「白い衝動」
色々押し迫って来たのでどんどん行くぞーーー!なのに図書館の予約本がまた順番キターーーー!(やけくそ)
「白い衝動」呉勝浩(2017)
デビュー3作目。2018年、第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治賞受賞作。
デビュー作とは雲泥の差の読みやすさで、ほぼ一気読み。審査員に指摘された点は殆ど修正できてるんじゃなかろうか。受賞も頷けるクオリティ。デビュー作同様「不条理な動機の犯罪」というテーマを踏襲しつつ、よりタイトにより踏み込んだ形になってる。ただ今回も、「明確な理由」は明かされない。ただその人間なりの考えと方向はあり、それに従っただけという感じ(それでも無関係な人間からしたらたまったものではないが)。犯罪者とその予備軍、それに振り回される周囲。常人には到底受け入れがたい犯罪を犯したとて、法律に基づいて裁くしかない。与えられた刑をまっとうしたならばその後の「居場所」は作ってやらねばならない。新たな犯罪を犯さぬよう(スイッチが入らないよう)見守るために。
そう、そうなんだよね。理由とか背景とかもうそんなことはどうでもいいんだ。そういった衝動が何を以て起こるのか、起こらないようにするにはどうしたらいいか、どう防げばいいか、考えるならばそこだけでいいんだ。他人に残虐非道な行いをする「理由」とか「考え方の論理」なんぞ理解できるわけないし受け入れられるわけもない。「無理」なのだそんなことは。
主人公千早がスクールカウンセラー、という設定自体が非常に皮肉というか、象徴的。は一見「ややお花畑気味の理想に燃えている」かのようだが、その実「あちら側」に深く足を突っ込んでる。逆に、そういう人でもないと予備軍となりそうな気配にも気づかないし、止められないんだと思う。当然一緒に暴走する危険もはらんでいて(というか相当にヤバイこの人)、一見大団円にみせてその実不安しかないラストだった。面白かった。
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