「日本史サイエンス」「図書館の魔女全四巻」

 並行して何冊も読んでるので中々読み終わらない。

 
「日本史サイエンス」播田安弘(はりた やすひろ)ブルーバックス(2020)

ツイッターで見かけて、本屋でも見かけたので買ってしまった。漫画「アルキメデスの大戦」製図を監修しているという著者、その文章も明快にしてとてもわかりやすく読みやすい。内容は大きく分けて三つ。(目次より)

1)蒙古軍はなぜ一夜で撤退したのか

2)秀吉の大返しはなぜ成功したのか

3)戦艦大和は無用の長物だったのか

 歴史好きならタイトルだけで食いついてしまうラインナップ。著者は船の設計者で、父は造船所経営、母は江戸時代から続く船大工棟梁の娘。産まれる前から筋金入りの職人魂を抱えた正真正銘のエンジニア。仮説を立て具体的な数値を設定して歴史的事象を読み解いていく。文献に依らないこの手法もまた「歴史の正体」というものを知る重要な手がかりではなかろうか。というより、文献だって「書かれて残された」という時点で公平な真実そのものなのかは判断が難しいし、「仮説を立てて科学的に検証」だって当時の状況が本当のところどうだったのかは誰にもわからない。両方がガッツリ組んで、お互いに足りない所を埋めていけば、今までに見たこともない歴史世界が広がるんじゃないだろうか、とウットリ妄想。

1)はまず漫画「アンゴルモア」と一緒に読むと最高に面白い。特に両者の戦力判定のくだり、「ランチェスターの法則」に当てはめて考えるというところ、これ漫画で表現したらすごいんじゃなかろか(無責任な意見)。というのも、NHKの歴史番組で乗馬したまま和弓を射かける、って実演観て、これが恐ろしい程に戦闘能力が高く、しかもメチャクチャかっこよかったのだ(弓を引いてたのは女性!)。日本刀も「引き切る」点において「突く・腕力で叩く」一辺倒の剣などより接近戦においては最強だったというし、その辺を是非ぜひ!漫画でも見たいなあ。

「アルキメデスの大戦」も楽しみ。史実とどう関連付けていくのか、先に行くほど難しくなっていくがそこがたまらない。こういうフィクションだって、歴史を知る一つの方法だよね。記録された事実と科学的知見とで裏打ちされた物語世界はどれだけ深く広く、過去に肉薄できるだろうか。




「図書館の魔女」全四巻 高田大介 講談社文庫

 帯にも書いてあったが「すごい」この一言に尽きる。

 高い塔の図書館に住まい、少数の側近のみ置いて古今東西の書を繰る「魔女」マツリカ。声を持たない彼女の「言葉」が何で、どうやってコミュニケートするか、も物語の大事な要素の一つなので詳しくは書かない。あらすじはおろか、登場人物を紹介することも躊躇われる。読む人の愉しみを奪いそうだからだ。

とにかく読んでみて!話はそこから!という本です。いやホントに。

 一つの文章の情報量がとてつもなく多い。何気なく読み飛ばしたところにも、後から繋がって来るものが必ずある。物語の構造と展開は間違いなく王道だけど、血沸き肉躍る古典の物語世界の背景と内部をひとつひとつ丁寧に、緻密に描いているといった感じ。人によってはこの圧倒的な「量」と「質」に酔うかもしれない。長い物語が苦手な向きにはとりあえず先に「まほり」をどうぞ。

 私にとってはこの「圧倒的な量と質」がまた喜びであり、読み終わるのが物凄く勿体なく、寂しかった。これまで読んで来た数多の物語の、真実の姿を垣間見させていただいたようでとても嬉しい。この本を読んで楽しめる程度に、元気に生きて来てよかった。続編も絶対読む。

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