2014年1月9日木曜日

1月に読んだ本

「県庁おもてなし課」有川浩


なぜか最近我が家が有川さんづいている。年末年始に福井の実家で「図書館警察」漫画版を最新刊まで一気読みしたせいだろうか。戻ってきたら次女が小説版を読破、本屋いったら「植物図鑑」の文庫本を買ってた。ふむ、テーマ的には割と大人でも、テンポが良く読みやすいので読書好きの小学校高学年でも大丈夫みたいだ。

で、これは長女の蔵本。前半、おもてなし課の真面目そうな職員が作家にボロクソ言われるところ、「観光大使に選ばれました!と連絡貰ってから一ヶ月放置」というのが実話だったせいかリアルで面白かった。ポイントは、担当者たちがいい加減というのではなく、むしろ超がつく真面目で働き者という点。だいたい公務員になる時点で、学校の成績も生活態度もそこそこいいはずなのだから当然といえば当然。人材としては優れた素材なのだ。あとはやり方次第というところなのだろう。

しかし町おこしの話だけで十分面白いのに、何でラブを二つも入れなきゃいかんかったんだろうな。吉門の方だけでよかったんじゃないだろうか。そんな真面目な公務員なのに、仕事にかこつけて、別部屋とはいえ一泊、しかもけっこうイチャイチャしちゃうとか、ダメじゃないか?
ラブが入らない、あくまで仕事だけの男女の信頼関係というか絆というか、そういうのも結構いいぞ。むしろラブよりずっといいと思う。恋愛を超えた人間関係の妙といいますか…まあ、好みだけど。

2014年1月7日火曜日

12月に読んだ本

【謹賀新年】
まだこの辺境のブログを観ていただいている方がいらっしゃるかどうか定かではないが、遅まきながらまだ松の内なので新年のご挨拶。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

といいつつ、12月に戻ってみる。久しぶりのキング。

アンダー・ザ・ドーム(全四巻) スティーヴン・キング

このところ短編や中編ばかり読んでいたので、私的には「悪霊の島」以来久々の大長編。キングによくある「もし◯◯という(たいがい碌でもない)状況に陥ったら」系だが、のっけから飛ばしまくっていて止まらない。帯にもあったがまさに「フルスロットル」。
出口のない閉じられた空間に人を押し込めるとおかしくなる、という話は古今東西多々あるが、どこにでもあるような小さな町に芽生えた「悪意」がはっきりとした狂気・邪悪に育っていくさまをこれでもかというほど畳みかけてくるそのスピード感・ドライブ感はさすが。いつも想像力を必要以上に(否応なしに)かきたてられるが、今回は設定がいたってシンプルなせいか余計にストレートに迫ってきた。物語の「真相」はかなり荒唐無稽だが、それで白けることなくラストまで読み切らせてしまう、稀代のストーリーテラーの面目躍如といったところ。

正直、今後ITを超える長編は無理なのか?とも思っていたので嬉しい。しかも、2013年最後に読んだ作品となった。意識してなかったがこれも嬉しい。

2014年1月6日月曜日

1月に観た映画

「永遠の0」 監督 山崎 貴

さすが作者も認めた脚本、けっこう込み入った話がうまくまとまってた。無闇に泣かせたり感動させたりというのではなく、自然に映画の世界に入れる感じ。岡田くんの「目」はもちろんのこと、三浦くんの「いかにも現代の若者」がどんどん変わっていく様子もよかった。「硫黄島からの手紙」のときの二宮くんといい、ジャニーズ俳優侮りがたし。

既にずいぶん前に原作を読んでいる私はすっかり岡田くん扮する宮部に感情移入して、ただただ辛かったのだけれど、一緒に行った子供二人は素直に涙していた。息子の感動ポイントは、訓練中事故で亡くなった教え子を侮辱する上官に食ってかかり叱責される場面。殴られまくる宮部の前で直立不動で耐える教え子たちの様子にぐっと来たという。ああいう辛い場面で自己を抑制し、姿勢を変えずにいるのはすごいと。

そう、是非はともかくとして、あの時代に生きた人たちは凄いと思うのだ。ことさらに美化する、ヒーロー扱いするのとは違う。かといって同じ人間として、というのもおこがましい。町の風景はかわっても、同じ山なみを、空の色を彼らはどういう思いで観ていたのか、と考えるだけで切ないような、誇らしいような、恥じ入りたいような、複雑な思いにかられる。

「風立ちぬ」と同様この映画もまた年配の方が多かった。どうみても80歳は超えていると思われるおばあさんも一人で来ていた。日本はまた変わりつつあるのかもしれない。