めっきり寒くなりました。
1968年初出(週刊プレイボーイ)←!
本屋で見かけて衝動買い。元々三島さんは数年に一度買うことにしてる。作品が限られているので勿体ない気がして。こちらのタイトルで検索すると、ラジオやらドラマやら舞台やら、けっこう使われている。一言で書くと、急に死にたくなった男が自分の命を売りに出すが、買いに来たはずの客が次々死んでいき自分は生き残る、といった話。とにかくゆるい。ちくま文庫のこれについてた帯に「一気読み」とあるけど、私は一気読みできなかった、緩すぎて。気が向いた時に読んで、「相変わらずこの人バカなことやってんなあ。どうせ死なないでしょまた。ほらね」と1エピソードずつ楽しむのが私には合ってた。ラストも、別に衝撃でも何でもなくて、予想を遙かに超える緩さで感動した。とにかく緩い時間を過ごしたい人にお勧めだが別に癒されはしない。
よく子供には、三島さんは本当に色々なジャンルのものを書いているから、一回無理してでもちょい難解なのを読破して、それから「レター教室」とか「音楽」とか読んだらより味わい深いぞと言っている。あんなの書く人がこんなしょうもない(褒め言葉)小説も書くんだ(笑)と、三島の奥深さを堪能できる。でも皆「金閣寺」で潰えてしまうんだよなあ。
田口俊樹(訳) 小学館文庫(2020)
”Silvervägen” Stina Jackson
装丁がパッと見S・キングのような、名前もシャーリー・ジャクスンとかすってるような、そんな感じでこちらも衝動買い。2019年ガラスの鍵受賞(賞名もカッコいい)。北欧ミステリーの最高賞なんですって。さらにスウェーデンのブックオブザイヤーにも選ばれてる。これがデビュー作って驚き。それと邦題、とてもいい。タイトル買いしたといっても過言ではない。内容もまさにその通り。
さて、こちらも梗概は書かない。割とギリギリまでどうなるかわからず展開していくので、何も知らない方がいい。ただただ辛い話ではある。事件の犯人を追うミステリーの体ではあるけれど、犯罪被害者の家族がいったいどのような傷を負うか、どういう日常を過すことになるか、丁寧に、容赦なく描かれている。そこにスウェーデンの圧倒的な自然が相まって、ひりつく感じが伝わって来る。大きなテーマとしては「家族」「共同体」なんだけれども、すべてに一種の禍々しさがあって、これはスウェーデン版横溝正史なのかもしれないと思ってしまった。
ラスト周辺でちょっと食い足りない部分はあるものの、凄い処女作です。
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