「十二人の死にたい子どもたち」
久しぶりの冲方さん。何と現代ものはこれが初とのこと。しかもデビュー20周年記念作。結論から言うと流石は冲方さん、非常に面白かった!
今回も梗概は書かない。これはあまり前提知識がない方が楽しめる作品であるからだ。決して面倒くさいからではないんですよ、ええホントに。
全くネタバレしないままこの作品の魅力を語るのは非常に難しいけれども、私が感心したのはやはり十二人の描き分けだ。共通しているのは「自死する」という目的だけなのだが、それぞれの成育歴、それにより培われた性格・性向、価値観、人との関わり方等が対話の中から浮き彫りになっていく。そう、「対話」なのだ。一方的な演説でもなく講釈でもなく。話す量の多寡でもない。真の「対話」から得られるものはまごうかたなき「自分」だ。他者に左右されない素のままの、真の自分。
長い時間をかけて構想を練ったという冲方さんの、冷徹に容赦なく見せて実は愛情深いまなざしが感じられる、パワフルな物語でした。
それにしても映画化していたというのに気が付いたらもう終わり間近。夕方時間になっているが観に行こうかどうしようか(と迷っているうちに終わるぞ)。翔んで埼玉も観たいしなあ←。
コメント
コメントを投稿