竹河 ~楽屋にてリモートトーク~
~「竹河」右近ひとり語りはこれにて終了いたします。ご清聴、まことにありがとうございました。またのお越しをお待ち申し上げております~
【メンバー限定クローズモードON】
侍「右近ちゃん、おつかれさまー!面白かった!」
王「玉鬘ちゃんってほんっとに賢くって強い人ね。感動した」
少「ええ、生い立ちから存じ上げている私たちには感慨深いですわね。単なるメデタシメデタシじゃない、その先の悲喜こもごも……ほろ苦い人生の悲哀まで滲んだラストにはぐっと来ましたわ……いやだ、また涙が」
右「ありがとうね、皆さんにそう言ってもらえると語り部冥利に尽きるわ。『夕顔』からこっち、ここまで来るとは夢にも思ってなかった。私も感慨深い!」
侍「すべては京の場末でひっそり可憐に咲くあの夕顔の花から始まった……!って胸熱だよね!しかもラスト辺りじゃ玉鬘ちゃん五十オーバーだっていうのに、余裕で冷泉院を惹きつけちゃう、若い薫くんまでドキドキさせちゃう美魔女っぷり!ステキすぎるう」
王「そうね、見習いたいものだわ。しかしアレね、冷泉院は六条院と同じようにはいかなかったのね。秋好中宮さまにしても弘徽殿女御さまにしても決して悪い方じゃないし、大君ちゃんだって威張り散らしたりフフンてしたりするような子じゃなさそうなのに」
右「第一に悪いのは冷泉院ね。昔からのお后さまがたは常に優先の上細心の注意を払って取り扱わないと、そりゃ拗れるわ。若妻が男女二人産んでくれて嬉しいのはわかるけど、平安時代なんだから身分や年功の序列ってものがあるしさ。力関係のバランスを崩しちゃまずい。その辺お祖父さまの桐壺帝と同じく、のめり込み過ぎてヘタ打ったってやつね」
侍「おっとー隠す気なし発言また来た!桐壺帝はお父様じゃなかったっけ公式には☆」
右「いっけなーい☆クローズだからって油断しちゃダメね!まあでも、聞かれたところで誰だっけってかんじよお若い方には」
少「どちらにせよ親族には違いありませんものね(ニッコリ)その点、ヒカルさまは何だかんだ紫上を立ててはいらっしゃいましたね。女三の宮さまの件は酷かったにしろ、紫上もギリギリで堪えてヒカルさまの愛情と信頼に応える形で、うまく切り回していらした。冷泉院さまも、秋好中宮さまも弘徽殿女御さまも立派な方ですけれど、ただあの御所には紫上という存在がいらっしゃらなかった。ただその一点のみの違いだと思います。やはり稀有な方でしたわ……(涙を拭う)」
侍「うん、紫ちゃんは唯一無二!なんせヒカル王子が終生ベタボレだったただ一人の女だもん!うわーん王子にも会いたーい!(号泣)」
王「まあまあ、この後は王子の子孫の恋バナだし。あっ薫くんは違うけど」
侍「みんな隠す気まるでなしー!」
右「玉鬘ちゃんも言ってたけど、若者たちのお呑気っぷりが半端ないわね。さすが生まれ落ちるから何の不自由も無いボンボンだけあるわ。ヒカル王子だってそうだったんだけど、後の波乱万丈がスゴイしまず大后さまっていう天敵がいらしたからね。頑張ってたなーって思うわ」
王「出たわね、今時の若者はっていう婆仕草(笑)でも私も同意。正直、自分でしっかり決めて進むヒカル王子みたいなのが珍しいんであって、リアルはこっちなのよね。紫式部さんも初めより年を取られた分、ガッツリ現実に寄せてきてる節がある」
少「身につまされますけれど、私はこういう流れも好きですわ。人気シリーズって凄いですわね」
右「リアルタイムで読んでた人なんかは、ああーこれってあの家のあの人の話よね!わかるうーってなってたかもね。フェイク山盛り入れてるんだろうけどさ……って元からフィクションだったわ」
王「ともあれ、ここからが本番ね。紫式部さんの油の乗り切ったストーリーテラーぶりがいかんなく発揮される宇治十帖。相当のイケズが炸裂するわね、間違いなく」
侍「ハイ、皆さんご一緒に♪」
嵐の予感。
参考HP「源氏物語の世界」他
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