知っているけど知らない街で


 夢の中でよく見る風景というのがある。実際には現実で観たものの組み合わせなんだろうけど、何となく決まったパターンがあって面白い。この夢もそのひとつ。


 自転車で良く知らない街を回る。

 坂が多いので効率よく回らないと大変そうだ。行き先を決めずにとりあえず走り出す。

 正面に、見覚えのある山が見えた。木や草のないのっぺりした岩山で、登山口がスキーのゲレンデのように広い。あそこは行かなくてもいいなと思い、ふと左側を見ると、とても立派な寺が建っていた。大きな建物で、細工が精緻で色鮮やかだった。見学できそうだと思い門の中に入る。二人の僧がしゃがんで何か作業をしている隣を通り過ぎたが、此方を見ようともしない。何も言われないのでいいのだろうと建物の中に入った。

 よく磨かれた廊下の右側が本堂で、少し高くなっている。見学中の中学生らしき集団が奥でガイドに説明を受けていた。けっこう広いが、殆ど何も置いてない。

 左側は中庭になっていて、透ける生地の、暖簾のような細長い白布がいくつも風にはためいている。寺の人が

「天候のいいときはここで食べられるんですよ。これがその模型です」

 といって、丸い大きな盆の上にパラパラっとおにぎりのような丸いものを沢山出した。勢い余って二つ三つ盆から転げ出る。拾ったが、あまり美味しそうには見えなかった。

 寺を出て坂道を上る。坂の上には大学らしき建物がある。まだ新しい、ガラス張りでモダンな感じ。カラフルな張り紙が沢山はってあるが、整然としている。ただ、部外者は入れないようだ。外からでも、若者たちが楽しそうに活動している様子がうかがえる。良さそうな学校だと思った。

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