりかなりイケメンなんだけどそこは置いといて、イイ!最⭐︎高!めっちゃ狂言!(狂言やろ)、好き!
ここまでこういう書き方してきて、多分ネタバレには全然なってない、と自負してるんだけど一つだけ書き留めておきたい仕掛けがある。知りたくないお方はここで閉じてくださいまし。
橋掛かりで弓をつがえる演者、今まさに矢を射った、という瞬間に矢が消え、本舞台にいる穴穂部皇子の胸に突き立てられた矢、というギミック、あまりに鮮やかで唸りました。書いてしまうと大したことないようだけどマジで凄いぞあれ。神技だと思う。なんだか、日本独特の特撮技術の元祖を見た気がしました。これこそライブの醍醐味。
というわけでとてもとても良かったです。素晴らしいものを見せていただき有り難すぎて土下座したい気持ち。いやー良いですね日本伝統芸能!歌舞伎も生で見てみたい。また何かのご縁がありますように。
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