「爆弾」

 予告編から気になってたので。封切り翌週だったのもあり、平日にも関わらず結構な人出。


「爆弾」永井聡(2025)

 まず以て佐藤二朗さんが凄すぎる。これだけの量のセリフを完璧に我が物にし、しかも殆ど動きなく狭い取調室の中でほぼ座ったまま、十円ハゲから表情筋から、目線と仕草と声色声音音量、完全にコントロールして演じきった。お見事天晴!もちろん山田裕貴さんはじめ他のキャストさんたちも全員素晴らしい(そもそも豪華キャスト!清宮・類家コンビ最高でした)。137分ずっと手に汗握る展開で、エンドロールまであっという間。宮本さんの歌も嵌ってる。そして何よりイイのはこれがハリウッド映画ではありえない、日本の地ならでは、日本語ならではの作りになっていること!つくづく日本語を解する日本人に生まれてよかった、と思う。

 話としては

「微罪で捕まった『スズキタゴサク』(如何にも偽名っぽい)と名のる男が都内に仕掛けられた爆弾を巡って刑事たちと頭脳戦を繰り広げる」

 てな感じなんだけれども、これが全くネタバレになってないと言い切れるほど密度ミチミチ。一見意味のない戯言のようにみせかけて匂わせ・ほのめかし・フェイクその他レトリックを駆使し手練れの捜査官を手玉に取る、感情を掻き乱しじわじわアリ地獄のように自らの土俵に引きずりこんで支配していくその底知れぬ怖さ。ゲームのように考えているわけではなく、ちゃんと「爆発したら何がどうなるか」をよーーーく理解していて、その上でのあの言動なんだからヤバすぎる。傍観者の立場の私には爆発シーンがかなり恐ろしかった。直接男と対峙する捜査官のみならず、現場で働く警官たちの動きもキッチリ描かれて緊迫感半端ないです。映画館で観て大正解。原作はさらに群像劇寄りらしいけれど読んでみたくなった。またもやまんまと乗せられている……でも乗せられても全然いいと思う。いやむしろ積極的に乗っていきましょう。面白かった!

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