「まほり」高田大介 角川書店(2019)
この本、組み立てがすごくしっかりしてるので梗概楽に書けるけど例によって書かない。何も展開を知らないまま読むのがよき。実際、友人がこれを読んだ経緯がちょいオカルト風味なので、用のある人(どんな用だ)は呼ばれて絶対読む羽目になるんだと思う、ひひひ。
(以下ややネタバレにつき注意)
社会学を専門とし院を目指す主人公が、郷里でフィールドワークを進めるうちに色んな専門家と出会い、データベースを駆使しつつ古文書やら戒壇石やら読み漁り、史学や民俗学の世界に否応なくどっぷりとはまっていくその過程、ニワカな歴史好きからガッツリ大学でやってましたな人にも楽しめるよう、面白くわかりやすく描かれている。特に文書に関しての見解、
「文字となって残っているということは、それだけで誰かの意思なり思惑なりが既に入ってる」
もうまさに。まさにそれ。ツイッターで見かけたらいいね百回押したいくらい。こういうのがテンコ盛りで、メインストーリーである謎解きにもガッツリと繋がって突き進んでいく。一人だけではない、他人の力を借りて問題解決していく流れが非常に心地よい。頭脳明晰だが頑固でコミュ障気味だった裕が、この謎を解こうと動くことで徐々に変わっていく。特に幼馴染の香織ちゃん(図書館司書)との関わりが何とも可愛らしいというか初々しくて、オバサンは年甲斐もなく胸キュンしてしまいました。
さらにもうひとりの主人公ともいえる「都会から引っ越して来た少年」の淳。この二人が似た者同士で、互いに影響し合い、互いの行動を読みあって、年齢を超えた繋がりを構築していく。ある意味この男子二人の、真夏の成長物語とも言える。縦横みっちり詰まった物語の綾を、最後までじっくり堪能できる良作です。面白かった!
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