「シャイニング」スタンリー・キューブリック
Shining Stanley Kubrick(1980米)
「スティーヴンキングのシャイニング」ミック・ギャリス
Stephen King's Shining Mick Garris(1997米)
キング版のシャイニング(三枚組DVD)を衝動買いしたら、なんとテレビでもキューブリック版をやってた!というわけで「ドクタースリープ」が近日公開というタイミングではからずも両方観ることができたという奇跡。しかもDVDには特典音声もついてて、これがキングや監督、キャスト、スタッフの肉声で微に入り細に入り実況解説してくれる神仕様。もうこれは運命だわね。長年のファン冥利に尽きるというものよ。
さて、わかってはいたことだがこの二つは全くの別物。キューブリックの方は、まごうかたなくキューブリックの世界でありキング色は薄い。というより改めて観てみると殆ど無いのではと思った。唯一両者の意見が合ったであろうところは「幽霊たち」のパーティー場面(キング自身が非常に褒めていた)。根本的に考え方が違うのだ。以下ネタバレなので区切る。
【60字梗概】
キューブリック版:
山上のホテルの冬季管理人になった男が精神に異常を来し幻覚と強迫観念に苛まれ妻子を殺そうとするが逃げられて凍死する
キング版:
山上のホテルの冬季管理人になった男が息子の超能力を狙うホテルの悪霊に取りつかれ妻子を襲うが我に返りホテルと共に自爆する
わかりやすい。前者は「かがやき」ほぼ関係なし。単に人並外れて勘の強い息子が、これから起こることを予知したというだけ。逃げおおせたのも単なる彼の機転。大体もう一人のかがやきの持ち主であるハローランはあっさりしんじゃうし、何やねんという感じだ。でもまあ「精神に異常を来した」成人男性相手に丸腰で向かったら現実はこんなもんだろう。
例の特典音声で知ったのだが、キューブリックは全く幽霊というものを信じていないそうな。死んだら全部終わりで何も残らないと考えているんだと。で、人間の本質は暴力だと考えていると。なるほど、それならこういう映画になるのも頷ける。キング曰く「小説を映画化するのはホテルからタオルを盗み出すようなものだ」「つまり、うまく盗め」。ただ映像はとても美しいし、ジャック・ニコルソンの演技は素晴らしいし、ヤバさでいえば夫を上回るかもしれないウェンディ役シェリー・デュバルも素晴らしい。キューブリック映画が好きな向きには十分楽しめるし名作といっていいと思う。
だがキングファンの私としては、やはり後者を推したい。あの超絶長い前ふりがほぼそのまま、しっかり再現されてることがまず嬉しい。三枚組DVDの一枚が丸ごとそれで、幽霊も明確な怪奇現象も一切現れないのにじわじわ怖い。これだけで相当満足なのに、二枚目からの怖さといったら!もう私は怖がることはできないのかと思っていたが、やっぱり怖かった!嬉しい!
そして何より、「かがやき」があくまで主軸なのも良かった。そうそうこれこれ!単なる予知じゃないのよ。はっきり「力」なのよ。だからこそ最後に父が自分を取り戻せる。
「ドクター・スリープ」はもう封切されているけど(11/30現在)、あれを観て面白いと思った人が一人でも多く「キング版シャイニング」を観てくれるといいなあ。あっ原作も読もう、是非読もう。
私も観に行く予定!

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「スティーヴンキングのシャイニング」ミック・ギャリス
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キング版のシャイニング(三枚組DVD)を衝動買いしたら、なんとテレビでもキューブリック版をやってた!というわけで「ドクタースリープ」が近日公開というタイミングではからずも両方観ることができたという奇跡。しかもDVDには特典音声もついてて、これがキングや監督、キャスト、スタッフの肉声で微に入り細に入り実況解説してくれる神仕様。もうこれは運命だわね。長年のファン冥利に尽きるというものよ。
さて、わかってはいたことだがこの二つは全くの別物。キューブリックの方は、まごうかたなくキューブリックの世界でありキング色は薄い。というより改めて観てみると殆ど無いのではと思った。唯一両者の意見が合ったであろうところは「幽霊たち」のパーティー場面(キング自身が非常に褒めていた)。根本的に考え方が違うのだ。以下ネタバレなので区切る。
【60字梗概】
キューブリック版:
山上のホテルの冬季管理人になった男が精神に異常を来し幻覚と強迫観念に苛まれ妻子を殺そうとするが逃げられて凍死する
キング版:
山上のホテルの冬季管理人になった男が息子の超能力を狙うホテルの悪霊に取りつかれ妻子を襲うが我に返りホテルと共に自爆する
わかりやすい。前者は「かがやき」ほぼ関係なし。単に人並外れて勘の強い息子が、これから起こることを予知したというだけ。逃げおおせたのも単なる彼の機転。大体もう一人のかがやきの持ち主であるハローランはあっさりしんじゃうし、何やねんという感じだ。でもまあ「精神に異常を来した」成人男性相手に丸腰で向かったら現実はこんなもんだろう。
例の特典音声で知ったのだが、キューブリックは全く幽霊というものを信じていないそうな。死んだら全部終わりで何も残らないと考えているんだと。で、人間の本質は暴力だと考えていると。なるほど、それならこういう映画になるのも頷ける。キング曰く「小説を映画化するのはホテルからタオルを盗み出すようなものだ」「つまり、うまく盗め」。ただ映像はとても美しいし、ジャック・ニコルソンの演技は素晴らしいし、ヤバさでいえば夫を上回るかもしれないウェンディ役シェリー・デュバルも素晴らしい。キューブリック映画が好きな向きには十分楽しめるし名作といっていいと思う。
だがキングファンの私としては、やはり後者を推したい。あの超絶長い前ふりがほぼそのまま、しっかり再現されてることがまず嬉しい。三枚組DVDの一枚が丸ごとそれで、幽霊も明確な怪奇現象も一切現れないのにじわじわ怖い。これだけで相当満足なのに、二枚目からの怖さといったら!もう私は怖がることはできないのかと思っていたが、やっぱり怖かった!嬉しい!
そして何より、「かがやき」があくまで主軸なのも良かった。そうそうこれこれ!単なる予知じゃないのよ。はっきり「力」なのよ。だからこそ最後に父が自分を取り戻せる。
「ドクター・スリープ」はもう封切されているけど(11/30現在)、あれを観て面白いと思った人が一人でも多く「キング版シャイニング」を観てくれるといいなあ。あっ原作も読もう、是非読もう。
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