「屍者の帝国」円城塔
故・伊藤計劃さんの盟友・円城塔氏が、遺された冒頭30枚の後を継いで完成させたという作品。世界と人物の設定は本人のものかな。何にせよ、友人としても作家としても、中々にキツイ仕事であったには違いない。よくぞ書きあげられたと思う。
【60字梗概】
英国諜報部員が、屍者暴走の原因を各国で探るうちに原初の屍者に辿り着き、失われた共通言語をその身に埋め込む。
…無理やり書いてみたが、全然ダメでした(泣)。これじゃさっぱりわかりませんわよね…元々このブログでの「読書」カテゴリはレビューというより自分自身の備忘録として書いているのですが、さすがにこれでは何年か経ったらどういう話だったのかわかんないだろうなあ。
大きなテーマとしては「言葉」だと思う。言葉がいつ生まれたのか、なぜこれだけ分かれてしまったのか、言葉によって何が可能なのか、可能でないのか、およそ考えられ得る限りの「言葉」への問いがあり、それに対する一定の答えがある。決して唯一無二の真理というものではないにしろ、円城さんの、そして伊藤さんの言葉への向き合い方の片鱗を見せてもらったような気がしている。
物語前半部分は、伊藤さんの世界から円城さんのそれへの再構築といった趣で、作品に入り込むのにやや時間がかかった。中盤以降はもう完全に円城さんの世界で、そこに伊藤さんの造形した人物が動き回っている。伊藤さんが「ハーモニー」の後で言った「次は戦争を書きます」という言葉は実現されていないけれど、それはそれでいいのだと思う。この短い、たった文庫本一冊に収まる小説に、おそらく百ではきかない創作物が一杯に詰め込まれている。私が連想したのはスティーブン・キング「ダークタワー」と「エヴァンゲリオン」だったけど、各自の読書経験により何に焦点が当たるか、何が印象に残るか、それぞれ如実に変わってくるだろう。「薔薇の名前」の読後の爽快感、達成感にも似ている。
本当に大変だったと思う。言葉に尽くせない辛さや迷いや悩みもあっただろうに、書ききった円城さんには感謝と敬意しかない。隅から隅まで小説世界を堪能いたしました。
ただ、やはり伊藤計劃さんにはもっと生きて、もっと書いてほしかったなあ。このコロナ禍も彼ならどう見たかどう感じたか、読んでみたかった。あらためて、合掌。
故・伊藤計劃さんの盟友・円城塔氏が、遺された冒頭30枚の後を継いで完成させたという作品。世界と人物の設定は本人のものかな。何にせよ、友人としても作家としても、中々にキツイ仕事であったには違いない。よくぞ書きあげられたと思う。
【60字梗概】
英国諜報部員が、屍者暴走の原因を各国で探るうちに原初の屍者に辿り着き、失われた共通言語をその身に埋め込む。
…無理やり書いてみたが、全然ダメでした(泣)。これじゃさっぱりわかりませんわよね…元々このブログでの「読書」カテゴリはレビューというより自分自身の備忘録として書いているのですが、さすがにこれでは何年か経ったらどういう話だったのかわかんないだろうなあ。
大きなテーマとしては「言葉」だと思う。言葉がいつ生まれたのか、なぜこれだけ分かれてしまったのか、言葉によって何が可能なのか、可能でないのか、およそ考えられ得る限りの「言葉」への問いがあり、それに対する一定の答えがある。決して唯一無二の真理というものではないにしろ、円城さんの、そして伊藤さんの言葉への向き合い方の片鱗を見せてもらったような気がしている。
物語前半部分は、伊藤さんの世界から円城さんのそれへの再構築といった趣で、作品に入り込むのにやや時間がかかった。中盤以降はもう完全に円城さんの世界で、そこに伊藤さんの造形した人物が動き回っている。伊藤さんが「ハーモニー」の後で言った「次は戦争を書きます」という言葉は実現されていないけれど、それはそれでいいのだと思う。この短い、たった文庫本一冊に収まる小説に、おそらく百ではきかない創作物が一杯に詰め込まれている。私が連想したのはスティーブン・キング「ダークタワー」と「エヴァンゲリオン」だったけど、各自の読書経験により何に焦点が当たるか、何が印象に残るか、それぞれ如実に変わってくるだろう。「薔薇の名前」の読後の爽快感、達成感にも似ている。
本当に大変だったと思う。言葉に尽くせない辛さや迷いや悩みもあっただろうに、書ききった円城さんには感謝と敬意しかない。隅から隅まで小説世界を堪能いたしました。
ただ、やはり伊藤計劃さんにはもっと生きて、もっと書いてほしかったなあ。このコロナ禍も彼ならどう見たかどう感じたか、読んでみたかった。あらためて、合掌。
0 件のコメント:
コメントを投稿