例によって子のお勧め本。一時間でいけると言われたが流石にそこまでは。でもすぐに読めた。ネタバレはまずい系なので梗概は書かない。
「AX アックス」伊坂幸太郎
殺し屋シリーズの一つらしいが、特に繋がっているわけではない。単体で読んでも全然おk。「最強の殺し屋は---恐妻家」という本作、その触れ込み通り、表の顔は何故そこまで……というくらい妻に気を遣いまくる、怒ったところを見たことのない、自己主張も殆どしない、大人しい量産型サラリーマンが主人公。息子にはその気の遣いようが大概バレていて、さり気なくフォローして貰っている。非情なまでの凄腕殺し屋とは程遠い日常を過している。
いくつものエピソードが重なりつつ怒涛の伏線回収ラストへと繋がっていくのだが、特に前半はバカバカしくも淡々としていて、のほほんとしたホームドラマのような雰囲気。しかしその裏で一片の躊躇いもなくターゲットの命を奪うし、後片付けも手慣れたもの。何ものほほんとしてない。非日常が日常に一体化してるような妙な感じ。普通なら「山場」として盛り上げるところをサラリと一行で済ませたりするのは、元々の特徴かもしれないが。
このどこまでもクールで乾いた感じが受け付けないか、癖になるか、人それぞれだと思うが私はけっこう好きだ。
こちらも子のお勧め漫画。って受験生なのに大丈夫なんか。大して時間は取られないだろうけど。
「魔女をまもる」槇えびし
本人のツイッターより:
「魔女狩りが横行する16世紀の時代に、医療によって魔女を救おうとした歴史上の人物、”
作者さんの詳しいプロフィールはどこにも載っていない。ただこの絵、何処かで見たことがあるぞ……と思ったら「天地明察」のコミカライズ!更に今旬の「渋沢栄一伝 小前亮」の挿絵も担当しておられる。おお、こっちも読みたいぞ。
「魔女」なんかいない、必ず何か理由があるはず、と考える医師が、今で言う更年期障害、認知症、精神性疾患などの「病気」を解き明かしていく、ここら辺の思考は「応天の門」での菅原道真のそれとソックリ!(最近電子で大人買いした)やたら揉め事や怪異を持ち込んで来る在原業平に対し「物の怪だの呪いだのあるわけないでしょ」とバッサリ斬って捨てるのだが、持ち前の探求心の強さを逆手に取られて巻き込まれてしまうという展開。こちらの漫画も好きすぎて困る。あれだけ唐の国に憧れてる道真が何処でどうなって遣唐使廃止を決めて実行するのか、早く見たいようなまだまだ続けてほしいような。
……話がズレた。
この作品を書いたきっかけが、精神疾患についての本を読んだことっていうのも痺れる。何よりおおっと唸ったのは「魔女は伝染する」という下り。思い込みが伝播し、尾ひれがつき、さらなる不安を呼び、膨れ上がりながら広がっていくさまはかなり怖い。今のSNSでもよく見るパターンだよね。面白くて一気読みしてしまった。
絵ももちろん、言うまでもなく素晴らしい。ウチではどことなく岩本ナオさんみもあるか?と言っていたが、そこは描いてる世界が似てるだけかもしれない。
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