「落下の王国」
いつものTwitter(x)で見かけてシリーズ。「構想26年、撮影期間4年、CGに頼らず、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションをめぐって撮影された壮麗な映像と独創的な世界観」だそうです。しかも、監督が私財を投じた自主製作映画で、デビッド・フィンチャーとスパイク・ジョーンズが制作をサポート。石岡瑛子さん(万博フランス館ディオール部屋にも展示)がコスチュームデザイン担当(え、何で前回は話題にならんかったんや???私が知らんだけ???)
「落下の王国 4Kデジタルリマスター」ターセム
The Fall / Tarsem Singh(2006米)
映像美がとにかく強調されていたせいか、私はすっかり「ざくろの色」みたいな(絵面が似てるんだもの)意識高い難解な映画かと勘違いしており、寝ちゃったらどうしようと要らぬ心配をして映画館サイトで予約を……
は?
「残りわずか」マークでてる!え?お安い水曜とはいえ平日真昼間よ?!
焦ったわたくし、いつもなら選ばない前よりの席、端が一つだけ空いてたのをゲット。
結論からいうと、物凄くわかりやすくて物凄く面白かった。意識も高かった。超絶の拘りテンコ盛り。故に映像は信じられない程の美しさ!石岡瑛子さんデザインの衣裳も超絶ハイセンスで素晴らしすぎる!好き!!!これはTwitter(x)で絶賛の嵐になるのもわかりますわ当然ですわ……パンフが売り切れてたのも当然(欲しかったなー)。
1915年のロサンジェルス。恋人を他の俳優に寝取られ撮影中の落下事故で半身不随、死にたがってる男が、移民の五歳少女(リンゴ収穫の際木から落下して骨折)に語る「おとぎ話」。現実と物語世界が交錯する、という話はよくある基本形なんだけれども、この物語世界がとんでもなく美しい。「レッド・ツェッペリン ビカミング」でIMAXの威力を実感したように、4Kの威力というものも今回初めて実感したかも。「落下」がメインモチーフとして映像でも意味合いでも頻繁に出てくるんだがこれがまた美しい。たいがいどうしようもない事柄なのに。
観終わった直後は、物語が二人を救ったよかったね、とややお花畑な感想を持ったのだが、後からじわじわ来た。二人を取り巻く現実はなんも変わってないんだわ。男はこの先どうなったか・どうなるのか誰にもわからない。けれど女の子は、あの物語をあの年齢で全うさせたことで未来に通じる道が出来た。それで幸せになれるかは不明にしても、とりあえず。
面白かった。もう一回観たい。つか円盤再販望む!

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