帰途につく
古く広い家の中で偲ぶ会が行われている。一人は泥酔しているようで大きな声でくだを巻いており、周りの人は皆眉をひそめている。
小学生くらいの男子が二人、退屈したのか追いかけっこを始め、家具に掛けてあった布を乱暴にはぎ取り走り去っていった。向こう側で親に叱られているような声が聞こえる。
長い宴がようやく終わり、客人が帰る時が来た。挨拶をしにいくと、テレビでよく見る有名な俳優が立っている。握手してくださいとお願いすると快く受けてくれる。
ありがとうございます、故人があなたの出てるテレビ番組をよろこんで観ていました、
と言おうとして泣いてしまう。涙をぽろぽろ流していると、大丈夫ですか泣かないで、と俳優が優しく手を添えてくれる。大丈夫です、今まで忙しすぎて泣かずに来たから少し泣いてもいいのかもしれない、と答える。
皆が帰っていく中外を見ると、そろそろ夕暮れだ。揃いの黒っぽい服装をした人たちが三々五々集まってきて、何かに抗議する準備をしている。こちらには見向きもしない。三人で傍を通り抜け荷物を持って帰途につく。目的地に行くには目の前の急な坂を下りなければならない。地面がむき出しで途中から手すりがついている。平べったい靴で不安になるが、滑りそうになりながら何とか手すりを頼りに下まで降りる。
キップを買おうと売店に行く。特殊な機械でお金が入れづらい。しかもやっと出てきたおつりは一円玉がほとんどで、財布がパンパンになってしまった。さあ帰ろうと席を立ち歩きだしたところで、全員カバンを忘れたことに気づく。慌てて戻ると、ガラの悪い連中が席を占領していて、自分たちのカバンの一部を開けて騒いでいる。それは故人の思い出の品だ、お願いだから返してくれと頼むと、リーダーのような人物がわかった、と丁重に返してくれた。
こんにちは。
返信削除なんだかちゃんとストーリーになっている夢ですね!
しかも、最後に大事なものも返してもらって後味の良い夢^^
私だったら自分の夢をこんなに上手に文章に出来ないので、すごいです!
昔、黒澤映画で『夢』を見ました。黒澤明さんが見た夢を元にした映画なんですけど、人の夢って本当に不思議なんですよね。なんでそんな夢をみたのだろう?と思っちゃいます。自分自身と全くかけ離れているようでそうでもないような……。
つばきさん♪こんにちは!
返信削除割と昼間に見た夢のほうがくっきりしてることが多いですね。まあ朝は大抵バタバタしてるので覚えていられないだけかもしれませんが。
夢は記録していると段々細部もはっきり覚えてられるようになるらしいです。自分の中にある色んな断片が組み合わさってるのかな?と思うと興味深い。夢からアイディアを得た科学者なんかも結構いるようで、私もあわよくば…とちょっと期待してます(不純