「楽園のカンヴァス」

 
「楽園のカンヴァス」原田マハ

【不定期】うちのJKの手持ち本シリーズ。ブックカフェでおススメされたらしいが、本人からも強力おススメされた。
 アンリ・ルソーを巡るお話。






【60字梗概】
アンリルソーを愛する男女が持ち主の意向で幻の作品の権利を競い、男が勝って権利を持ち主の娘に譲る。数十年後ルソー展を巡り男女は邂逅を果たす。

 梗概が難しい…もっとシンプルに出来そうで出来ない。要するに、アンリ・ルソーを愛する二人の男女の、数十年越しの愛の物語。二人は呼ばれた邸で、七日間にわたりルソーに関する物語を体験する。共通の作家に傾倒し、共通の得難い体験をし、お互いに納得のいく結論に辿り着く。これでお互い惚れない方がおかしいが、その時は色々あって結ばれないのだ。
 全体としてミステリー仕立てになっていて、謎解き風に物語が進んでいくのが楽しい。七日間というのがまた程よい感じ。考えてみれば荒唐無稽な内容なのだが、構造が盤石な上に細部までしっかり組み立ててあるので最後まで白けることなく作品世界を楽しめる。それにしてもアンリ・ルソーが存命中評価されなかったというのは知っていたが「日曜画家」とまで酷評されていたとは。いや、画力あるやろ相当。拘りの色使いと細緻な線は一種の狂気もはらんでるし、趣味で描いてるだけの人の作品とは明らかに一線を画してる。芸術品の一般的な評価なんて本当に当てにならないものだ。
 個人的に、誰よりも名画に向かい合い続けているのは美術館の監視員だという言葉にぐっときた。一介の監視員が実はかつて美術界にその名をはせた研究者で、いきなり名指しでMOMAに呼ばれるって超絶カッコええシチュエーション。憧れる。 にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
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