「三島屋変調百物語」

 四、五と読んで、三読んで、一、二を読みました。九月の四連休で一気に。


「三島屋変調百物語事始・事続・参之続・四之続・伍之続」宮部みゆき

長く続いているシリーズなので、専用サイトがあります。「三島屋変調百物語」人物相関図などあって便利♪

途中から読み出したのは特に意味はなく、何となくなんですが、まったく何の支障もなかったばかりか、むしろ先に読んだところが逆伏線になって、遡った巻で行きあうのもちょっと楽しみだったりしました。話的には、

「物語の聞き手であるおちかちゃんの再生物語」

であり「伍」に至りおちかちゃんは聞き手を「卒業」します(このくらいはネタバレしてもいいだろう)。

おちかちゃんは川崎の旅籠の娘ですが、わけあって江戸の三島屋の叔父夫婦の元に身を寄せています。その「わけ」は相当ハードなトラウマ体験。その深い傷をいやす薬が「誰かが語る物語を聞く」ことである、といった趣向です。

基本的には、三島屋の「黒白の間」に来た語り手の話をおちかが聞く、というシンプルな形。内容はそれこそ色々で、化け物話やら幽霊話やら、因縁話、現在進行形の揉め事などなど多岐にわたっていますが、必ずこの「黒白の間」から始まり「黒白の間」で終わるので、どんなに酷い話でも怖い話でも、読んでいる此方はとてつもない安心感・安定感があります。聞き手のおちかちゃんがこれまた品よく可愛らしくきりっとしているので、読んでいても気持ちいい。語り手の感じる心地よさを共通体験している感じもあり、またおちかちゃんと一緒にハラハラドキドキしながら「聞いている」感じもあり、幾重にも層のある物語世界を楽しめる、まさにライフワークという名にふさわしいシリーズだと思います。

 ネタバレしても仕方ないのでこれ以上内容について多くは語りませんが、何処から読んでも大丈夫!という太鼓判は押します。私のお気に入りは

「1」凶宅:家系ホラー、同じ巻に続きもアリ。好き!

「2」逃げ水:カワイイ!アニメ化して!

   暗獣(あんじゅう):カワイイ!切ない!

   吼える仏:スティーブンキングとシャーリー・ジャクスンの薫り

「3」くりから御殿:切ない……(東日本大震災の後に書かれています)

   泣き童子:怖すぎヤバイ

   まぐる笛:獣の奏者、カコイイ

「4」「5」に関しては別に書いたので、端折ります。

 秋の夜長に読むにはピッタリでございます、おススメ。

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