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「フェイブルマンズ」「逆転のトライアングル」

2024年4月18日  2024年4月18日 

 このところ忙しくて更新が滞ってる。以前のペースで映画も観ていきたいので頑張る。この二本は前回の記事の続き。サブスクではなくレンタルです。

「フェイブルマンズ」スティーヴン・スピルバーグ

The Fabelmans Steven Spielberg(2023米)

 第95回アカデミー賞(2023)の監督賞、作品賞、主演女優賞。第80回ゴールデングローブ賞(2023)の最優秀作品賞(ドラマ)、最優秀監督賞。

 と、そうそうたる結果を出した映画である。スピルバーグだから当然といえば当然、もちろん面白かった。芸術家肌の母とガチ理系エンジニアの父から生まれた少年がいかに映画製作の道へと邁進することになったか、という自伝的ストーリーなんだけれども、ちゃんとエンターテイメントになってるのは流石。

 ファミリードラマを基本に据えながらも、「映像」は真実その通りの姿ではなく基本的には嘘である、ということを異口同音に繰り返し語ってる。映像により曝け出されるものは必ずしも誰かを幸せにしないし、好きなものをトコトン突き詰めることはつまり何かを捨てたり壊したりすることと同義でもあったりするとも。およそ芸術かどうかにかかわらず、ものを創り出すことは中々に業が深いのだ。個人的には彼の両親ともにそれだと思う。

 何気ないエピソードやシーンに、ああこれはあの映画のあの場面だよね、とチラホラ見えるんだけれども、「バックトゥザフューチャー」一作目のあのプロムシーンはスピルバーグ自身の「こうだったらよかったな」バージョンなのよね。なんだか切なくなった。ちょうど今週のNHK大河でまひろ(紫式部)が道綱母に言われた、

「書くことで己の苦しみを救う」

 という言葉が頭をよぎる。過去の痛くて辛い記憶を、誰かの心を揺らす「作品」に組み上げられるようになるまでには、いったいどのくらいの時間と経験が必要なんだろうか。


「逆転のトライアングル」リューベン・オストルンド

Triangle of Sadness Ruben Ostlund(2022瑞典)

 側面の棚に一本だけ置いてあったこれをウッカリ借りてしまった。店だとそういうことあるよねうん。スウェーデン映画だけど殆ど英語。第75回カンヌ国際映画祭(2022)でパルムドールを受賞。

 な、なんといいますか……ヤバい映画だった。誰でもにはオススメできない。かーなーり人を選ぶ。いや面白かったんだよ?!実に面白かった!この監督の他の映画もちょっと観てみたいと思ったくらいだから。ただ変な映画耐性が高くて体力気力ないと無理かも(謎)。

 何をどう書いていいのかわからないけど、まず言っておくとこの映画、検索すると出てくる粗筋「豪華客船が難破して~」というくだりは全く以てメインではない。むしろそこに至るまでの色々が本番。例えていえば蝉の一生?幼虫として土の中で過ごす数年が人生で、地上に出て殻を脱いでからの七日間はフィナーレ、てやつですね。何を言ってるのかわからないと思うが私にもわからない(謎)。

 そもそも原題は「Triangle of Sadness」=眉間のシワ、なわけで逆転なんていう単語は入っていない。あくまで私見だけど、逆転というよりツルピカの石をひっくり返したら裏に汚物や虫がワチャワチャ、というイメージかな(謎)。

 さて映画だがちょっとだけネタバレすると、冒頭でいきなりあからさまなタイトル回収があるが別に気づこうが気づくまいがどうでもいい(←)。

 前半のハイライトは何と言っても金髪イケメンのカール君とその恋人・人気モデルにしてインフルエンサーのヤヤとの痴話喧嘩シーン。中身がありそうでその実なーんもない、なのに今のご時世の要素をたっぷり含んだ長ゼリフの数々、よくもまあ考えつくものだと感心する。ちなみにヤヤ役のチャールビ・ディーンさんは映画完成後に急死したとのこと(映画の毒気に当てられたんと違うんか)。怒鳴り合いに発展して破局寸前にしか見えない二人だが、何でか仲直りして豪華客船の旅に出かける。初めに言ったように、本番はここからなのである。

 豪華客船が難破、といえば誰でも知ってるあの有名映画……を思わせるシーンがふんだんに出てくる。メッチャ出てくる。やりすぎなくらい出てくる。きっと監督自身がすごく好きで超リスペクトしてるんだろな、という気持ちは十分うかがえる。ええ、わかりますけれども。

 えっ本気?怒られない?大丈夫?てか長すぎない?もう、もうやめたげてえええ!

 などと叫びたくなる衝撃映像がこれでもかと繰り出される。ブラックユーモア……ってこんなんだったっけ(困惑)全体的にポリコレとは真逆な、明後日の方向に爆走してる感があって痛快と言えなくも……ない……か?アカデミー賞逃したのはなんかわかる。ノミネートされただけでもビックリポンですわ。

 船内のとあるシーンは割とメンタル強めの私でも真面目に半日くらい食欲減退したので要注意。ああもちろんフィナーレたる離島での暮らしもなかなかにエグみがあって面白かったですハイ。薄味な日本人には到底真似できません。特に某国人の描写……監督消されない?

 こんな支離滅裂なレビュー(なのか?)でこの映画を観ようという気になる人はいらっしゃるのだろうか。わからぬ。何で最後までガッツリ観てしまったのか自分でもわからぬ。何もわからぬ。というわけで(どういうわけだ)積極的にオススメはしませんので、自己責任でヨロです。

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