「トラップ」「侍タイムスリッパ―」
月初のお安い日だったので久しぶりにハシゴしましたー。
◥◣『#映画トラップ』本日公開◢◤
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) October 25, 2024
特別映像《全て罠編》解禁!
家族思いの父のもう一つの顔は…
サイコな切り裂き魔だった——
巨大ライブ会場
3万人の観客
300人の警察
1人のサイコキラー💥
【 逃げ場は……ゼロ。】#Mナイトシャマラン の集大成
予測不能の騙し合い開幕🎬
「トラップ」M・ナイト・シャマラン
Trap M. Night Shyamalan(2024米)
のっけからネタバレというか、ああそういう設定なのねとすぐにわかってしまう形ではあるけど、出来れば全く情報を入れないで観た方が面白いかな(つか、この公式ツイートで既にバラしておる)。個人的には、もう少しどっちかな?と思わせてほしかった。かなりネタバレしないと語れないところ大きいので、間あけます。観てから読むべし。脳内で色々ツッコミつつなんだかんだ楽しんだ二時間でした。
主演のジョシュ・ハートネットがすごい。どこからどうみても「娘とウキウキ仲良くライブに来てるパパ」にしか見えないので、始めのうちは
「この人がシリアルキラーと思わせて、その実トラップの一つを担う人なのでは?」
などと思ったりもした。ところがとあるエピソードで
「やっぱコイツやん!ヤバ!」
となり、それからはその笑顔が怖い怖い。娘に対しては良きパパを装いつつ、如何にしてライブ会場に張り巡らされた包囲網から逃げ出すかをひたすら考え、瞬時に隙を突き大胆な行動に出る。なるほどこういう感じだと、捕まえる側がなかなか尻尾を掴めなかったのもわからんでもない。
しかし、しかしだよ?この犯人に対し、FBIと警察があんまりにも無能すぎる。まず会場にあれほど物々しくあからさまに大量の警察官がいたら犯人絶対警戒するやろ。口の軽い物販業者のオジサンはともかく(そういう人はどこにでもいる)、作戦を見破られる(一目瞭然やがな)・スタッフになりすまされる・合言葉を破られるなどという想定を全くしてないってお前……ライブ会場全体がトラップ!と銘打った割には穴だらけ、つか当のミュージシャンに協力を求めてるなら密かに盗聴器なり居場所がわかる発信機なりつけんかーい。超人気ミュージシャンがファンに対して「普通ならそこまでしない」振舞いをした時点で、ん?と誰一人思わないというのも変よね。承知の上で囮として動いてるのかと途中まで思ってたよ。何にし監禁場所の特定から犯人確保まですべてを民間人の協力者任せって、FBIの切れ者設定とは。
でもシャマランの娘さんというサレカ・シャマラン(レディ・レイブン役)はビジュアルも歌も超人気スターのオーラむんむんでとても良かった。娘ライリー役のアリエル・ドノヒューちゃんも可愛かった。憧れのカリスマ歌姫を前にした十代女子そのまんま。
繰り返すが主役クーパーのキャラ造形がすごく秀逸。いつでもどこでも誰にでも息をするように嘘をつける彼が、ライブ中に娘の前でちょこちょこ「綻び」が出てしまうところがすごくリアルで上手い。鉄壁だった彼の二面性が、彼の言うところの「別々の世界が一つになるような」感覚に徐々に揺るがされる、という。だからライブ会場で捕獲する作戦自体は正解だったんだね。ラストシーンのあの笑顔はつまり「家族と平穏に暮らす優しい世界」からの決別と開放で、完全なる悪魔に変貌したってことなんだろうな。うむ。
思うに「頭脳戦」で勝負するにはこれじゃ足りないのよ。「デスノート」や「カイジ」、「ライアーゲーム」といった漫画やアニメや実写映画で鍛えられた日本のオタクを満足させるには。そうじゃなく、スタッフに紛れてシレっと出てくる監督(歌姫の叔父設定)とか、レディ・レイブンが勢いだけでクーパーのスマホを奪い取る「いや、間抜けすぎやろ」と言いたくなる意味でシンプルに意表をつくあの絵面、つまり臆面もない親バカっぷり、これよこれ求めてるのは。というわけで大変面白かったです。
★全国62館拡大上映決定!!!!★
— 『侍タイムスリッパー』【全国318館拡大上映決定】 (@samurai_movie) September 4, 2024
9/13(金)よりTOHO系MOVIX系含む全国の劇場で「侍タイムスリッパー」が上映されます!!
観に来ていただいたお客様、SNSで応援してくださった皆さんのおかげです。
夢のようです!!!!
本当にありがとうございました!
これからも応援よろしくお願いします!!!!!
未来映画社 pic.twitter.com/R7g58znyxa
「侍タイムスリッパ―」安田純一(2024)
こちらは例によってTwitter(x)で見かけて。監督はコメ農家との兼業、自主製作でありながら東映京都撮影所の特別協力によって制作、単館上映から口コミで広がって今やなんだかんだロングランになってるという異例づくめのインディーズ映画。ポスターも何気にイイよね。
例によってずっと前から観たいと思いつつ行きそびれているうちに、近所のシネコンの時間がレイトショーから日中にシフトしてた(ありがたや笑)。平日昼間にも関わらず結構な人出、パンフは売り切れ。そして会場内で時折聞こえる笑い声が、むかーしむかし一度だけ観た「寅さん」映画のそれだった。監督のインタビューによると「僕らが子供の頃に映画館で観ていたような映画にベンチマークを置く」「『男はつらいよ』シリーズが大好きで、この映画もいつか山田洋次監督に観てほしい」ということなので、必然の流れというやつなのだろう。
助監督のゆうこちゃんよろしく、私も祖母の観ていたテレビ時代劇を観て育った口なので、全編に流れる「特有の音楽と効果音」には笑った。微妙にカスりつつそのものではなく、それらしい雰囲気を醸し出すって血肉レベルに精通してないと無理よね。本当に好きなんだろうなあ。ストーリー展開もそんな感じ。こう来るやろ・キタ!という時代劇のお約束を踏まえつつも「タイムスリップ」という事象をうまく絡ませていい感じの意外性も出してる。殺陣の立ち回りも本格的でカッコいいし、ラスト近くの立ち合いも演技と思えぬ大迫力。オチも秀逸でした。時代劇なんも知らない若者でも楽しめると思うぞ。もっとヒットしてほしいな。時代劇って漫画やアニメや小説では大人気ジャンルだし、大河ドラマの毎年の盛り上がりっぷりからしても決してオワコンじゃないと思ってるんだけどどうかしら。応援しようず時代劇。平均的日本人にとっては先の「トラップ」よりコッチやで。いや勿論ハシゴしてもええねん。映画万歳!
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