新年明けましておめでとうございます
というわけで、突然ですが年末ギリギリに読んだ本のご紹介。
以前から実家にあり、義姉が絶賛していたので、いつか読もうと思い続けてはや二年? ついに読破。
「将器」=人の上に立つ者の器、なのであろうが、それがどんなものかというのが明確にかつ気持ちよく理解できる書であった。
主人公はむしろ丹波、なのかもしれないがその丹波がいただく主君である長親は、百姓たちにも「のぼう様(でくのぼう、の意)」などと呼ばれるほどの天然ボケ&無能な男。だがその実……という話なのだが、これがなかなか痛快で、日本人なら誰もが持つある琴線に触れるのだ。なーんにも動かない、ようにみえる長親の周りで、面白いように、動くべき人物が動くべき時節で適切に動く。人を動かすというのはこのようなことであるなあとキレイに腑に落ちるのだ。世間の、快作という評も頷ける。
満足して本を閉じたあと、ふと思う。ここでいう「将器」って、作家に不可欠なものではないか?
己が直接にことに関わることなく、他を動かす。それをやるにはまず全体を見渡せていなければならないし、人物をすべて理解しつくしていなければならない。ということは目指せ「のぼう様」なのか。
と書いたところで、昨日観た「龍馬伝」をも思い出す。龍馬もまた「将器」を持つ人物だ。
どちらも、国の危機にあたりはじめてその才が活きた。
2010年、日本にもそういう人物が現れればよいが。
ちなみにヒロスエ、十代の役はちとキツイ。「坂の上の雲」のカンノちゃんは似合っていたけどなあ。演技力の差か。
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