2015年9月18日金曜日

読んだ本いろいろ 8

やっと追いついてきたーと思ったが、kindleで読んだぶんもあることにさっき気づいた。まだ先は長い。


「ロスジェネの逆襲」池井戸潤

あの半沢直樹が出向先でも大活躍!もはや水戸黄門的なノリですいすい読めて最後にスッキリ♪あっというまに読みきった。企業買収の丁々発止のやりとりが痛快。白状すると「ホワイトナイト」の意味がこれでやっと理解できた(遅)。
「ロスジェネ」いわゆる就職氷河期に就労した世代ということらしいが、もちろん単に世代で一括りにしてはいない。サラリーマンという「枠」を選んだことにプライドを持ち、与えられた場で誠実かつ前向きに仕事をこなす姿はやはり気持ちがいい。基本的に勧善懲悪な展開で、ご都合主義的な部分も多いことは多いが、読後感がいいので細かいとこはええやん!ということで。


「カレイドスコープの箱庭」海堂尊

田口&白鳥コンビの最後の事件!ということで、久々に二人が主体で活躍。終盤に、今までの主要人物揃い踏みしたのは楽しかった。スティーヴン・キングもそうなんだけど、作品世界がぜんぶ繋がってるのは読書好きにはホント嬉しい。特に海棠さんの場合は、まんま現実の制度改革に繋げようとしているところがまた興味深い。
なんとなくだが、海堂さん自身は外見田口で内面が白鳥なんじゃなかろうか。最強にして腹黒さ倍。

2015年9月11日金曜日

読んだ本いろいろ 7

何かと物議をかもしがちな百田さんの三連発。

「夢を売る男」
「一度でも本を出したいと思った人は読んではいけない」
という挑戦的な帯の煽りに乗ってみた。期待にたがわず、最初から飛ばしっぱなし。数年前に問題となった「自費出版」系の世界について、一切歯に衣着せず、言いたい放題。主人公の牛河原がとにかくメチャクチャ腹黒くてずる賢くて、けっこう酷いのだが逆にその非道ぶりがいっそ爽快!
これもやはり「フィクション」であるからこその自由だ。ラストがまた近年稀にみる名ラスト。映画化してほしいけどネタがネタだけに無理かなあ?大河原さんのアップのあと、バリバリのハードロックが流れエンドロールが続くのを幻視したんだが(笑)

「Box!」
対するこちらは、ボクシングに賭ける青春ストーリー。持って生まれた才能というものはないが、優秀な頭脳と類まれなる努力で着実に力をつけ、心身ともにぐんぐん強くなっていく主人公は「ベイビーステップ」のエーちゃんを思わせる。本当に、「自分で打ち立てた目標に向かって努力できる」というのも立派な才能だ。
だがしかし、こちらはちょっとラストが不満。このくらいキャラクターを作りこんでいれば、あと一冊余裕で書けたんじゃないのかなあ。というか続きをもっと読みたかったよ。

「大放言」
煽りまくる帯に負けない中身だったが、牛河原さんの強烈なキャラクターに比べればかなり常識的。放送作家であったせいか、音読してもすらすら読めそうな読みやすさ・わかりやすさは、新書というジャンルにも適していると思う。
早くも「大放言2」の出版予告をしていたが、出来れば私としては、大河原さんシリーズを書いてほしい(笑)フィクションという枠に囲んだほうが、言いたいことを存分に書けるし、読み手にも伝わり易いと思う。

それにしても、ここまで読んで思ったが、「夢を売る男」の帯。「作家になりたいと思った人」ではなくあえて「本を出したいと思った人」と書いたあたり、含みがあるような気がする。今や紙の本を出さなくても、出版社を通さなくても、たくさんの読者を抱える「作家」になることは可能な時代だから、拘る必要はないのかも。本当に良いもので、残すべき価値のある作品なら、おのずと世にでることになるだろう。