2009年10月16日金曜日

十月に読んだ本 その一


「ミーナの行進」小川洋子


ものを書くひと、というのは皆多かれ少なかれそうなのかもしれないが、小川さんは記憶、というものにすごくこだわりのある人だと思う。

値千金の記憶を持つ人間は強い。ほんの短い間でも、幸せな記憶があれば、人間大抵の辛いことには耐えられるという。「人を幸せにする記憶」を丁寧に書き綴った切ない一篇。



「悪人」吉田修一


吉田修一さんの作品はこれが初めて。犯人が誰か、途中までうまくボカしながら進んでいく構成はとてもいいと思った。犯人がはっきりと判明した後でも、登場人物がそれぞれしっかり動いていくので飽かずに読み進められた。この中で一番の悪人は誰だろう? タイトルが直接問いかける。

ただ、殺された女性にあまり同情出来なかったことが自分の中で引っかかった。これも狙いだとしたらすごい。

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