悩む必要なし
久々に見たいわゆる明晰夢。間違った電車に乗って降りられない、私的にはよくあるパターンだが、このオチは今までなかったかもしれない。新鮮な感覚だった。
家で食事を作っている。残り物を揚げてそろそろ出来上がりだ。皿に盛って子供たちに運んでもらったところで、息子と外に出かけた。
目的地の広場は高台にあり、猫が沢山いる。だがどの猫も近寄ってきてはくれない。まとわりついてきたと思ったら犬だった。犬でも嬉しいので撫で回してやる。
高台から階段を降りていくと大きなショッピングモールのような施設があった。中には映画館があり、人気アニメの最新作がもうすぐ始まるらしくファンが列を成している。野外ステージも何かのライブの準備中でとても賑わっていた。
息子はいつの間にかいなくなってしまった。どうやら先に帰ったようだ。私もそろそろ引き上げるか、と電車に乗った。
最寄り駅は二つほど先ですぐに着くはず。寝る暇などないのに、うっかりウトウトしてしまった。ハっと目が覚めた時には止まるべき駅をとっくに過ぎている。仕方ない、次に停車した駅で折り返すかと思うも、何故かなかなか止まらない。
(もしや間違えて特急に乗ってしまった?)
と思うウチにも電車はすごいスピードで走っていく。
(どこまでいくのだろう?特急といっても、まさか隣県まで止まらないということは無いだろう、新幹線だって長野では停まるはず)
だが一向に止まる気配がない。
座っていた席は急激に狭まり、前方にトンネルのような丸い窪みができた。真ん中に水の入った丸いガラスの容器、手前に運転シミュレータのようなハンドルと計器がついている。窪みの奥はどこかに繋がっているようだ。
珍しい、と色々いじっていると、近くに座っていた知らない若い女性がニヤニヤしながら
「席変わってもらえません?」
と聞いてきた。断ると、ざーんねんといいながらニヤニヤ顔のまま去っていった。気味が悪かった。
それにしても電車が止まらない。このままでは新潟くらいまで出てしまうのではないか。
車窓に観光地らしき風景が流れていく。日も蔭ってきた。
引き返すにしても時間がかかりそう、何時ごろ帰れるかな、と思案するうち、ふと気がついた。
(いや別に考えなくてよくない?コレは夢だもの。慌てなくても大丈夫。このまま放っておこう)
というところで覚醒した。
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