其の一、と書いたものの実家でのお正月で飲んで食べてウエーイだったので続きが書けず。まあ、まだ鏡割りまでは。
「シャーリー」森薫
森さんのメイド物というと「エマ」が有名で、誰もが認める名作ですが、実は借りて読んだだけで持っていない。こちらはエマさんよりもっと年齢が下、13歳のメイドさんのお話。とにかくメイドのシャーリーが可愛い。可愛いオブ可愛い。時代を感じさせるメイド服がただでさえ可愛いというのに、初めてその姿になったシャーリーが嬉しくてくるくる回ったり、スカートびろーんって広げたり、それがまんまジブリの女の子キャラのアレ。森さんは時々ご自身の嗜好全開の回があって、大変眼福なのですが、この作品は短い分最初から最後まで全開なのではと思います。
と書いて、解説の所を読み直してみたらやっぱり「魔女の宅急便」でスイッチが入ったとある。やはりか。キキのスカートふわっ&くるりんいいよね。
と、まるでそればかりかのように書いてしまったが、勿論お話も良い。妙齢の女主人との関係性も、ちょっとした会話も、何もかも良い。
「乙嫁語り」同じく森薫さんの今も続いている漫画。19世紀後半の中央アジア遊牧民の、様々な「乙女なお嫁さん」たちの日常を描く。今の感覚からすると一見男尊女卑だが、便利な道具が沢山ある現代とはちがい何をやるにも時間と手間がかかる時代、単に役割分担をしているだけと言う風にも見える。
森さんの作品はどれもこれも、確固とした画力あっての物。描きたいものがあってそれをイメージ通り描くためにさらに画力が上がるといった趣。まさに画力の適性遣い。これはかなり羨ましい。
「フラワー・フェスティバル」よしながふみ
よしながさんの漫画をはじめて読んだのは「大奥」だが、何と言っても素晴らしいのは会話の自然さ。そして言葉遣いがかなりキレイ。お上品な、というだけじゃなく、何か滑舌の良い感じがするのだ。おそらくそのまま音読しても読みやすいんじゃないかな。ドラマ化や映画化されるのもわかる。
で、この作品は大病したけど寛解期にある高校生が主人公だが、何しろ会話が楽しい。何てことないことに大笑いできたあの頃を思い出します。そしてこちらもやはり相当な画力。微妙な年齢差であってもきちんと描き分けているのは凄い。「大奥」でも「きのう何食べた?」でも皆きちんと年を取るのよね。
「彩りのころ」津雲むつみ
もう故人になられたが、一時期好きで結構持っていた。最初に読んだのがこれ。ドラマ化もされたけどタイトルが「このこ誰の子?」って…そりゃないわーと思いつつ観てたけど、中身もぜんぜん別物だった。
普通の女子高生が彼氏の義弟にレイプされて妊娠、出産するという中々ハードな話だが、主人公の女の子とその彼氏、加害者の男、周囲の家族や関わる人々の心の機微が物凄く丁寧に描かれている。いや普通こんなにうまくいかんだろ、というくらい良い人揃いで救われる話なのだが、それは主人公とその彼氏のピュアさが徹底してブレないからだと思う。むしろ主人公よりこの彼氏が超出来た男。凄い奴だと大人になった今でも思う。
津雲さんの長篇は他に「風と共に去りぬ」のコミカライズ、「遙かなる海へ」を読んだがどちらも良い。特に「風と共に」では、ラストでレットがスカーレットの元を去る理由がこれでよく理解できた。いつか原作を読みたいと思いつつまだ果たしていない。
あと短編で忘れられないのが「いってしまった夏」。これも高校生で、どうしても彼氏と行為する踏ん切りがつかなかった結果、浮気されてしまい破局する話…と言うと物凄く下世話に聞こえるが、主人公は本当にピュアで誠実な子で、それ故に極めて残酷になり得るということを思い知る、中々の人間ドラマなのだ。で、この話を「じゃあ受け入れてたらどうなるか?」とやったのが「遙かなる海へ」の冒頭のエピソード。続けて読むと面白いと思う。
「洗礼」梅図かずお
うちの子たちのトラウマになった漫画(笑)。頭パッカンのシーンがヤバすぎて夢にまで見た、というわりには何回も読んでる。
大人からみると、何と言っても秀逸なのはさくらのサイコパスっぷりだろう。大人の殻をかぶった少女の残酷性と片づけるには余りにも余りな所業の数々がこれでもかと描かれる。驚くべきことにこれ、連載してたのが少女コミックっていう。グロはもちろんかなりエロが入った場面もあったと思うんだが、絵面が全く色っぽくなくひたすら暗くて不気味だったので問題にならなかったのかしら。してみると昔の少女漫画界は余程多様で自由だったのではないかと思ったりする。
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