「若おかみは小学生!」高坂希太郎(2018)
子が買っていた青い鳥文庫のシリーズは最初から最後まで読んだ。可愛らしいイラストとテンポの良い展開、それぞれ個性的でこちらも可愛いキャラたち、当時小学生の子はもちろんのこと大人が読んでも十分面白いし楽しい、構成のしっかりした作品だった。
普通に考えて、小学生に旅館のおかみをやらせるなんてことはあり得ないんだけれども、そのあり得なさを上手にリアルな要素に絡ませて、フィクションの世界の中できっちり辻褄が合うようによく練られていたと思う。幽霊や妖怪の類も沢山出て来るし、基本類型的なキャラ立てと話の展開なのだが、途中で子供だましにガックリとか白けるとかいうことは皆無だった。そう、「子供だまし」じゃないこと、これが結構児童向け作品では重要なのだ。大人が上から目線で「これが受けるだろう」と邪念むんむんで中途半端に媚びた感じ、子供は大人以上にすぐ見抜くもの。
というわけで元々の作品の出来が良いので、あれ、今更映画化?と少々違和感を覚えないでも無かった。しかしSNSで徐々に評価が上がっていき、とにかく観て!という意見をあの短い上映期間のわりに少なくない数を目にしながら、例によって見逃したのはまことに痛恨……。
たしかに、たしかにこれは観るべき映画だった。シリーズ全体で構築された世界が、まんま凝縮され映像化されている。いやむしろ、さらに精緻に美しく補完されて。あの世界の中には、確かにこういう「おっこの物語」が存在していると、改めて気づかされたし、その上で隅から隅まで堪能できた。特にあの窓、ガラスの質感の拘りは必見。日本家屋の表現はジブリを超えてるかもしれない。比較するものではなく別のすごい表現、という意味で。と思ったら、高坂さんて「風立ちぬ」の作画監督か!当然の帰結だった。
原作ファンなら観るべし。そうじゃなくても観るべし。そして青い鳥文庫の原作を読もう。(テレビアニメの方は観てないのよね…そっちも再放送してくれないかしら)
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