ミュージシャンの生涯をテーマにした映画がこのところぐっと増えてきているような。エルトン・ジョンも、私の音楽原体験のひとり。スティーブン・キングの小説にもチラホラ出て来る。
「ロケットマン」デクスター・フレッチャー
Rocketman Dexter Fletcher(2019英米)
【ネタバレあり注意】
子供の頃よく聴いていた初期の大ヒット曲がふんだんに出てきて、それだけでとても嬉しい。二匹目のドジョウを狙ったわね☆とは思っていたけど、「ボヘミアン」は途中降板したブライアン監督が殆ど作っていて、デクスターは仕上げだけだったらしい。
ただ、やはり並々ならぬリスペクトは感じられるし、曲の入るタイミングも、歌もダンスも良い。ミュージカル仕立てにしたことで、70年代のキッチュな極彩色の派手派手が、今の感覚で絶妙にアレンジされていてとてもオシャレ。そういや「グレイテスト・ショーマン」でもそういう手法を取っていたっけ。エルトン役のタロン・エガートン歌うますぎ!バーニー役のジェイミー・ベル(リトル・ダンサーの人!)も、音痴という設定なのに「Good bye yellow brick road」の一節を歌った時の高音ヤバかった。エンドロールで本物との比較画像的なのが出て来るんだけど再現率高過ぎ。衣裳や小物が、本物の方がド派手なものもあったのは笑った。いやー色々吹っ飛んでるわ。凄い時代だった。
内容としては、本人が存命で総製作指揮を取っているせいか、変に感動させようとか、キレイに終わらせようとかいう「作る側の都合」的なものがよりそぎ落とされてる感があった。奔放な母と堅物な父の無関心、唯一認めてくれる祖母の愛というありがちな組み合わせでも、そのエピソードは中々にリアルだ。暴力は振るわれないのに、ああこれはキツイわ心折れるわ…となる。勇気を振り絞ってゲイであることをカミングアウトした息子に向かって「前から知ってた」と平然と答える一方で「この先絶対に幸せになれない人生を選択したのよ」という呪いをかける厄介な母。ハグさえしてくれなかった冷たい父は、再婚後生まれた息子二人のためにサインをねだる。この両親に全く自覚はないし、息子の苦悩を本当に理解する日など永遠に来ないだろう。何を訴えようが何をしようが、人を変えることは不可能だ。誰にも助けることはできない。盟友バーニーに「自分で立ち直れ」と言われたその通り、自分で何とかするしかない。
もしこれが全てフィクションであればちょっと物足りないストーリーかもしれない。けれどこれは確かに「自らの抱える孤独を受け入れ克服したひとりの人間の再生物語(現在進行形)」なのだ。
それにしてもフレディといいエルトンといい、不世出の天才である故に孤独に苛まれ、酒とクスリと不純同性交遊に塗れた挙句悪い男(マネージャー)に騙されるパターン。不真面目で過激なことほどカッコいいとしてもてはやされていた当時、よっぽどそういう話が多かったんだろう。沢山の人に知られること、有名になることってかなり重くて面倒なことだ。程々がいいよ何でも。

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「ロケットマン」デクスター・フレッチャー
Rocketman Dexter Fletcher(2019英米)
【ネタバレあり注意】
子供の頃よく聴いていた初期の大ヒット曲がふんだんに出てきて、それだけでとても嬉しい。二匹目のドジョウを狙ったわね☆とは思っていたけど、「ボヘミアン」は途中降板したブライアン監督が殆ど作っていて、デクスターは仕上げだけだったらしい。
ただ、やはり並々ならぬリスペクトは感じられるし、曲の入るタイミングも、歌もダンスも良い。ミュージカル仕立てにしたことで、70年代のキッチュな極彩色の派手派手が、今の感覚で絶妙にアレンジされていてとてもオシャレ。そういや「グレイテスト・ショーマン」でもそういう手法を取っていたっけ。エルトン役のタロン・エガートン歌うますぎ!バーニー役のジェイミー・ベル(リトル・ダンサーの人!)も、音痴という設定なのに「Good bye yellow brick road」の一節を歌った時の高音ヤバかった。エンドロールで本物との比較画像的なのが出て来るんだけど再現率高過ぎ。衣裳や小物が、本物の方がド派手なものもあったのは笑った。いやー色々吹っ飛んでるわ。凄い時代だった。
内容としては、本人が存命で総製作指揮を取っているせいか、変に感動させようとか、キレイに終わらせようとかいう「作る側の都合」的なものがよりそぎ落とされてる感があった。奔放な母と堅物な父の無関心、唯一認めてくれる祖母の愛というありがちな組み合わせでも、そのエピソードは中々にリアルだ。暴力は振るわれないのに、ああこれはキツイわ心折れるわ…となる。勇気を振り絞ってゲイであることをカミングアウトした息子に向かって「前から知ってた」と平然と答える一方で「この先絶対に幸せになれない人生を選択したのよ」という呪いをかける厄介な母。ハグさえしてくれなかった冷たい父は、再婚後生まれた息子二人のためにサインをねだる。この両親に全く自覚はないし、息子の苦悩を本当に理解する日など永遠に来ないだろう。何を訴えようが何をしようが、人を変えることは不可能だ。誰にも助けることはできない。盟友バーニーに「自分で立ち直れ」と言われたその通り、自分で何とかするしかない。
もしこれが全てフィクションであればちょっと物足りないストーリーかもしれない。けれどこれは確かに「自らの抱える孤独を受け入れ克服したひとりの人間の再生物語(現在進行形)」なのだ。
それにしてもフレディといいエルトンといい、不世出の天才である故に孤独に苛まれ、酒とクスリと不純同性交遊に塗れた挙句悪い男(マネージャー)に騙されるパターン。不真面目で過激なことほどカッコいいとしてもてはやされていた当時、よっぽどそういう話が多かったんだろう。沢山の人に知られること、有名になることってかなり重くて面倒なことだ。程々がいいよ何でも。
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