「木挽町のあだ討ち」(小説)
読みました!小説も面白かった!第36回山本周五郎賞、第169回直木賞受賞(2023)。
「木挽町のあだ討ち」永井紗耶子(2023)
まず思ったのは、よくもまあこの濃密緻密にして完成された話を、映画は上手いこと二時間にまとめたもんだねえということ。仇討ちを成し遂げ国元に帰って来た若様・菊之助について加瀬が各所から話を聞いて回る、という形はそのままに、それぞれが抱える事情を言葉ではなく役者の見た目、所作、セリフ回しで見事に表現してみせた。つくづくよく出来ている。そしてそれは勿論、原作の出来の良さ故でもある。それぞれの話を一幕として、主たる語り手の独壇場となる構造がすっきり美しくて気持ちいい。
中でも、特に菊之助の心の動きが相当詳細に描かれていたのはよかった。そういう子だからこそ周りも皆こぞって味方についた、としっかり納得できる(それにしてもその理由を所作含むビジュアルで説得し切った長尾くん、キャスティングと演出すごい)。映画では菊之助の体験を加瀬に移し替えてるところもあって、そこも上手い。映画より小説の方がいいじゃんとなったりその逆もあったりするけど、これは両方!イイ!です。どっちから入っても問題ないけど、強いていえば私は、前提知識無しのまま映画を先に観てよかったと思っています。なにしろ絵と音で入るインパクトが凄かった。もう少し長く上映続いてほしいけど近所の映画館はどこもそろそろ終わるっぽい。
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