おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「金の国水の国」「チ。地球の運動について」「かくかくしかじか」

2023年2月4日  2023年9月12日 

 最近、漫画は電子が多い。本当は紙が好きなんだけどもうスペースがない。紙本はそのうちすごく貴重なぜいたく品になるんだろうな。


「金の国水の国」岩本ナオ(2014-2016)

(画像はスペシャル版のだけど、手持ちは普通のw。カラー再現には惹かれる!)

 月刊フラワーズで連載時にリアルタイムで読んでたものの、映画観たらまた読みたくなって。作者さんも今回の映画のルポ漫画で仰っていたが、確かに漫画とアニメ映画では表現の仕方が違う。違うが、映画の方が相当、かーなーり原作に寄せまくって作られてるのが改めてわかった。背景、群衆、建物、家具、敷物すべてこまかーーく描きこまれているのを、鬼のようにガッツリと再現してる……!それはもう、映像表現だとおそらくボカすような場面であっても。天晴である。

 それというのもやはり原作の、漫画が半端なく素晴らしいからこそだ。ただ動きと声をつけただけではない。この漫画に負けないクオリティを、と思って作った結果があの映画。よくもよくも二時間に過不足なく、原作のイメージやストーリーの流れを少しも損なうことなくまとめた。映画で感動した人は漫画も是非。一巻だけですし、お初の方なら連載時のカラーページがそのまま載ってるスペシャル版オススメ!



「チ。地球の運動について」魚豊(うおと)全8巻(2020-2022)

 お試しで何話かは読んでたが最終回を迎えたというので再読。「このマンガがすごい!2022オトコ編」で第二位。

 ただ「激しく迫害・弾圧される地動説」は完全なるフィクションだという。お試し読んだ時点ではある程度史実なのかと勘違いしてました。ただ15世紀頃のヨーロッパはちょうど魔女狩り絡みの異端審問やってた時代で、作中に出てくる残酷な拷問やら刑罰やらはその辺から取ったんじゃなかろうか。つまりかなりエグイ。そして登場人物は揃って顔怖いし性格もヤバい系が多く、一種の狂気にかられつつ「真理」に辿りつこうと最後まであがき、もがき続ける。まさに大地の地・血・知識の知、の三つの意味を持たせたタイトル「チ。」そのものである。一気読みするのにはキツイ話だったけど面白かった。

 アニメ化もするのね。しかも映画「金の国水の国」と同じマッドハウス。



「かくかくしかじか」東村アキコ 全5巻(2012-2015)

 以前から読まなくてはと思いつつ読みそびれていた。割引クーポン突っ込んでついに完読。

 とにかくこの絵の先生がすごすぎる。豪快で一本気でメチャクチャで大変な人なんだけど、絵を描くことに関してはまさに「恩師」。こういう人と出会えるかどうかで絶対人生変わるよなあ。先生という部類の人とあまり縁のなかった(自分から引いてもいた)私には羨ましい限りだった。東村さんの迷いのない、勢いのある線の原型がこの先生によって培われたのだとすると、人ひとりの存在は案外大きい。大ヒットをいくつも飛ばして、日本のみならず外国にも、すごい数の人に届いたわけだもんね。

 ネタバレはしない……が冒頭の数ページで既にどうなるかはわかってしまう。ユーミンの「悲しいほどお天気」の歌詞がそのまま沁みる、とだけ言っておく。そうよねー若いころはそんなだよねーと心当たりありすぎ。泣きます。

 みんなまだ気づかず過ごしていたんだわ ずっと

 一緒に歩いていけるって 誰もが思った

 私も今後は先生の言葉を頭に置いて生きていきたい。しのごの言ってる暇ないんだよね、うん。

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