「スティング」「阿・吽」「雪花の虎」「東京タラレバ娘シーズン2」

 映画はやっぱり定番の名作やで!ということで録画してた此方を観た。




「スティング」ジョージ・ロイ・ヒル 
The Sting  George Roy Hill(1973米)

 第46回アカデミー賞七部門受賞。さすがにリアルタイムでは観てない。私が学生の頃には既に古典の名作扱いだったので名画座などで数回鑑賞。あの時もストーリー展開からキャラ建てから俳優から音楽から、すべてにおいて完璧!メチャクチャ面白い!と感動したものだが、今も全く色あせてなかった。むしろ、若い頃には気づかなかった風景やら小道具やら服装などのこだわりを改めてじっくり噛みしめて、新たな感動を得た。1970年代に製作された1930年代のアメリカ。こういう雰囲気やセリフ回し、もう作れないんだろなー。

 それとやはりやはり、ポール・ニューマンなのだこの映画の最大の推しは。冒頭の汚くて下品なオヤジの演技もイイ……!その後のピシっと決めた姿も、しどけなく酔っ払いを演じる姿も、何もかもがありえないくらい尊くて素晴らしい。

 多分、私はこれがポール・ニューマン初映画。ロバート・レッドフォード目当てに観にいった二十代の小娘はポールの涼やかな目元にやられてしまいました。この時彼は四十代だったんだなあ。若いわ……思えば遠くに来たもんだ。

 今回一緒に観てたJD娘からすると、何もかも「色んな映画の元ネタ」的な感じがするらしく、まずあの音楽にあーこれが元なんだ!とそれなりに感心してたようです。

にほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ
にほんブログ村



「阿・吽」おかざき真里 全14巻

 ツイッターで見かけて、空海と最澄の漫画?!それはとっても面白そうだと食いつき、無料お試しを読んでまんまとポチってしまった。ちょうど完結したところで、巻数もさほど多くなかったし。

 おかざき真里さん、どこかで聞いたことが……絵もどこかで見た、何を読んだんだっけ……と考えたらば「いちから聞きたい放射線のほんとう」のイラスト書いてた人だ!うおー!そういえば一時この本に関わった人たちのプロフィール絵がこの方だった。すっごい絵が上手いなーと思って印象に残ってた。そかそか。

 と、いうことがわかったのは読んだ後だ。14巻ほぼ一気に読んでしまった。仏教の深遠な思想も実像も物知らずの私にはわからないが、何だか凄いものを観させられた気になった。巻末にある参考本の数々も半端ではない。おかざきさんがとにかくガンガン入れるだけのものを入れ、全部咀嚼してぐるぐるしてコネコネした結果、このような表現が生まれ出た、と解釈した。いや漫画家さんて本当に凄い。繊細にして精緻なのに躍動しまくる線、ウィーン世紀末を思わせる色彩豊かなカラー絵、扉絵。物凄く残酷で退廃的で腐臭漂う現実を描いているのになぜか見入ってしまう。魅入られるというべきか。これぞ絵の力、漫画の力!

 しかしこの天才二人を以てしてもなお世界は変わらない。いや変わってはいるのか?この二人がいない世界はどうなっていただろう?もっとヤバいものになってたのか、どうなのか。人を救う、って何だろう。人が人を本当の意味で救うのは無理ってことなんじゃないのか、結論的に。少しこの時代の本を読んでみて、また読み返したら違う印象になるんだろうか。ああ、積ん読がどんどん増える。

 そうそう、作中にかの映画「ミッドサマー」を思わせるエピソードがあって面白かった。昔からあるんかなああいうの。やっぱ最澄さんも空海さんも伝記読んでみよっと(さらなる積ん読)。 


東村さん二連発。とはいえ読んだのちょっと前。



「雪花の虎」東村アキコ 全10巻

 上杉謙信が実は女だった?!という話だが、いわゆる逆転ものではなく、実際本当に女だったんじゃ?!という仮定のもとに描いてらっしゃる。優しく穏やかな兄姉の下で男勝りに育った女子・虎千代。父の死後に景虎として元服、男として生きることに。

 ただし、まるっきり男になりきっているわけではない。ちゃんと女の部分もある。女であることに焦れる部分もないではないが、それが現実なのだから仕方ない、どう折り合いをつけていくかを考えるというスタンス。それだけの大きな器を持ってた人物ということで、どっちの性も存分に生きている感じがすがすがしい。これぞジェンダーレスの理想形ってもんじゃないのかなあ。ひたすらに強く美しく愛らしくイケメンの謙信!男女ともにモッテモテなのも頷ける。

 連載してたヒバナが廃刊になってしまってどうなるかと思ったけど、ラストもキレイに着地。面白かったです。歴史物もっといろいろ描いてほしいなー。



「東京タラレバ娘 シーズン2」 東村アキコ 全6巻

 一作目のタラレバ娘たちより更に熱量の低い令和の独身アラサーは自宅住いのフリーター、仕事が図書館でのアルバイトという、前作より相当地味設定なのだが、いきなり同じく地味なバイト仲間の行きつけ(!)のボーイズバーの常連になるっていう超展開がまたタラレバらしい。ひたすら薄い、緩い感じだった主人公が濃ゆい場に放り込まれて、本音トークに打ちのめされつつ、あれやこれやと行動し出すのが小気味よい。安易なメデタシメデタシにならないところも。

 主人公の友達(既婚者)が結婚について、

「人生のイベントや色んな楽しかったことをもう一回ループさせる感じ?」

 と述べるシーンがあるが、主人公はこのセリフになるほどなあ、と納得できる程度には家族との関係も良い。見目も性格も特に悪くない。それでも中々結婚しない・できないのは何でだろう?……という辺りは非常に身につまされた。私自身、若い頃にそこまで考えてなかったよ。まだ「ある程度の年齢になったら結婚する」のが普通みたいな感じはあったから。

 今の若者は情報があり過ぎて色々迷うっていうのはあるんだろう。でも、欲しい情報がすぐ手に入る時代に生まれたメリットを活かして、よーくよく考えて好きな人生を歩んでいけばいいと思う。ただし、考えるのにも最低限ベースとなる知識とスキルと経験が必要なんで、勉強と実践は欠かさずね(やっぱり大変?)。 

にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿