おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「十二人の死にたい子どもたち」「地獄の花園」「平家物語 犬王の巻」

2022年7月27日  2023年9月12日 

 なんちゅうラインナップだ。カオスすぎるわ、と思いつつも、全部日本製ね。



「十二人の死にたい子どもたち」堤幸彦(2019)

 原作を読んだ時にはもう映画化されていて、観に行きたかったがあっという間に終わってしまってたんだった。(本の感想はこちら

 率直な感想としてはまず

「時間が足りてない」。

 映画化より連続ドラマ化・アニメ化の方がよかったんじゃないかなあ内容的にも。舞台となる廃病院の再現力も高く、謎解きにまつわる伏線もうまく映像化してたし、気鋭の若い役者さんたちもそれぞれ熱演していて好感が持てたからこそ惜しい。勿体ない。

 何より一番のキモである「対話」が圧倒的に足りてない!!!

 これでもかなりセリフの多い映画ではあるんだろうけど、もっともっとお互いに対話をさせるべきだったと思うよ。原作を読んでない人にはイマイチ、というか殆ど伝わらないんじゃないかな。映画で???となってわかんないから原作を読んでみよう、となればまだいいんだけど……難しいね。重ね重ね勿体ない。



「地獄の花園」関和亮(せきかずあき)(2021)

 恒例の「子のおススメ」シリーズ(ただし此方は上の子20代OL)。

 脚本がバカリズムさんだけあって、のっけからハチャメチャな設定と目まぐるしいアップテンポな展開、にすっかり持ってかれる。この内容で102分?大丈夫?とちょっと思わないでもなかったが全くの杞憂だった。想定外のラストにはやられた。そうきたか。いやー面白かったわ!超名作!子は映画館で観たらしいが、確かにコレ皆で一緒に笑いたいかも。

「東京リベンジャーズ」の映画とどっちが先なんだろと思ったら同じ年でウケる。地上波TVで放映の際は是非この作品を続けてやってほしい(笑)。

「翔んで埼玉」の時もそうだったけど、馬鹿々々しいことを真剣に演じ切るのが一番面白いのよね。この映画も、むしろ女性陣が軒並み本気でノリノリに見えたのは気のせいだろうか。あんな風に啖呵切るの気持ちよさそう。もっと評価されていい映画だと思う、いや本当に。

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「平家物語 犬王の巻」古川日出男(2017)

 此方は逆に映画から観たパターンだが、表現の違いはあれど人物造形も世界観もまったくブレてなくて驚いた。ほぼイメージ通り。
 文体に独特のリズムがあって、詩でもない歌でもない、破調の何かが走り抜ける感が心地よく、あっという間に読めてしまう。文庫本で200ページ足らずの短い小説だが、あっけないまでの疾走感、爽快感と時を経て積み重なったものの濃密が共存してる。
 これはどっちから先に観てもいいと思う。多くは語らない。語る必要ない。ただ目撃せよ!と映画「犬王」の宣伝文句そのままを言っておく。必見です。出来れば両方。
 平家物語も読んでみたい。
 
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