2015年9月11日金曜日

読んだ本いろいろ 7

何かと物議をかもしがちな百田さんの三連発。

「夢を売る男」
「一度でも本を出したいと思った人は読んではいけない」
という挑戦的な帯の煽りに乗ってみた。期待にたがわず、最初から飛ばしっぱなし。数年前に問題となった「自費出版」系の世界について、一切歯に衣着せず、言いたい放題。主人公の牛河原がとにかくメチャクチャ腹黒くてずる賢くて、けっこう酷いのだが逆にその非道ぶりがいっそ爽快!
これもやはり「フィクション」であるからこその自由だ。ラストがまた近年稀にみる名ラスト。映画化してほしいけどネタがネタだけに無理かなあ?大河原さんのアップのあと、バリバリのハードロックが流れエンドロールが続くのを幻視したんだが(笑)

「Box!」
対するこちらは、ボクシングに賭ける青春ストーリー。持って生まれた才能というものはないが、優秀な頭脳と類まれなる努力で着実に力をつけ、心身ともにぐんぐん強くなっていく主人公は「ベイビーステップ」のエーちゃんを思わせる。本当に、「自分で打ち立てた目標に向かって努力できる」というのも立派な才能だ。
だがしかし、こちらはちょっとラストが不満。このくらいキャラクターを作りこんでいれば、あと一冊余裕で書けたんじゃないのかなあ。というか続きをもっと読みたかったよ。

「大放言」
煽りまくる帯に負けない中身だったが、牛河原さんの強烈なキャラクターに比べればかなり常識的。放送作家であったせいか、音読してもすらすら読めそうな読みやすさ・わかりやすさは、新書というジャンルにも適していると思う。
早くも「大放言2」の出版予告をしていたが、出来れば私としては、大河原さんシリーズを書いてほしい(笑)フィクションという枠に囲んだほうが、言いたいことを存分に書けるし、読み手にも伝わり易いと思う。

それにしても、ここまで読んで思ったが、「夢を売る男」の帯。「作家になりたいと思った人」ではなくあえて「本を出したいと思った人」と書いたあたり、含みがあるような気がする。今や紙の本を出さなくても、出版社を通さなくても、たくさんの読者を抱える「作家」になることは可能な時代だから、拘る必要はないのかも。本当に良いもので、残すべき価値のある作品なら、おのずと世にでることになるだろう。

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