1月に観た映画
さすが作者も認めた脚本、けっこう込み入った話がうまくまとまってた。無闇に泣かせたり感動させたりというのではなく、自然に映画の世界に入れる感じ。岡田くんの「目」はもちろんのこと、三浦くんの「いかにも現代の若者」がどんどん変わっていく様子もよかった。「硫黄島からの手紙」のときの二宮くんといい、ジャニーズ俳優侮りがたし。
既にずいぶん前に原作を読んでいる私はすっかり岡田くん扮する宮部に感情移入して、ただただ辛かったのだけれど、一緒に行った子供二人は素直に涙していた。息子の感動ポイントは、訓練中事故で亡くなった教え子を侮辱する上官に食ってかかり叱責される場面。殴られまくる宮部の前で直立不動で耐える教え子たちの様子にぐっと来たという。ああいう辛い場面で自己を抑制し、姿勢を変えずにいるのはすごいと。
そう、是非はともかくとして、あの時代に生きた人たちは凄いと思うのだ。ことさらに美化する、ヒーロー扱いするのとは違う。かといって同じ人間として、というのもおこがましい。町の風景はかわっても、同じ山なみを、空の色を彼らはどういう思いで観ていたのか、と考えるだけで切ないような、誇らしいような、恥じ入りたいような、複雑な思いにかられる。
「風立ちぬ」と同様この映画もまた年配の方が多かった。どうみても80歳は超えていると思われるおばあさんも一人で来ていた。日本はまた変わりつつあるのかもしれない。
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