残暑お見舞い申し上げます
夏休みの宿題処理活動が本格化するまえに記録しておこう、八月に読んだ本。
伊坂さんの本はこれが初めて。以前、知り合いに、伊坂さんを読むならやっぱりここから、と言われていたことを思い出し手にとった。デビュー作だったのね。中身はひたすら若い! という感じだが、物語の核がしっかりあって、そこに迷いなくまっすぐ向かう力は非凡。自分に足りないものがよくわかる(泣)。やっぱり才能あるんだなあ。他のもまた読んでみよう。
設定がかなり複雑なのでそこに振り回された?ような感がある。「極度に閉鎖的な孤島」「いわくつきの旧家」「鬼とよばれる神」「もみ消された殺人」「素性を明かさない、だが優秀な女性の失踪」「神社に吊るされた死体」・・・要素ひとつひとつは魅力的なのだが、ちょい盛り込み過ぎ。途中、会話だけで状況説明が延々と続くところがあって辛かった。
書き下ろしらしいが、枚数が少なすぎたのでは?
内容の濃さからして、やはり「屍鬼」のような大長編で書くべきと思われる。
なーんて書いてはみたが、全部自分にはねかえるようなことばっかり(泣)。
「屍鬼」で確信したが小野さんはきっと少女漫画好き。角川映画全盛期をリアルタイムで体感、横溝正史や森村誠一なんかを読みふけった私としては勝手に仲間だと思っている。そうなんだついついこうやって足し算しちゃうんだ、この世代は。
実家にて、女子中学生二名が絶賛。早読みの長女はもちろんのこと「本読むのっていつもは時間かかるんだけど、これはご飯食べるのもそこそこに一気よみした!」という姪の言葉に、これは読まねばなるまいと手にとった。
娘を喪った女性教師による衝撃の「告白」、関係者の独白がそれに続く。善玉・悪玉という単純なくくりではないし、誰も幸せになれないが、基本的には勧善懲悪。日頃さまざまに割り切れない思いを抱える中学生の溜飲を下げるのにちょうどいいポイントを突いていると思った。
大人として面白かったのはやっぱり先生の独白。表立っては言えない大人の本音みたいなのがちょこちょこ書かれていて、こっそり頷く部分も。小説として素直に面白かった。フィクションならではのこの明快さは確かに映画向きかも。
徹頭徹尾、いち兵卒としての視点から描かれているこれを、夫はつらくて熟読出来ないという。「仕事として」戦地に行かされ、上司の意思ひとつで生き死にが決まるあたりが、非常に身につまされるらしい。確かに、職業軍人はともかく、徴兵された一般の国民からすれば戦争は「逃れられない厄介な仕事」という意識だったかもしれない。
極端に美化された、また極端に残酷な話などなくても、戦地での日々、人々の振る舞いや出来事を淡々と描くことでそのきつさ、つらさ、悲惨さは十分に伝わる。戦争経験の全くない私たちだからこそ、感じられるのかもしれないが。
余談。「ゲゲゲの女房」が人気だが、あのようなぶっきらぼうかつある意味横暴で頑固な男性、今の若者的にはどうなのだろう。新鮮なのか? 私なんかは父親世代を思い出してかなりツボにハマる。向井さんはイケメンだし(あれ?笑)。
酷暑お見舞い申し上げます。
返信削除仙台も暑いです。そんな34度の雨のちバカっ晴れの日(15日)にゴルフなんぞに出かけたバカ(僕)は熱中症になりそうでした。
オーデュポンと告白は読んだけど、他の二つは読んでないなぁ。
他の二つ気になるなぁ… 特に、黒祠の島(表紙と題名がそそる)
余談。ゲゲゲの女房は毎朝観てます(笑)
おおお!よっぱさんお久しぶりですっ♪
返信削除この辺境のブログご覧になっていたのですね、嬉しいな♪
昨日さいたまは38度の高熱でした(号泣)。
ゴルフどころか買い物行くのも息絶え絶えです。
「黒祀の島」は、こんなに言っておきながら何ですが面白かったですよ。ただ「屍鬼」に感動した私としては、小野さんもっと書けるやろ!とちと不満だったんです。
「総員玉砕せよ」は本当にオススメ。今ならちょっと大きい本屋なら置いてます。
「ゲゲゲ」は主役ふたりの魅力もさることながら子役が可愛いのなんのってもう。今週はあいこちゃんえらいことになりそうな予感ですね。