もうすぐ八年

 平成もまもなく終わるこの年に、以前は語らなかったことを少しだけ。

 七年前の福島原発事故、あの爆発映像を観て真っ先に思い出したのは米国の同時多発テロ。夜中に臨時ニュースと共に流れた映像がとても本当のこととは思えなかった。映画の一シーンみたいだと。
 だがあれは海の向こうの出来事、すぐに我に返った。子持ちの関東住まいとしてすぐに進退を考えねばならないリアルだと。とりあえず逃げるか?何処へ?実家?交通機関はまだまだ混乱している。車は無い。在来線すら停まっている今どうする?頭の中がグルグル。正確な情報が欲しい、出来るだけ早く。

 震災直後からネットで最も使い勝手が良かったのは、当時ほぼテキストベースだったツイッター。今よりユーザーも格段に少なくウザい広告動画もなく、検索も簡単だった。とにかく情報を得られそうな人は片端からフォローし、毎日チェックした。
 特に注目していたのは東大の早野教授。原子力の専門家ではなかったが、ご本人いわく「行きがかり上」、原発事故とその影響に深く突っ込んでいった方だ。元々の科学的知見はもとより、その動きは多岐にわたり、迅速で的確だと感じた。もっとも影響が大きいと思われた福島の子供に的を絞り、ホールボディカウンターでの検査・給食丸ごと検査・ガラスバッチ配布など、次々実行していかれるその速い流れをみているうちに
「福島の子供が大丈夫ならば、関東にいる自分たちは尚更大丈夫だ」
という今から考えてみればごく当たり前のことに気づき、やるかたない不安は急速に消えていった。
 あの事故で出た放射線による影響は無視できるほどに少ない、という結論が出た今は、当時自分が抱えていた不安はすべて杞憂であったと確信している。

 で、今。早野氏が「些細な」(と、あえていう)間違いをあげつらわれて叩かれてるわけだけれど。
 日本中が混乱してる中、誰もやったことのない計測や調査を行政も巻き込んで試行錯誤しながらやり続け、長期間に渡ってデータを積み上げていった早野氏が、わざわざその一つだけねつ造する意味が何処にある?しかも訂正後の数値にしても全然安全圏内なのに、何を大騒ぎする必要があるのか。勿論誤りは指摘されるべきだし謝罪した上での修正も当然だけど、結論は変わらない、しかも単独で書いた論文でもない、わざわざ有名人である早野氏の名前だけ声高にいうのは何故なのかね?

 イトイさんは私も好きではないが、「知ろうとすること」は良本だし、あの当時やってたことまで否定することはないと思う。彼も、関東の人間として同じような不安を抱えていた当事者でもあるのだ。その後のことは、むしろ早野さんという「本物」と組んだがために勘違いして調子に乗っちゃった結果かもしれない。そう思うとやや気の毒ではあるが、でもあの界隈にイイネをすることはない(笑)。それはそれ、これはこれなのだ。

 怒りは目を曇らせる。自分の弱点を曝け出してしまう。デマや詐欺に騙されるのもそういう時。自戒を込めて。

0 件のコメント:

コメントを投稿