2016年7月27日水曜日

7月に読んだ本・観た映画

「日本で一番悪い奴ら」

映画館で映画を観ることが本当に少なくなってしまった。いつでも観られる、と思うと観られなくなってしまうんだな人間は。反省。
と、思ったくらいこの映画、良かった。実話を基にしているが、あからさまな昭和アピールというのはなく、クリアで美しい映像・キレッキレでガンガンたたみかけてくる演出、なのに最初から最後までどっぷり「昭和」。なんだろこれ。服装や髪形、店や部屋の散らかり具合、エピソードのひとつひとつに職人のこだわりが見える。綾野剛さんは「八重の桜」の会津藩主役からのファンだが、ますますファンになった。いやほんと凄い役者だわ。元が品良く整った顔立ちだからか、かなり口汚く罵ったり非道なふるまいをしたりしても、くるくる変わるその表情に魅せられて、ますます目を離せなくなってしまう。

他のキャストもあまりにはまりすぎて出てきた瞬間笑ってしまった。ベタ過ぎるほどにそのまんま!本人たちもノリノリなのが見て取れて楽しい。
あとお色気場面が、今ではほとんどみられない、まごうかたなき正統派?なお色気場面だった。出てくる女性たちがいちいちみんな可愛いしいろっぽい。あの役・あの演技は、アイドルには絶対に無理!作り手や役者の並々ならぬ情熱と気概を感じた。昔のにっかつロマン〇ルノ、ちょっと観てみたくなった。ツ〇ヤでも堂々と借りられるぞオバサンだから!(笑)
漫画原作・アイドル頼みの昨今の日本映画に対する挑発的・挑戦的態度満々の作品、間違いなく、映画館で観るべき映画だと思った。

「プラチナタウン」楡 周平

なんとなく書店で見かけて買ってみた(これも最近は珍しい)。高齢化した田舎で使い道のない広い土地を有効活用するという話だが、建設的かつ具体的で、登場人物の会話により問題点と解決策を提示していくといったスタイルが解りやすく面白かった。
こういったフィクションの世界だとほとんど悪役となることの多い「大企業」が、相当好意的に描かれていたのも新鮮。「利潤追求」は冷たいかのように言われがちだが、そうではない。むしろそこをきちんとしておけば、細かい人間のしがらみや感情的なあれこれも、ほとんど解決できるのだ。よほど常識を逸脱した案件でない限り(その解決の仕方もちょろっと書いてる。おススメとはいえないが(笑))。
閉塞された空間の中にずっといると、その状況に慣れてしまい、考えることも動くこともできなくなる。かといってまったくなんの関連もない人間が来て、それまでの慣習や経緯もすべて無視して動くと、これまた新たな問題の火種になる。結局のところ地方振興は、「短期・長期に関わらず人の出入りの多い・しやすい土地」にすることが一番の対策なのだろう。

2016年7月4日月曜日

4~6月に読んだ本

けっこういいペースで更新できてたというのに諸事情で休止。もう忘れてるー、順不同で思いつく限り書いてみる。

「空飛ぶ広報室」有川浩

これが書かれた当時の自衛隊に対する一般的な世間の評価と、現在のそれとでは相当ギャップがある。文庫版では最後に、東日本大震災のくだりが加筆されてるので、まさに分岐点となる作品となったかも。ただ、本文の話とはそぐわない。真面目に、かつコミカルに自衛隊の広報室を描く、といった当初の心づもりが、圧倒的な現実に際して、話をそのまま閉じられなくなってしまった感がある。「有事」というのはそういうことではあるのだけれど、ちょっと切ない。



「ハピネス」桐野夏生

豪華タワーマンションに住む幼稚園のママ友たちの物語。一見仲良さげに見えるママ集団の中に厳として存在するヒエラルキー、なかなか怖い。あからさまに無視したり暴言を吐いたりはしなくても、阿吽の呼吸で距離を置き何気にハブる、っていうのが本当リアル。最初はオドオドと優柔不断な主人公にイライラしたが、子供のことで住民に苦情を言われるくだりでは同情した。あれはつらい。昔を思い出して身につまされた。しかしこういう話をエンタテイメントとして読めるようになったんだから、思えば図太くなったものだ。というより、振り返ると子供の時代なんて本当に短い期間だったんだと実感。その時は必死で、日々が永遠に続くような気がしてたけど。

「十二国記」小野不由美

そしてそして・・・今回ドはまりした、このシリーズ。昔から気にはなっていたけれど、今手を出したら終わると度々自制していた。やっぱり思った通り、時間泥棒系の作品でした。異世界ものはあまたあれど、さすがは小野さん、世界構築の理論武装バッチリ。ファンタジーで陥りがちな、荒唐無稽すぎてその世界の中でも辻褄が合わなくなり白ける…なんてことはない。しかもこのイラスト、よくみたら山田章博さんじゃないですかーヤダー!これなんてあらふぃふホイホイ?!今までよまなかったのは何でかと自問自答したいほどだ!
というわけで今出てる分は全部買い速攻で読破してしまった。続きはまだかー。