「ぼぎわんが、来る」

衝動買いして速攻読んでしまった。映画「来る」の原作。

琴子さんの名刺二枚付
「ぼぎわんが、来る」澤村伊智

澤村さんは短編をいくつか読んだことがあって、上手いなあと思っていたが、デビュー作がこれか。やっぱり凄いわ。


【60字梗概】
土地にまつわる化け物を呼んだことで孫の男性は殺されその子は異世界に連れ去られるが、霊能者により奪還され繋がりも絶たれる。

映画と違ってあくまで「ぼぎわん」が主体である。ナチュラルな嘘つきの夫は元がそうだったのか化け物のせいでこうなのかという疑問を持ったが、こういう何でも我慢してやり過ごすことを常とした祖母、母に育てられたなら納得だ。で、そういう男は結婚相手も同じような女を選びがちなので、修正がきかない。親の因果が子に報い、というのは何も超自然的な話ではなく、ある程度必然の理なのかもしれない。やっぱり度を過ぎた我慢は良くないのだ。悪い事は悪いとどこかで正さないと、結局どこかでしわ寄せが来る。この世ならぬ世界に棲む化け物とはいえ、そういう「隙間」があって呼ばれないと近づけないというのはまた如何にも日本的で面白い。夫が騙されるくだりはまさに「牡丹灯籠」じゃないか。それをスマホや電話の回線でやったのがまた良い。
改めて思ったが映画のキャスティングはこれ以上ないくらいカンペキ。小説そのままの筋ではないにしろ、物語の本質をよく掴んでいると思う。流石はメディアミックス元祖のKADOKAWAというべきか。実際にこのところ結構頑張ってると思う、日本映画界。
 巻末の解説に、著者を「ホラーや怪談やミステリを読みすぎたひとの小説」と評しているがまさに。岡本綺堂を敬愛しているということだが他にも色んな匂いがするぞ、読みすぎたひとりである私には。

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