おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

葵 三(オフィスにて♪)

2019年7月6日  2022年6月8日 
「おっはよう右近ちゃん」
「おはよう侍従ちゃん」
「昨日の御禊(ごけい)パレードさ、右近ちゃんのお兄さんヒカル王子の随身やってたよね! 凄くない?! あのキラキラ☆オーラにすっぽり嵌って何だか三割増しくらいイケメンに見えたよ!」
ド正直な感想ありがと侍従ちゃん(笑)何だかね、よっぽど他にいなかったのかしらと思ったけど、無事終わって家族としてはホッとしたわ。本来は将監って特別の行幸とかじゃないと付けないんだって。かなり異例のことだったみたい」
「流石は若くして近衛の大将になったヒカル王子ねん。何もかも規格外だわー(うっとり)。ホントすっごい人だったもんね!賀茂祭だってここまでじゃないよってくらい。右近ちゃん家は当然関係者席?」
「それがさ、一応よく見える場所ではあったんだけど狭いのなんの。何しろ行列の参加者だけでも相当な人数でしょ。関係者の家族ときたらその倍以上だから、私らみたいな一般貴族はいち家族三人までみたいな感じでぎゅうぎゅう詰め。だから侍従ちゃん誘いたくても誘えなかったの。ごめんね」
「えっ何言ってんの大丈夫よ! アタシはアタシで手持ちのコネ使いまくって確保したわ。家族全員バーラバラだけど(笑)この際四の五の言ってられないと思って」
「それでこそ侍従ちゃん。平安OLの鑑ね。どの辺にいた?」
「ふふふ、よくぞ聞いてくれました。桐壺院の弟さん、式部卿宮の桟敷の真後ろ!」
「うわっ何それ! 超絶セレブ席じゃない。何でそんなとこ空いてたの」
「知り合いが場所取りしててさ、一人ならいいよって座らせてくれたの。ラッキーだったわあ。やっぱ人脈よね、抽選も予約登録もない平安時代じゃ」
朝顔の姫君もいらした? 王子の従妹で昔からの文通相手という」
「もちろん。綺麗な方だったよ、チラっとしか見てないけど。上品でいかにもお嬢様ーって感じ」
「まだご結婚されてないのよね。まあ、ヒカル王子と長年やり取りしてたら中々他の男に目はいかないわよね親御さんにしても」
「うん、式部卿宮は本気でうっとりしてた。こんな眩しいまでに美しい方がいるなんて、神に魅入られちゃうんじゃないか?なーんて調子。周りの女房さんたちは言うまでもなくキャーキャー大騒ぎよ」
「あそこもねー、家柄が良すぎて釣り合う男性が中々いないのよね。ヒカル王子くらいがちょうどいいんだけど、左大臣家と張ることになるし、何よりほら……六条御息所の例もあるしで踏み切れないんだろうなあ」
「ああーアレ酷かったよね、車争い。間近で見たわけじゃないけどさ、凄い噂になっちゃってるよ」
「王子にもご注進した人がいて、慌ててご機嫌伺いに行ったけど取りつく島なく追い返されたって。斎院がまだ家にいらして憚りがあるからって理由で」
「あーあ……相手は世が世なら皇后になったかもしれない身分の人なのにさ。一部の家来がイキっちゃったにしろ、ぶっちゃけ北の方側が超上から目線でマウント取ったって見られても仕方ないよね。多分葵上さま自身は全く自覚ないんだろうけど、天然通り越して無神経じゃなーい?さすがに」
「今を時めく左大臣家の箱入りお嬢様だからね。誰かに気を遣うなんて考えたこともないよきっと。悪意のあるなし以前に」
「だったらせめて左大臣家から謝罪のひとつもあってよくない? 自分とこの家来の不始末なんだからさ。いくらなんでも失礼すぎだし酷すぎでしょ」
「それも難しいところよね。そもそもがお忍びの体だったわけだから、正式に謝罪とかやっちゃうとそれはそれで、あの時のあの車は六条御息所が乗ってたって事実が確定しちゃう。そこはぼかしておかないと、余計に恥をかかすことになりかねないよ。何しろ現斎宮のお母様なんだから」
「そっか、考えてみれば王子に謝られたりするのも微妙よね。王子は所詮正妻さん側の人だよって言ってるようなものだもん。うーん辛すぎる……」
スペック高すぎる人も中々大変よね……朝顔の姫君も、そういうの見たらとてもヒカル王子とこれ以上進展しようと思わないだろうし、だからといって他の男はまともであればあるほど気圧されちゃって近寄れないしで」
「うん、程々がいいよ何事も。今回の行列見物だって、いっちばん幸せそうだったのって下々の皆さまだもの。あの混雑の中、押し合いへし合いしながら立ち見なのにみーんなニッコニコだったよ」
「色んな人がいたよねえ。壺装束の女房さんたちとか、尼さんとか、普段とり澄ましてるような人たちでも行列が近づくなり超ハイテンションで縦ノリ状態だし、車も人も盛り盛りにデコっててさ。確実に経済回してるよね、しかも広範囲に。王子が目を留めるかどうかなんてもはや関係なく、せっかくだから!と人を行動させる何かがある。老若男女、何なら身分や職業までも超えて、全方位的に待ち望まれて熱狂される、ヒカル大将の底力を再認識したわ」
「でしょでしょ!やっぱ凄いのよアタシの王子さまは!えっへん♪」
「侍従ちゃんが威張ってどうすんの(笑)まあ、まごうかたなき女泣かせ男よねえ」
「ですよねー。だが、そこがいい……!」
「重症(笑)」
参考HP「源氏物語の世界
<葵 四につづく>
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