「この世の春 上中下巻」宮部みゆき
以下いきなりネタバレなので区切る。
【60字梗概】
特殊能力を持つ一族の末裔である女が、蟄居する元藩主に仕えるうち周囲の人と共に真相を解明、回復した元藩主と結婚する。
何がいいって、どうしようもなく悲惨な運命と因縁がありながらも、ご都合主義ではなく、必然的に自然に次々と繋がって、絡み合った謎がほどけていくその感じがたまらない。そして最後は怒涛の大団円!上中下三冊を夢中になって読みきってしまった。
オカルトな理由を医師がまず全否定して、現代の精神医学にも通じるような冷静で科学的な見たてをする。それでも最初は治療どころではなかった。その前の段階、固く閉じた心をほどく人間が必要だった。それが多紀だ。この多紀のキャラが物凄く良いのだ。武家の娘らしく気丈で、頭の回転が速く、手仕事も厭わない働き者。このバランスの良さ、正義感のつよさ優しさ、宮部さん自身が色濃く出ていると思う(本人知らないけど決めつけ)。
ミタマクリ(=御霊繰、拝み屋のようなもの)の家から幼くして武家の養女になった多紀は、もちろん元の家の生業は何も知らない。しかし見事に元藩主・重興の心を開く。完全な上流ではないがかといって下賤でもない、精神疾患のある重興にとって距離感が最適だったのと、多紀自身が抱えるトラウマをも互いに共感をおぼえるポイントとなった。とにかく細部まで非常によく練られている。登場人物もそれぞれに魅力的で応援したくなる。悪役は一切の曇りないまごうかたない悪で、超絶手ごわい、というのがまたいい。それでこそ闘い甲斐もあるし、因果応報のカタルシスも大きいというものよ。
時代物なのに現代のミステリー&活劇を読んだ気分だ。時代物も一種のファンタジーだと考えれば、初めて宮部さんの「ハッピーエンドのファンタジー長篇」を読んだような気がする。傑作です。
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【60字梗概】
特殊能力を持つ一族の末裔である女が、蟄居する元藩主に仕えるうち周囲の人と共に真相を解明、回復した元藩主と結婚する。
何がいいって、どうしようもなく悲惨な運命と因縁がありながらも、ご都合主義ではなく、必然的に自然に次々と繋がって、絡み合った謎がほどけていくその感じがたまらない。そして最後は怒涛の大団円!上中下三冊を夢中になって読みきってしまった。
オカルトな理由を医師がまず全否定して、現代の精神医学にも通じるような冷静で科学的な見たてをする。それでも最初は治療どころではなかった。その前の段階、固く閉じた心をほどく人間が必要だった。それが多紀だ。この多紀のキャラが物凄く良いのだ。武家の娘らしく気丈で、頭の回転が速く、手仕事も厭わない働き者。このバランスの良さ、正義感のつよさ優しさ、宮部さん自身が色濃く出ていると思う(本人知らないけど決めつけ)。
ミタマクリ(=御霊繰、拝み屋のようなもの)の家から幼くして武家の養女になった多紀は、もちろん元の家の生業は何も知らない。しかし見事に元藩主・重興の心を開く。完全な上流ではないがかといって下賤でもない、精神疾患のある重興にとって距離感が最適だったのと、多紀自身が抱えるトラウマをも互いに共感をおぼえるポイントとなった。とにかく細部まで非常によく練られている。登場人物もそれぞれに魅力的で応援したくなる。悪役は一切の曇りないまごうかたない悪で、超絶手ごわい、というのがまたいい。それでこそ闘い甲斐もあるし、因果応報のカタルシスも大きいというものよ。
時代物なのに現代のミステリー&活劇を読んだ気分だ。時代物も一種のファンタジーだと考えれば、初めて宮部さんの「ハッピーエンドのファンタジー長篇」を読んだような気がする。傑作です。
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