宿木 三
こんばんは、右近です。ただ今、六条院は東の御殿に来ております。
本日、ついに匂宮さまと六の君さまとのご婚儀が成るとのこと、どこもかしこも玉のように磨き立て、すべて完璧に整えて待ち構えていらっしゃいます。(ええ、そのヘルプ要員として潜入しておりますのよ、オホホ)
ところが十六夜の月が高々と差し上がる頃になりましても、何の音沙汰もない……宮さまからしてみれば元々気乗りのしないご結婚でございます。夕霧さまは、まさかこの期に及んでドタキャンか?!と気が気ではありません。家来に居所を探らせてみると、
「今日の夕方に内裏を退出されて、今は二条院にいらっしゃるようです」
とのこと。中君さまとご一緒かと思うと面白くはない夕霧さまですが、何としても今夜中にご婚儀を済まさないと外聞が悪いことこの上ない。
遂にご子息の頭中将さま――六の君さまと同じ、藤典侍さま腹のごきょうだい――を二条院に派遣されました。
「大空の月すら宿るわが宿で
宵を過ぎても来られない貴方を待っています」
さあ、宮さまどうする?!
二条院の少納言さん、お願いいたします。
少納言です。今回皆さま総出ですわね。
匂宮さまはそもそも、
「今日が六の君との婚儀!なんて中君にはとても言えないよ……つらい」
ということで内裏にいらしたのですが、そこから出されたお文に対するお返事がよほど心に響かれたのか、こっそりと二条院に帰って来られたのです。お顔を直に見てしまえばもう出られません。可愛いね、愛しい人、世界で一番好きだよ、いつまでも来世までも一緒にいようねーなんて甘い言葉を囁かれつつ、寄り添って月を眺めていらっしゃる。
中君さまは常日頃から思う所は多くいらしたのですが、決して表に出すまいと耐えてらっしゃいます。平常心を保って問いただすようなこともなさらず、ただ大らかに構えているふりをしておられる。そのけなげさ、おいたわしさに宮さまも心打たれ、ますます出るに出られません。
しかし、さすがに頭中将さまクラスの正式な使者がいらしたともなれば、これ以上引き延ばしをはかるわけにもまいりません。お待ちになっている六の君さまとてお可哀想です。宮さまは不承不承ながら立ち上がられました。
「ほんのちょっと出て来るけど、すぐに帰って来るからね?独りで月を見てたりしちゃダメだよ。上の空だと心配だから」
そう仰ったものの、バツの悪いことこの上ありませんので、こそこそと物蔭を通って寝殿に渡られました。その背中を見送られた中君さま、特に表情も態度も変わりませんでしたが……いざ独りになられるとただ「枕が浮くほどに」涙を零されて、
(嫌なものは人の心だったのね……)
と複雑な思いに心を騒がせておられました。
※涙川水増さればやしきたへの枕の浮きて止まらざるらむ(拾遺集雑恋-一二五八 読人しらず)
(わたくしたち姉妹は幼い頃から母もなく心許ない身の上で、世の中を諦めていらした父宮お一人だけを頼みに、あんな山奥で何年も過してきた。変化のない退屈な、寂しい生活ではあったものの、ここまで心底此の世が嫌になったりはしなかった)
(相次いで肉親を亡くした時は、もう此の世に片時なりとも留まれない、これほど恋しく悲しいことが他にあるかと思いながら、死ぬこともなく今まで生きながらえて……)
(この二条院では皆の予想よりは一人前のお扱いだったけれど、それもいつまで続くか不安だった。ただお逢いしている時の宮はいつも誠実なご対応で、その不安も徐々に薄らいでいたのに……この頃の身の置き所のなさ、何とも言いようがない。もうこれで宮とは終わりという気がしてしまう)
(宮はこの世からいなくなったわけではないのだから、時々ならばお逢いできる。そう思えばいいことなんだろうけど、今宵こんな風に見捨てて出ていかれる辛さ、過去も未来も何もかもが入り乱れて、心細くて仕方がない。自分の気持ちなのにどうにもできないなんて情けないこと。それでも生きていれば、どうにかなるのかしら)
少しでも前向きにと心がける中君さまですが『姥捨山の月』が澄み昇り、夜が更けるにつれ千々に心が乱れます。松風が吹き来る音も宇治の荒々しい山風に比べたら随分と緩やかでやさしく、よきお住まいにございます。が、今宵は山荘の椎の葉の音こそ聴きたい中君さまでした。
※我が心なぐさめかねつ更級や姨捨山に照る月を見て(古今集雑上、八七八、読人しらず)
「山里の末の蔭でもこれほどに
身にしむ秋の風は吹かなかったものを」
過去の辛さ、侘しさはお忘れになったかのようです。
老女房たちが心配して、
「さあさあ、もうお入りになってください。あまり月を見すぎるのも忌まわしいことですから……まあ、また果物すら召しあがらずに。いけませんよ、そんなことでは」「本当に見ていられませんわ。不吉なことを思い出してしまって堪らなく辛うございます」
ため息交じりに声をかけてきます。
かと思えば若い女房達は、
「ともかくも今度のこと……いくらなんでもこのまま疎遠になることはないわよね?はじめから深い愛情で結ばれた仲ならそうそう切れるものじゃないし」
ひそひそと言い合っていて、どこを向いてもあまり耳を傾けたくないことばかり。
(今はもう、どうあろうとも何も言うまい。ただ見守っていよう)
中君さまは、他人にご自分の気持ちを代弁されたくはないのでしょうね。内心がどうあろうと誰にも踏み込ませない、ご自身で抱えて処するしかないのだとわかっておいでです。聡明なお方です。
昔からの女房達はそんな心持ちはさらさらないようで、
「それにしても薫さま……あれほど親身にお心をかけていただきましたのに」「勿体ないこと」「ほんに、人の運命と申すものは不思議ですわね」
などといつまでも口が止まりませんでした。
さて、では六条院にて宮さまの御動向を窺いましょう。右近さん、お願いいたします。
はい、右近です。
匂宮さまは心苦しくも後ろめたくも思われつつ、そこはやはり相手が相手。ご期待に応えド派手に行くぜ!とばかりに気合は充分、とっておきの香をこれでもかと焚き染め、頭の天辺から足の先まで着飾ったご様子はもう言う事なし!完璧!って感じでしたね。
今か今かと待ち構えていた六条院東の御殿も、もちろんピッカピカのキラキラ!六の君さまご自身も小さすぎず痩せすぎず中肉中背、ちょうどいい塩梅の紛れもない美人ちゃん。
宮さまは、
「実際のところどうなの……?生意気で気が強くて、女らしさがないツンツンした子だったりして。そんなの絶対ムリなんだけど」
なーんてブツブツ仰ってたけど、それどころじゃない。まあ結果として……かなり気に入ったんでしょうね。秋の夜長だけれど、ご到着が深夜だったせいかしら?あっという間に夜が明けた。一応、すぐにお帰りにはなったみたい。というわけで再び二条院、どうぞ!
少納言です。
匂宮さま、中君のいらっしゃる対屋には渡られないまま自室で暫くお休みになっておられました。あ、たった今使者の方が立たれました。おそらく六の君さま宛の後朝のお文でしょうね。
「あのご様子では……」「悪くはなかった、ということですわね」
宮さま付きの女房達がつつき合いつつ囁きます。
「対の御方さま(中君)こそお気の毒ですわね。どれだけ寛大なお心をお持ちであっても、自ずと気圧されてしまいましょう」
女房同士も仲が良い二条院ですから、とても他人事には思えず、穏やかならぬ言葉を吐く者もおりました。要は皆が皆妬ましい気持ちを抱えており、その剣呑な雰囲気が宮さまにも伝わったのでしょうか、
「彼方からのお返事が来るまでここで待つつもりだったけど……中君が気になる。昨夜はどんなに不安な気持ちで過したことか。いつもの不在とは違うんだから」
すぐに西の対へとお渡りになりました。
寝起きのしどけないお顔やお姿が、それはそれは見甲斐のございます宮さま。まっすぐに中君さまのお部屋に入られましたので、寝たままでもいられません。すこし起き上がられた中君さまの赤みを帯びたお顔の艶々したお美しさ、今朝は一段と魅力的に感じられたのでしょう、宮さまはあえなく涙ぐまれ、暫くの間つくづくと見つめていらっしゃいました。あまりに熱い視線に恥じらわれてうつ伏された中君さまの髪がさらさらと落ちて広がる、その有様もまたこの上なく尊くございます。
宮さまは決まりが悪くいらっしゃるのか、細かい事情は何も仰らないまま照れ隠しのように、
「どうしていつまでも体調がすぐれない感じなんだろうね。暑い頃合いだからと仰っていたから、早く涼しくなればと待っていたが、今も軽快しないのは困ったことだね。いろいろ祈祷もさせてたけどどうも効果が無い気がする。とはいえ、修法はまだまだ続けておいてもいいね。誰か効験のある僧はいないのかな。何とかいう僧都を夜居に伺候させとけばよかったね」
などともっともらしく日常ごとをつらつら仰います。中君さまは、
(こんな話まで調子が良いこと)
とイラっとされたものの、だからといって返事をしないままだといつもと違う!となってこれまた面倒です。
「昔からわたくしは人と違った体質で、このくらいの体調不良はままありましたがいつも自然によくなりましたの」
「そうなんだ、それはまたアッサリしてていいね!」
宮さまニコニコです。
(やっぱり人を惹きつける愛嬌があるよね。そういうところは誰より可愛い!)
という感じですが、早く彼方にも行かなければとやや気もそぞろのご様子が窺えます。やはり六の君もただならぬ魅力を持ったお方なのでしょうね。
とはいえ、向き合っておられる間は態度に変わりなく、来世までずっと一緒と誓われること尽きません。中君さまは、
(現世で短い寿命を待つ間でさえ辛いことはきっと起こるというのに……来世の約束なんて守れるわけがない)
(だけど……わたくしはまだ懲りずに、もう一度信じてみようかと……宮のお心が永遠であることを願ってしまう)
気持ちの振れ幅が大きすぎたのか、今日は泣いてしまわれました。
日頃から
(何としても悩んでいるところをお見せしまい)
と色々と紛らわせていたお気持ちが積もり積もって、誤魔化しがきかなくなってしまったのでしょう。零れ落ちた涙はすぐにも止まらず、中君さまはあまりの恥ずかしさと侘しさで顔を背けてしまわれました。宮さまはそのお顔を無理に此方に向けさせると、
「言葉の通り愛し合っていると思っていたのに、やはり余所余所しいお心があったんだね。でなければ、夜の間にお心変わりした?」
ご自身のお袖で涙を拭いました。中君さまは、
「夜の間に心変わりしたと仰る。なるほどそういうことですのね」
とちくりと仰って微笑まれました。
「ちょっと待って?愛しい人、なんて子供っぽいことを仰る。だけどこれで何の隠し事も無くなったみたいで気が楽になったよ。言い訳したところではっきりわかってしまうもんね。まるっきり夫婦ってものをご存知ないのは可愛いけど困ったね。どうか私の立場になって考えてくれない?『身を心ともせぬ』、思うに任せない有様でね。もし私が思い通りに出来る世が来れば、誰より勝る愛情の程を知らしめてみせる。考えていることがあるんだ。たやすく口に出すことでもないから、寿命があればの話だけど」
※いなせとも言ひはなたれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり(後撰集恋五-九三七 伊勢)
宮さまがつらつらと仰るうち、六条院へ遣わした使者の方が彼方で振舞い酒を過されたか、少々憚るべき場であることも忘れ、おおっぴらにこの南面に現れました。
海人が刈った珍しい玉藻のように、きらびやかな衣裳をどっさり肩にかけております。
「六条院で禄としていただいたのね」「いつの間に後朝のお文を書かれたのかしら」「ずいぶん手回しのよろしいこと」
女房達がブツブツと呟いております。宮さまは、何が何でも隠し通すという程ではないにしろ、これほどあからさまに事実を見せつけるおつもりもなかったので、
(すこしは気を遣えよ……可哀想に)
と苦々しいお顔をされましたが、今更どうにもなりません。女房伝いに文をお受け取りになりました。
(もうこの際だから、すべてオープンにしてしまおう)
と思われたか、一気に引き開けると、これがどう見ても若い女性の手蹟ではありません。
(なんだ……これは多分、継母の落葉宮の筆跡だな)
少し安心されてその場に置かれました。代筆ではあっても気まずいのは同じなのですが。
「差し出ますことは気が引けたのですが、お勧めしてもどうにも悩まし気でいらしたので。
女郎花が一段としおれています
朝露がどのように置いていったものか」
上品に美しく書かれておりました。
「恨みがましい歌だね、面倒だなあ……正直言うと、当分は気楽に暮らそうと思ってたんだ。こうなるとは思ってもみなかったよ」
宮さまはそう仰ったものの、女房達の間では―――
「妻が原則一人だけという夫婦のあり方に馴れている臣下の身分なら、こういう場合の恨めしさも理解できるし同情もするけれど、難しいわね……匂宮さまというお方では」「そりゃあこのお立場であれば当然こうなりますわよ」「親王さま方の中でも別格との声望高い……次期春宮とも期される……お方だから、幾人もの妻をお持ちになっても非難されるようなことではありませんもの。誰も二条院の御方がおいたわしいなんて言いませんわ」「そうね、むしろこれほど丁重に遇されて、深い愛情を注がれていらっしゃるのだから幸せな人、と思われそう」
などと噂しています。
中君さまご自身も、
(大事にされることに馴れていたものだから、今から急に変わってしまうのが悲しい……この手の問題をどうして皆が皆苦悩するのだろうと、昔物語を見ても、他人の身の上を見聞きしても、不思議に思っていたけれど……我が身に起こってみて初めてわかった。本当に大変なことだと)
現実を身に沁みて実感なさっておられました。
匂宮さまは、常よりさらに愛情深く、打ち解けた風に振る舞われ、
「そんなに食べないままではよくないよ?」
と洒落たお菓子などを持ってこさせたり、料理人を呼んで特別に調理させたりして、お召し上がりになるよう勧められましたが、まるで手を出されません。
「ああもう、見ていられないよ」
とお嘆きのうち日が暮れて、夕方には寝殿に戻られました。
風が涼しく、空一面が美しい季節にございます。派手で華やかなことがお好みの宮さまは何だかんだで浮かれていらっしゃいますが、悩み多い中君さまのお心の内は、さまざまに堪え難いことばかり。ひぐらしの鳴く声に山里が恋しく思い出されて、歌を詠まれました。
「宇治にいたら何気なく聞いただろう
蜩の声が恨めしい秋の夕暮れ」
※ひぐらしの鳴きつるなへに日は暮れぬと思ふは山の蔭にぞありける(古今集秋上-二〇四 読人しらず)
宮さまは、今宵はまだ更けないうちに出られました。前駆の声が遠ざかるにつれ、海人が釣り糸を垂らすほど涙を溢れさせる中君さま、
※恋をしてねをのみ泣けばしきたへの枕の下に海人ぞ釣する(源氏釈所引-出典未詳)
(こんなにウジウジと泣いてばかりの自分は嫌……そもそも最初から悩み多き関係だった。何だか疎ましいとさえ思えて来る)
(この妊娠もどうなるのかしら。一族はみな短命だったから、わたくしもそれで儚くなってしまうかも)
(別に命が惜しくはないけれど、悲しいことではある。妊娠中に亡くなるのは罪業が深いというし)
などと眠れないまま物思いに夜を明かされたようです。
ここで一旦、内裏に切り替えます。王命婦さんよろしくお願いします。
はい、王命婦です。内裏より手短にお送りいたします。
本日は明石中宮さまが体調不良との由、大勢の方々が参上されました。ですがただのお風邪で特に心配なし、お見舞いも無用ということで、皆さま三々五々解散している最中です。
夕霧左大臣はお昼頃退出されたのですが、居合わせた薫中納言さまを誘われて、一つ車にて六条院に向かわれたようです。
匂宮さまと六の君さま、今夜が三夜目でございますね。おそらくご婚儀成ったというお披露目の宴に呼ばれたのでしょう。夕霧さまとしてはさぞかし盛大に催したいと思っていらっしゃるでしょうが、やはり色々と制約もあり……少々気の置ける「弟君」の薫さまですが、身内で一番匂宮とのご親交も深く、おめでたい宴の華とするにはうってつけにございましょう。楽しみですわね。
内裏から王命婦でした。続いて六条院、どうぞ。
右近です。
薫さまは六条院にご到着されるや、いつになくお身内感を出されてテキパキ働き始めました。こういう時にすごく気の利くお方だし、私たち女房も随分助かったんだけど、夕霧さまは少々複雑な心境でいらしたみたい。薫さまも六の君さまの婿候補の一人だったのに、ご本人には匂宮さまに取られて残念~みたいな気持ちは一切見えなくて、もう完全にもてなす側として動いてたから。
(少しは気落ちしててもいいのに!ウチの六の君はそんなに魅力ないの?!こういうとこが可愛げないんだよね薫は!)
って感じかしら。かといって、以前の蔵人少将みたいにあからさまに凹まれても困ると思うんだけど。まあ手前勝手な父親心ってやつね。
今夜匂宮さまがいらしたのは、宵をすこし過ぎた頃かな。寝殿の南の廂、東寄りに宮さまの御座所を用意して、高足の御膳二台に花足のお皿とかを洒落た感じに並べて「三日夜の餅」をお出ししたの。まあ、もう何度も出て来た風習だから特筆すべきこともないわね。
夕霧さまもお渡りになって、
「夜もだいぶ更けましたから」
と女房伝いに宮さまの出座を促されたんだけど、中々出ていらっしゃらない。こういうのはお約束でね、待ってましたみたいにすぐ出て行くのは無粋。まだまだ花嫁とラブラブしていたいから出たくないようって渋る様式美ってやつよ。事実まんざらでもない感じだしね。 他には北の方・雲居雁ちゃん腹の左衛門督、藤宰相のごきょうだいが控えてたかな。
再三の催促に満を持して出て来られた宮さま、これまた非の打ち所ないイケメンっぷりでね。ホスト役の頭中将さまが盃を捧げて御膳を勧めたのを皮切りに、次々に二杯、三杯とお酒注がれてた。仲良しの薫さまが特にガンガン勧めてきたものだから、宮さま苦笑いよ。
以前、この夕霧左大臣さまの婿になることを、
「堅苦しくて厄介だ、自分には合わない」
と仰ってたことを思い出されたんだろうね。薫さまの方は真面目くさった涼しいお顔で、淡々とお酒を注いでたわ。
宮さまは次に東の対へ移られて供人のおもてなしよ。殿上人クラスの良さげな人は軒並みいらしてたから、禄もすごい量。
四位六人は女装束に細長を添え、五位十人には三重襲の唐衣、こちらは裳の腰に身分によって違う柄がついてるのね。六位四人は綾の細長や袴かな。
夕霧さま、本当はもっと大々的にバーンとやりたかったらしいのね。ただ何かと制約があって無理だったから、せめて衣裳だけでもってことで、色合いやら仕立て様やらに超力入れてて豪華絢爛よ。
そういうわけで召次侍や舎人とかのいわゆる下人にまで、過分な禄がドッサリ贈られた。こういうド派手で華々しい催しって見てるだけでも楽しいし、物語なんかの題材にもなりそう。あまりに色々あり過ぎてとても全部は語れないわ。
さて私もそろそろお片付けしに回らなくちゃ。大変大変。
では、この辺で六条院よりお別れします。右近でした!
参考HP「源氏物語の世界」他
にほんブログ村
コメント
コメントを投稿