2013年2月6日
2023年9月13日
門田隆将さん二連発
「太平洋戦争 最後の証言」陸軍玉砕編
自分の感情や推測や予断といったものをなるべく排し、あくまで調査した内容・インタビューしたそのままを忠実に再現しようという強い意図がみえる。シンプルで端正な文章が相まって、濃い、辛い内容ながらとても読みやすい。あの戦争を兵士として戦った人の生の話を聞いて、本としてまとめることはこの先もう難しいだろう。タイトルの通り事実上最後だ。そういう意味でも相当な覚悟を以て書いた本だと思った。父の叔父がフィリピンで亡くなっているので「陸軍玉砕編」から買ってみたが、他のも読みたい。
どこでどのように亡くなったかわからないままの人は沢山いるのだろうけど、このような本が書かれるあたり、魂はちゃんと日本に還ってきているのだと思う。
「死の淵を見た男」吉田昌郎と福島第一原発の500日
あの頃、テレビに出てくる吉田所長の言動をみて「きっとこの人で持っているんだろうな」と思ったのは私だけではないだろう。このタイミングでこのような本を出せるそのパワーと執念に並々ならぬものがある。いつも冷静で抑制された文章を書く門田さんが、この本では時折、隠し切れない怒り、憤りを感じた。いまだ完全に収束したとはいえない状況なので、今後また新たな事実や証言が出てくる可能性もあるが、とりあえずこの本で、「最高責任者が本来の持ち場を離れ必死で作業中の現場に乗り込む」というのがいかに迷惑で無責任で愚かでサイテーな行為か、骨の髄まで理解できることは間違いない。
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